ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

渡辺明VS羽生善治 深夜の激闘

2019-10-04 19:48:26 | 将棋
昨日、A級順位戦、羽生善治九段対渡辺明三冠の対局が行われ、132手で渡辺三冠が羽生九段を下しました。終局は日をまたいで0時34分。名局でした。羽生九段の先手で角換わりの将棋になりました。現在の実力では渡辺さんが上回ってはいますが、順位戦ではすべて羽生さんが勝っています。2人の対戦成績は拮抗しているので、渡辺さんにとっては1日6時間制と最も長い順位戦は苦手なのかもしれません。順位戦が始まる前に本命・渡辺、対抗・羽生と予想したのですが、これまでの順位戦の渡辺さんの低空飛行を踏まえると、渡辺さんと羽生さんはほぼ互角に近いと思っていました。

しかし、昨日の渡辺さんは明らかに普段とは違いました。頭を丸刈りにして、この勝負にすべてをかけるくらいの意気込みを感じました。ただ、勝負事では気合を入れすぎるのは、むしろ自分の力を発揮できないケースのほうが圧倒的に多いでしょう。昨日も羽生さんの研究が功を奏したのか、渡辺さんが細かいミスをしているのか、中盤が終るぐらいのところまでは羽生有利の展開で進みました。そのため、相手よりも時間を残していることが多い渡辺さんの長いはずの持ち時間はあっという間になくなりました。

普段の渡辺さんなら、負けパターンの展開でしたが、昨日の彼は違かった。懸命に粘り、徐々に羽生さんとの距離を縮めていきます。そして最後は羽生さんのわずかなスキを突き、見事に逆転しました。根気よく指す羽生さんに対し、どこかあっさりした印象の渡辺さん。だから今まではこうした深夜の将棋になると渡辺さんは羽生さんに根負けしていたのでしょう。しかし、昨日は渡辺さんの執念が最後に勝りました。

132手の激闘を制し、順位戦4戦全勝とした渡辺三冠。しかし、まだ半分以上戦いが残っていますから、先のことは分かりません。これだけの大棋士が名人挑戦すらないわけですからね。ただ、一つの大きな山を越えたことは間違いないでしょう。

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