今日は風通しのよい場所でも室温は26度を越えようとしている。
いきなりの夏日に、重ね着を次々と脱いでいくしかない。
歩きも涼しくなる夕方からにしようと思っている。
今日は図書の返納期限なので、返本して代わりに1冊借りてきた。
その際、「持ち出し持ち込み自由コーナー」に立ち寄ったら、めぼしい本があったので1冊持ち帰った。
(グラフィック版「東海道中膝栗毛」)
見る限り立派な装丁の本で、価格がないのでいくらのものか判らない。
編者は「安岡章太郎」名があり、編集委員もそうそうたるメンバー。
(編集委員)
ぱらりとページを捲ると凄い内容が展開。
随所に名だたる絵師の浮世絵が鏤められている。
そもそも、弥次さん喜多さんとは何者ぞと十返舎一九が述べ始める。
二人の滑稽な行状を披露して、その原稿料で作者が寝酒の飲み代を稼がせてもらうという魂胆を披露。
弥次さん喜多さんの、道中に合わせて絵が配列されるという構成。
文章は、安岡章太郎の手になりとても読みやすい。
(十返舎一九の自筆の絵と文)
挿絵的に鏤められて、滑稽さを盛り上げる。
東海道中膝栗毛は全8編で終了するが、弥次さん喜多さんは人気に乗って、その後も各地を回る。
東海道から実に20年後まで、彼方こちらを膝栗毛で旅をしたらしい。
歴史上に名を残す人達に交じって、物語世界の中で光源氏と共に弥次喜多の名は誰でも知っている。
こんな本を、本の持ち帰りコーナーに持ち込んだ人はどんな人なのだろう。
現在、私の膝栗毛はやや弱ってはきたものの、四国遍路の旅の途中である。
何度も歩いた東海道であるが、四国の次には再度東海道を歩いてみようかという気になってきた。
「脇道に逸れた話が面白い」・・・しろ猫