ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太は生まれながらの天才のようだ

2019-10-25 08:37:23 | 将棋
昨日の竜王戦、広瀬竜王は挑戦者の豊島名人に敗れ、0勝2敗となりました。密かに広瀬マニアの僕としては残念です。次の第3局ですね。ここで豊島さんが勝てば9割以上、豊島竜王誕生だと思います。広瀬さんが勝てば、まだまだこれからです。

広瀬さんと豊島さんはいずれも高学歴ですね。それぞれ、関東関西の名門大学に入っています。豊島さんは中退でしたか。「ひふみん」こと加藤九段は佐藤天彦九段の頭のよさに感心したそうです。天彦さんは言語力も素晴らしいし、頭脳明晰ですね。一方で糸谷八段は将棋棋士の特徴をいくつか挙げる中で「棋士は将棋以外は何もできない人が多い」と言葉にしています。糸谷さん自身は哲学の家系で国立大学の大学院時代に竜王になるほどのマルチな才能の持ち主ですから、「この人たちは将棋が廃れたらどうするんだろう?」という思いなのでしょう。僕は多くの棋士は将棋に特化した才能なのだと考えています。早い時期に将棋に出会い、筋がよく、のめり込むように将棋に指し続けた人が多いのでしょう。

一方、藤井聡太七段は、天才がたまたま将棋を指しているという表現がしっくりきます。一般的な天才というと東大生を思い浮かべる人は多いでしょう。ただ、僕は秀才型が多いと思っています。個人差はあれど、こちらが想像がつかないほど量も質も高い努力を積み重ねたのでしょう。しかし、藤井君なら彼らの努力の平均値よりかなり短い時間で東大に入れる実力を身に付けると思います。もし藤井君が、何らかの研究者になったら、一流にはなれる素質は持っていると思います。僕はこうした人々を軽く評価しているわけではなくて、あくまで藤井聡太ならという条件付きです。そして勿論、藤井君にも苦手なことは多くあるでしょう。人間ですから。

藤井君の言葉の使い方の巧みさは有名ですね。年齢に似合わぬ表現を並べます。普通、それだと嫌味っぽくなるんですが、藤井君はむしろ心地よい。誠実に謙虚に答えているからだと感じます。多くの人がそう思っているからこそ、将棋を知らない人にも好感を持たれるのでしょう。また人間的にも優れていますね。あの年齢で多くの人やマスコミに注目されたらナーバスになるのが普通ですが、藤井君は不機嫌になることもなく丁寧に質問に答えています。なかなかできることではないですね。

将棋界は今は藤井君が巻き起こした将棋ブームで勢いに乗っているように見えますが、AIが棋士より遥かに強くなり、人間が将棋を指す意味が常に問われ続ける時代でもあります。だからこそ人間性に優れた、魅力のある棋士が、トップ棋士として君臨することが求められています。そういった意味でも藤井聡太が将棋を選んでくれたのは僥倖というしかありません。
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