ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

玉置浩二の哀しき才能

2019-10-28 08:01:46 | 音楽
先日NHK「SONGS」に玉置浩二が出演しました。安全地帯の「恋の予感」という曲が好きで、カセットテープでダビングして友人と聴いていたのを思い出します。まだCDが一般的には広がってはいなかった時代です。あれから35年がたったんだなあと。 安全地帯の人気が絶頂期の頃に好きだった曲は主に「悲しみにさよなら」や「蒼い瞳のエリス」のようなバラードでした。「Friend」も好きだった。また、楽曲提供も行い、斉藤由貴の「白い炎」「悲しみよこんにちは」、中森明菜には「サザン・ウインド」など名曲を世に送り出しました。玉置さんと明菜さんという哀しい天才・歌姫のかけ合わせも凄いですね(笑)

個人的には玉置さんのボーカリストとしての全盛期は30代から40代にかけてだと思います。なかでも「CAFE JAPAN」というオリジナルアルバムの出来が素晴らしかった。一時期、繰り返し聴いていた記憶があります。SONGSで歌った名曲「メロディ」も収録されていました。安全地帯が再結成された最初の曲「オレンジ」も歌っていましたが、これも好きですね。

一方で玉置さんは様々な病気を抱えていて、特に心の病は離婚を何度も繰り返すなど彼の人生に大きく影を落としました。東京を離れ、確か軽井沢かどこかで静養していた時期があったと思いますが、2005年に「あいのうた」というドラマがあり、「共演が菅野美穂さんだったら」ということでオファーを受け、「ドラマは長丁場だから住むところも借りないと」というのがきっかけで東京に戻ってきたと記憶しています。ドラマの主題歌は「プレゼント」。これもドラマにマッチしていていい曲でした。ドラマは菅野さんが演じる性格ブスの若い女性に、人生をそっと伝えていくような役柄でした。役者としても個性派でしたね。

玉置さんは声量もありますけど、本質的な魅力は彼の人生の悲哀が重なるような表現力だと思います。天才というのは人が羨ましがるほど楽なものではないと感じます。どうにもならない試練と引き換えにボーカリストとしての才能を天から贈られた玉置浩二は、オンリーワンのアーティストであることは間違いありません。
コメント
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