ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太が羽生を圧倒

2019-10-21 22:48:31 | 将棋
王将戦挑戦者決定リーグの注目の対決は、藤井聡太七段が羽生九段を82手で破りました。

羽生九段の先手で始まり、戦型は相掛かりでした。勝負は思っていたより早く動きました。藤井七段が38手目に思い切って飛車を切りました。ここでは形勢はまだ難しいですね。50手目に藤井君が1五金と飛車取りとします。羽生さんの玉を左から右から包むように攻めます。素晴らしいなと思ったのは74手目でした。5四馬として羽生さんの馬との交換を強要した手です。ソフト的にはかなり大差がついていたと思いますが、人間が見るとこれで自玉も安全になり、藤井君が勝ちになったかなという感じです。
鮮やかだったのは80手目の2六金です。ユーチューブのソフトで見ると悪手扱いになっていますが、華麗かつ合理的な手だと思います。最善手じゃないですかね。流石に羽生さんもこの手を見せつけられてすぐには投げらせず、82手で投了しました。

藤井七段は好調の羽生九段に土をつけ、これで3勝1敗。一瞬とはいえ単独トップに立ちました。羽生さんの心境は、年下の谷川浩司が現れたような心境だったかもしれません。それくらい華麗な攻めで、正確な指し回しでした。これでは相手のミスを突くのが巧い羽生さんもどうすることもできません。今更ながら藤井君は紛れもなく天才棋士ですね。しかも将棋に華があります。

藤井七段が羽生九段に快勝というこの一局は、将棋界にとって大きな意味を持つのかもしれません。しかし、王将リーグはこれからです。藤井君としては、次の久保九段戦が重みを増してきました。久保さんに対しては負け越していますし、苦手意識があるかもしれません。レベルの高い振り飛車党に対する経験値がまだ足りていないのでしょう。そして最終局が広瀬竜王。挑戦の可能性もあれば、残留できない可能性も残しています。とにかく藤井君にとっては難関の久保九段戦を乗り切って、タイトル挑戦に一歩近づいて欲しいものです。
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