図書館も正月休みに入るので、例年年末になると何冊か余分に本を借りてくる。
今年は家事手伝いどころか、家事本業になることは判っていたので、3冊しか借りなかった。
しかも字数が少なかったり、写真の方が多かったりといった本ばかりに絞った。

「田中清光詩集」「千度呼べば:新川和江」
田中清光詩集は、収められている詩の篇数が多く2段組になっていてちょっと時間がかかったが、千度呼べばの方は、1ページに数える程しか字がないので、すいすいと読めてしまった。
自分の心情ばかりを表現するものより、社会や自分の心根の矛盾なども含めて表現する詩の方が私は好きである。
まあ詩の方は年前にあっさりと読んでしまったのだが、写真入りの探訪ガイドには手こずった。

「神話ゆかりの地をめぐる・・古事記・日本書紀・・探訪ガイド」
これにはかなり頭を悩ませられた。
主として古事記に由来する土地を71箇所選定し、見どころを紹介しながらなおかつ記紀の内容もピックアップして説明してあるが、その説明に登場する神々の名前と関係が覚えられないのである。
登場する神々は、ほぼ一度は聞いたことのある名前ではあるのだが、人間関係というか神々関係というか、神々の系譜がややこしいのである。
ロシアや中南米や東欧などの翻訳本に登場する人物名と、その相関関係などを把握しながら読むのも骨が折れるが、この日本の神話に登場する神々の名前のややこしさと、相関関係に比べればどうってことはない。
しかも、系譜を追って話が進むならまだしも、探訪スポットと物語の時代が微妙に前後しているし、登場する神々も断片的に登場したりするので、まあ偉い神様がこの神社には祀られているのだと思う程度で読み進めるなら苦にはならない。
ところが探訪スポットの紹介より、むしろ記紀神話との関連性の方に興味が湧いてしまって、なかなか前に進めない。
以前読んだ「神々の流竄」が頭にちらついたりするのだ。

「神々の流竄」梅原猛(著)1983.1集英社(刊)
36年前に買った本だが、引越のたびに本などを処分してきたのに、この本はずっと引越荷物と一緒に移動してきた。
私としては、当時一冊2000円の本を買って読むなどということは、とんでもない話だったのだ。
ただ、お陰で目からウロコが何枚かポロポロと落ちたのを覚えている。
内容もポロポロものだったが、記紀が著された時代そのものに目を向けるという切り口がポロポロものだった。
特に物語性の強い「古事記」については、誰が編さんを命じ、読者として誰を想定したのかなどが推理されている。
古事記編さん当時の権力構造と、権力者の先祖神及び古事記の中の神々の系譜との符合や、関係性などが推理されていく。
36年前に読んだ本でも、細かい内容はともかく著者の意気込みのようなものは今でも印象に残っている。
とても面白い物語ではあるが、たぶん大河ドラマには不向きかも知れない。

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今年は家事手伝いどころか、家事本業になることは判っていたので、3冊しか借りなかった。
しかも字数が少なかったり、写真の方が多かったりといった本ばかりに絞った。

「田中清光詩集」「千度呼べば:新川和江」
田中清光詩集は、収められている詩の篇数が多く2段組になっていてちょっと時間がかかったが、千度呼べばの方は、1ページに数える程しか字がないので、すいすいと読めてしまった。
自分の心情ばかりを表現するものより、社会や自分の心根の矛盾なども含めて表現する詩の方が私は好きである。
まあ詩の方は年前にあっさりと読んでしまったのだが、写真入りの探訪ガイドには手こずった。

「神話ゆかりの地をめぐる・・古事記・日本書紀・・探訪ガイド」
これにはかなり頭を悩ませられた。
主として古事記に由来する土地を71箇所選定し、見どころを紹介しながらなおかつ記紀の内容もピックアップして説明してあるが、その説明に登場する神々の名前と関係が覚えられないのである。
登場する神々は、ほぼ一度は聞いたことのある名前ではあるのだが、人間関係というか神々関係というか、神々の系譜がややこしいのである。
ロシアや中南米や東欧などの翻訳本に登場する人物名と、その相関関係などを把握しながら読むのも骨が折れるが、この日本の神話に登場する神々の名前のややこしさと、相関関係に比べればどうってことはない。
しかも、系譜を追って話が進むならまだしも、探訪スポットと物語の時代が微妙に前後しているし、登場する神々も断片的に登場したりするので、まあ偉い神様がこの神社には祀られているのだと思う程度で読み進めるなら苦にはならない。
ところが探訪スポットの紹介より、むしろ記紀神話との関連性の方に興味が湧いてしまって、なかなか前に進めない。
以前読んだ「神々の流竄」が頭にちらついたりするのだ。

「神々の流竄」梅原猛(著)1983.1集英社(刊)
36年前に買った本だが、引越のたびに本などを処分してきたのに、この本はずっと引越荷物と一緒に移動してきた。
私としては、当時一冊2000円の本を買って読むなどということは、とんでもない話だったのだ。
ただ、お陰で目からウロコが何枚かポロポロと落ちたのを覚えている。
内容もポロポロものだったが、記紀が著された時代そのものに目を向けるという切り口がポロポロものだった。
特に物語性の強い「古事記」については、誰が編さんを命じ、読者として誰を想定したのかなどが推理されている。
古事記編さん当時の権力構造と、権力者の先祖神及び古事記の中の神々の系譜との符合や、関係性などが推理されていく。
36年前に読んだ本でも、細かい内容はともかく著者の意気込みのようなものは今でも印象に残っている。
とても面白い物語ではあるが、たぶん大河ドラマには不向きかも知れない。

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