庭のモミジの新緑が一際目に付くようになった。
サヤサヤとした葉っぱは、季節毎に色合いを変えていく。
今まさに、若葉の萌え出る頃。
(若葉のモミジ)
太陽を背にして撮すと、明るく輝く薄緑色。
裏側に回ると・・。
(裏側からのモミジ)
葉っぱから太陽の光が透けて見え、また独特の柔らかい緑になる。
サヤサヤ感は裏側からがより味わえる。
(モミジの花と実)
新葉が出るとほぼ同時期に花芽が出る。
もう一部には、ヘリコプターの羽根のような実がついている。
ちゃんと時期がくれば、竹とんぼのようにクルクル回りながら風に舞う。
このモミジの名前は「青鴫立」。
物の本によれば、「鴫(シギ)」はチドリ目シギ科で沢山いる同種の鳥の総称だとか。
南極以外の世界中に90種くらいが分布しているらしい。
ちなみに「鴫」は国字で、奈良時代に出来た文字だという。
このモミジの名前「青鴫立(アオシギリュウ)」は、緑葉っぱの文様が浜千鳥のように見えたからだと思う。
(青鴫立の葉っぱ)
薄い緑にやや濃い目の葉脈が見えるが、鴫の足のようでもあり全体が鴫の群れのようにも見える。
葉っぱは、やがて緑が段々と濃くなってくるが、そうなると今度は葉脈の部分が白く見え始める。
いずれにしても、葉脈をハッキリ見せてくれる独特のモミジで、名前からすると初夏から夏場が見頃。
秋は紅葉しないまま枯れるので、強制的に葉を落とすと大きめの新葉が出るが葉脈は鮮明でない。
最初の葉の2倍くらいある大きさの葉っぱで、12月頃に紅葉する。
ちなみに、謡曲の謡い本の表紙の模様は千鳥(鴫)である。
(謡曲の謡い本)
薄茶色の表紙の本は濃い茶の千鳥、黒表紙の本は金色の千鳥が群れて飛んでいる図柄である。
私がこのモミジを気に入っている理由の一つでもある。
現在練習中の曲は、「高砂」と「田村」で、6月に発表会を催す予定だが、これは蛇足。
「モミジ葉とやさしい風の相聞歌」・・・しろ猫