川柳仲間の女性の句で「新聞に春の息吹を探す朝」というのがあった。
多分冬の最中で、春の息吹が待ち遠しい頃の作だろう。
この気持はよく分る。
実は先日の地元紙に「トキワマンサク」の花が満開という写真記事が出た。
梅や椿に始まって桜~ツツジ~と、ほぼ毎年同じ場所に出かける癖が我が家にはある。
で、その癖に従って小雨の中を県北にある小岱山の麓の自生地に向かった。
高速を使えば、時間的には1時間ちょっとの行程。
(小岱山麓の蜜柑畑)
小岱山の山麓に立つと、見渡す限りの密柑山の向こうに有明海と雲仙岳が望める。
この、小岱山は500m程の山で、落葉広葉樹と常緑樹の混合林で比較的自然の残る山である。
付近には「小岱焼」の窯元も多く、独特の風景を醸し出している。
トキワマンサクは、私有地の中を通る先にある。
駐車場に車を駐めて、歩く。
(満開のトキワマンサク)
色は薄黄色で目立たない。
自生地は限られていて、日本では3箇所くらいしかないらしい。
(指定希少野生植物の保護地区の表示板)
以前は無かった、希少野生植物の保護地区であることの表示板が建てられていた。
風が少し冷たく感じた。
(木々の花や蔦の花)
各種の木々の花が今を盛りと咲き誇っていた。
野生の藤の花がここまで開いているのならと帰り道の「山田の藤」を覗いてみることにした。
(神社の境内の藤)
もの凄く大きな藤で、もう蔦というより木のようになっている。
少し時期が早過ぎたようで、長く下がる筈の房もまだ蕾で短かった。
水車だけは、休みなくコトコトと回り続け、池の中の大きな鯉は人の足音を判別して近寄ってくる。
小さな橋の上から覗き込んだら、水の中から顔を出して大きな口をパクリと開けた。
餌の持ち合わせもない・・・、悪いことをした。
(午後の空)
自宅に帰り着いた頃、空は北西の方向から明るくなり始めた。
予報よりやや天気の回復は遅かったが、世の中が急に明るくなってきた。
相方がマメを収穫した言う。
(エンドウ豆)
2本ほど枯れかけた蔓があったので収穫したのだと言う。
今夜は豆ご飯と決定した。
・・・・・・・・・
途中で相方の着付け仲間の訃報が届いた。
余命を知りつつ、生き方も死に方も自分で決定した強い女性だった。
数年前に彼女がくれた胡蝶蘭の4鉢が、珍しく全て花芽をつけた。
今夜は通夜である。
「葉桜の下にも埋めてある涙」・・・しろ猫