カンチャン狂騒曲

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新3本の活断層

2016-12-24 13:23:17 | 熊本地震
 12月22日に国土交通省は熊本地震で被害の大きかった益城町の市街地復興に向けての安全対策に資する中間報告をまとめた。

 その報告の一部が翌日の朝刊に掲載された。

 報告内容はネットでも公開されていて、地盤調査の要領や調査地点等も示されているが、現時点では調査地域が特に被害が大きかった中心部に限られていて、今後の調査の広がりによって更に違った姿が顔を出す可能性はある。

 取り敢えず新聞に要約された推定断層の図面は、今まで判っていなかった3つの断層の存在を明示している。

 
 (国交省推定の3つの断層)

 今までは町の中心部の南を流れる秋津川から更に1Kmほど南の山麓沿いに「布田川断層帯」が走っていて、八代方面にまで伸びる「日奈久断層帯」とも連動していることは判っていた。

 しかし今回の地震から町の中心部を東西に新たな断層があることが判明し、さらに国交省の震動等による調査や数カ所のボーリング調査結果から、町の中心部を東西に走る県道28号線沿いと、その県道を挟んで平行に更に1本ずつの3本の断層があることが推定されるという。

 市街地の整備にあたって活断層上の土地の利用法について配慮するよう提案している。

 新聞紙上の大まかな表示ではよく判らないのでGoogleの地図と見比べながら地図上に展開してみた。

 
 (地図上に展開してみた断層)

 今回の地震では県道28号線と秋津川の間に位置する③(黄線)の断層が主として活動したと推測されている。

 残りの二つの②(青線)の断層やその北側の①(赤線)の断層も今後は同じような地盤のズレが生じる可能性があるという。

 一方現行の耐震基準で建設された1~2階建ての建物の被害は少なかったため特段の追加処置は必要ないとしている。

 こうして地図上に展開してみると、我が家との位置関係や近所の倒壊家屋との位置関係が如実に判ってきて、納得するとともに今後に少々不安な思いも湧いてくる。

 東西が切れているのは、調査が終わっていないからでこの断層の線は東西にまだまだ伸びる筈だ。

 今回の中間報告をネットで見てみると、町の地質の特性もちゃんと表示されていて、川の流れ一つとってみても現在とは全く違っているし、その後の土地利用、道路建設、その道路に沿った新たな市街地の形成など、元の地質・地形や天然の災害を考慮に入れることなく推進される都市計画の危うさが垣間見えてきた。

 地震という滅多に起こらない災害によって、図らずも我が町の実体が判明しつつあるわけだが、日本全国どこでも当てはまる話で、文字通り「砂上の楼閣」を危惧される開発が今日も進められているのが現実である。

 無闇と西欧文明を真似て自然を征服することに血道をあげているとしっぺ返しを食うぞ、と漱石はすでに明治時代に小説の中で警告を発している。

 今日はイヴ、こちらは同じ真似事でも「寛容な日本教でクリスマス」ともっぱら経済活動に寄与させている。

 それにしても、新3本の活断層という言葉は、どことなく新三本の矢と語呂が似てしまった。

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