スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典東京盃&円の場合

2011-09-28 20:35:46 | 地方競馬
 伏兵と思われる馬が多く,馬券の面では面白いメンバーとなった第45回東京盃
 先行したい馬が揃っていました。好発はジーエスライカーでしたが,内からブリーズフレイバーがこれを制してハナに。ラブミーチャンが2番手に上がり,無理せず控えたジーエスライカーが3番手。ドスライスが内,セイクリムズンが外に続きました。前半の600mは34秒2のハイペース。
 3コーナーを回るとセイクリムズンが外から押し上げ,前の4頭は雁行状態で直線に。まず先頭に立ったのはラブミーチャンでこれを追うのがセイクリムズン。これを中団後ろからの追走になっていたスーニが最内から鮮やかに捕え,最後は1馬身ですが抜け出す形となって優勝。先行各馬の中では最も粘ったラブミーチャンが2着。勝ち馬よりさらに後ろ,後方3,4番手から大外を急襲したマルカベンチャーがセイクリムズンを交わして3着。
 優勝したスーニは先月のサマーチャンピオンから連勝となる重賞7勝目。行き脚がつかずに追走に汲々となり,伸び脚も一息というレースが今春から続いていたのですが,どうやらその頃は体調に問題があったのでしょう。最内が開いたのは恵まれた部分もありますが,この連勝は復調の証だと思います。1400mの方がレース自体はしやすいタイプなのではないかと思いますが,力はありますから,本番となるJBCスプリントでも有力となる1頭でしょう。曾祖母がファンシミンの妹。Suniはイタリアの地名。
 騎乗した川田将雅[ゆうが]騎手,管理する吉田直弘調教師にとっては東京盃初勝利。
                         

 これで,事物の定義が定義されている事物の発生を含まなければならないとスピノザがいうとき,なぜそれが定義される事物の直接的な起成原因だけで構わないのかということについては十分に説明することができたと思います。いい換えれば,僕は十全な観念は,観念されたものideatumの発生が含まれていなければならないと考えているわけですが,その場合の発生というのが,直接的な起成原因だけを含むだけで十分であると考える根拠を示すことができたということになるでしょう。そこでここからは,そもそもなぜ定義が定義された事物のそうした発生を含んでうなければならないのかということを考えていくことにします。ここまでは球の観念の発生というのを題材に考察してきたわけですが,スピノザは残念ながら球に関してはこれを詳細には説明していません。しかし『知性改善論』の(九五)と(九六)で,円を例にして詳述していますから,ここではその部分を検討していくことにします。
 まずスピノザは,中心から円周に引かれたすべての線が等しい図形という仕方で円を説明します。しかしスピノザによればこれは円の本性を示さず,特質にすぎません。これにはふたつの理由があると考えられます。ひとつはこの説明が円の発生を含んでいないということですが,もうひとつ,そもそもこの説明は円周というものが存在することを前提として成立しますが,円周というのは円が存在して初めて存在するようなものであるといえるでしょうから,そうしたものの存在を前提とした説明が,円の定義ではあり得ないということは,実はきわめて当然のことであるといえるのではないかと思います。
 実はこの説明は,球の例でいえば,その中心から面の上のあらゆる点までの距離が等しい図形という説明に対応していると思われます。僕は前にこのことは球の本性に属するということは認めるといいましたが,実際にはこの説明における面というのも,球の存在を前提とした上で初めて成立し得るものであるということに違いはありません。いい換えればこれは球の特質にすぎないのです。特質というのは本来は本性から必然的に帰結するものです。そこでここからは,そうした意味において僕はこれが本性に属することを認めているのだと考えてください。
コメント
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