(つづき)
「愛をください(13)」で取り上げた一頭目の牛、「もっと愛をください(6)」で取り上げた二頭目の牛に引き続き、福岡市中央区に居る三頭目の牛。
「六本松(こんどう美容室)」、こんどうびよウシつ…無理やりですみません。
このブログでは、「愛をください」をはじめとして、「シューテングスター」「素顔のままで」「イミカヨミカ」など、いろんなシリーズでバス停を取り上げているが、過去の記事で、
“「シリーズ」とはいっても、思いついたことを書くための「箱」の役割しか果たしていないので、特に「続きもの」というわけではない。
「ナンバーズ」でも「フラワーズ」でも、他にもいろんな「シリーズ」はできそうだが、安直というかいまいち芸がないので、そのへんは自制(?)している”
と書いたように、バス停を何らかの枠(シリーズ)に当てはめて取り上げているため、その枠にどうしても当てはまらないバス停というものも当然あって、写真は撮ったものの、どういう枠で取り上げるかが決まらないまま長年に渡り放っておかれるバス停があったり、かなり無理やりなこじつけで登場するバス停があったりする。
いっそシリーズを撤廃して、真正面からバス停を取り上げてもいいのかも?と考えることもたまにあるのだが、10年以上も続いている枠組みを壊す勇気がないというか、様式美を重視したい気持ちもあって、特に変化のないまま現在も続いている感じである。
まあ、様式美といっても特に美しくもないのですが。
…と、無理やりなことに対する言い訳からスタート(笑)。
こんどう美容室、西鉄バス好きの中では、一番有名な美容室かもしれない。
かつては、早良高校に向けて折り返すため、朝一本だけ「六本松こんど」行きがあったと思います。
現在5つある「六本松」の乗り場のうち、西鉄の公式サイトの時刻表やバスナビでは、城南線上の上下2つの乗り場が「六本松(こんどう美容室)」、国道202号上の3つ(上り1つと下り2つ)の乗り場が「六本松(福銀前)」として取り扱われている。
一方で、バス停掲出の時刻表上部に表示されるバス停名は、国道202号の西行きの下り2つが「六本松(福銀前)」ではなく「六本松(九大前)」となっている(“九大”に相当するものは既になくなり、跡地には福岡市科学館、マンション、裁判所などが整備中)。
ただ、バス停に「こんどう美容室」「福銀前」「九大前」などと大きく書かれているわけでもなく、また、車内のアナウンスで「次は、六本松、こんどう美容室前です」などと案内されるわけでもなく(実際のアナウンスは“睡眠呼吸、いびき相談の福岡浦添クリニック前”)、広告主として金を出しているスポンサーだから、ではなく、複数ある乗り場を区別するための目印として、「こんどう美容室」「福銀前」などが付いていると考えられる(博多駅三井ビル前、薬院大通り西旅前なんかも同様)。
なお、車内の運賃表のモニター画面では「六本松こんどう美容室」と表示されるものもあり(英字表記は“Kondo beauty salon”!)。
この先、美容室が閉店したり(不吉なことを言ってすみません)、建物が建て替わって全く別の建物が建ったとしても、しばらくは「六本松(こんどう美容室)」であり続ける気がする(土井の寿司屋とか、千代町の釣具店、野方のパチンコ店なんかも同様ではないかと)。
一方の「福銀前」のほうは、乗り場の分割が行われたり、再開発エリアの真ん前に位置していたりで、ドラスティックな変化の途中なので、相対的な改称圧力は高いのかもしれない。
わかる人にはわかる「こんどう美容室」だが、例えば六本松を初めて訪れた人が、帰りのバスをバスナビで検索して、「六本松(こんどう美容室)」からバスが出ているということがわかったとしても、その乗り場がどこにあるのか?というのは、なかなかわかりづらいと思う。
六本松二丁目、六本松三丁目、六本松大通りまで含めて、乗り場の番号や記号、もしくは“伝わりやすい”副名称を付ける時期としては、今が最適なのではないだろうか。
「ニュータウン第一」の記事で、
“バス停名を「名称」としてではなく、「このバス停はAであり、BやCではありません」という他と区別するための単なる「記号」として捉えるのであれば、隣のバス停と違う名前さえつけておけばよい訳で、「適当な名前」でも全然構わないのかもしれない。
それだったら、無理に地名を入れなくたって、バス停名は「カレーうどん」でも「うさぎさん」でも「気分爽快」でも何でもいい、ということになってしまう。
バス停というのは、その名前が後世に残り、地図にも掲載され、かつ、地域のイメージづくりにも寄与するという意味では、まちの「資産」ということができると思う。
バス停に「よい名前」を付けることは、「資産価値」を高めることにつながる”
と書いた。
せっかく街が生まれ変わろうとしている時期でもあり、気の利いた副名称を期待したいところ。
国体道路経由で博多駅方面に向かう路線は全て「8番」。
2011年春の記事で、
“「天神→国体道路→祇園町→博多駅」を運行するバスが「8番」に統一される。
番号の切替えポイントは、西から来るもの(「113番」「200番」など)は「六本松」、北から来るもの(「68番」「506番」など)は「那の津口」のようだ。
都心部を走る路線については、既に「天神→明治通り→県庁方面」が「1番」、「天神→昭和通り→博多駅」が「2番」、「天神→明治通り→博多駅」が「3番」、「天神→住吉通り→博多駅」が「5番」に統一されているが、昨年春の改正では「統一」が見送られ、2年遅れてようやくの実施である。
住吉通り経由の「5番」と比較した場合、国体道路経由については、西と北、全く別の方向からやってくるため、どこから番号を統一するか(合流後の天神一丁目だと同じ天神地区内で番号が変わってしまうことになるし、あまり手前だと全く違うところを同じ番号のバスが走ることになるし…)を決めるのがなかなか難しそうだなぁとは思っていたが、結局、西については「六本松」というかなり大胆な決断となった”
と書いたように、六本松より1つ手前のバス停では別の行先番号を掲げているバスが、ここ六本松からは「8番」となる。
一方で、城南線、住吉通り経由で博多駅方面に向かう路線は、何か一つの番号に統一されることなく、複数の番号のまま。
今後、地下鉄七隈線の天神南→博多への延伸で、六本松から博多駅に行く手段としてのバスの競争力は大幅に低下すると考えられる。
その中で、城南線、住吉通り経由の便については、「天神を通らないから速い(かもしれない)」というイメージもないわけではないと思うので、「快速」や「特快」など速達便を増便したり、行先番号を「10番」など何らかの数字に統一してわかりやすさを高めるなどして、今のうちから乗客の囲い込みを図ることも求められるのではないだろうか(統一番号で用いる数字としては、天神も通らないことだし「5番」でも問題ないのかも)。
ついでに、地下鉄との対抗という意味で言えば、現状では、天神方面行きが「こんどう美容室」と「福銀前」に分散してしまっているのが惜しい。
「12番」「13番」「113番」が、油山観光道路から国道202号に直接右折せず、草香江交差点まで出てから城南線に一旦入るという運行経路であることが原因だが、“天神の南にしか行けない地下鉄とは違って、バスなら天神のいろんなとこに行けて利用する価値がありますよ!”ということを打ち出すためには、天神行きは「福銀前」に集中させたほうが良いのではないかと思う(そうなると、六本松西交差点の改良なども必要になるかもしれませんが)。
こちらは5つの乗り場の中では最新の桧原、片江方面の「六本松」。
「油山観光道路」は“Aburayama Sightseeing Road”なのに「福大」は“Fukudai”…。
7月1日から、「六本松(九大前)」の乗り場が2つに分割され、油山、福大、茶山方面に行くバスは、従来の乗り場から約100m先に停車するようになっている。
「18番」が健在であれば、この乗り場に停車していたことでしょう。
この乗り場に停車するバスは、一つ前の「六本松大通り」にも停車する。
一方で、100m手前の乗り場に停車する路線は「六本松大通り」を通過する。
天神日銀前に停車するバスが天神四丁目を通過するようになったのと同じような構図。
郊外だと、ルート上に新たな乗り場ができたり、新ルート上に新旧の乗り場があったりする場合に、新旧どちらの乗り場にも停車するようになるという例がみられるが(田隈新町、干隈、道善、塩浜など)、都心部では“どちらの乗り場にも停車する”というのは渋滞を増長させる要因になるため、近年は“どちらか一つを選択する”というケースが増えている。
今後、「54-1番」が天神福ビル前を通過するようになったりするかも…とも思ったが、県庁方面から来た人が天神で乗り換えることを考慮したら、福ビル前にはやはり停車したほうがいいのかなという気も。
というわけで、変化の途上の「六本松」。
「六本松」を連節バスの起点の一つとして、唐人町、昭和通り、天神、香椎パークポート経由アイランドシティまで運行してみては?ということを、以前に考えてみたが、鉄道と垂直に走るバス路線をいかに開拓していけるかが、今後、バスの拠点として生き残っていけるかのカギの一つになると思うのです。
(つづく)
今回は「福岡バスブログコラボ」として、各人が同じバス停をテーマにして記事を書いてみよう!ということで、私も記事を書いてみました。
とは言っても、私が書く記事の内容は、なるべくよそ行きな感じにならないよう、いつもの感じで、ということを心掛けたのですがいかがだったでしょうか。
テーマが「六本松」に決まったときは、正直なところ“書くことあるかなぁ…”と思ったのですが、その数時間後には、このあとがきも含め、8割方文章が出来上がりまして、やればできる子だなと(笑)。
今後また、このような機会がありましたら、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
★みなさまの「六本松」の記事はこちら(順不同です)。
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