スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&食

2009-09-04 22:17:25 | 将棋
 いよいよ開幕した第57期王座戦五番勝負。対戦成績は羽生善治王位が8勝,山崎隆之七段が2勝。
 振駒で山崎七段が先手となり相掛り。先手の棒銀に後手は高飛車。昼休み前の▲6八銀に対していきなり△9五歩と仕掛け,先手は出た棒銀を引くことになりました。ここは先手の作戦負けに思えます。
 この後,また駒組みとなり,先手が9筋を受けたところで今度は後手が1筋からの攻め。将棋において端攻めというのはどんな戦型の場合でも生じ得る攻め筋ですが,このように一方が両方の端攻めを敢行するというのはかなり稀なケースなのではないかと思います。
 この将棋で最も印象深かった手順はこの少し後の第1図から。
            
 歩切れの後手は細かい攻めがありませんがここで△6二金。▲4八玉に△8三銀と上がり,▲7六飛に△7二金と寄りました。つまり先手の飛車を目標にしたのです。▲5六銀に△2七歩成▲同金△1七桂成▲同銀と香車を入手しておき,それから△8四銀(第2図)と上がりました。
           
 ここで▲4五銀と出たのに対して△7五銀。▲5六飛に△5五香と取った香車を打ち,▲4四銀△5六香(第3図)で初期の目的を達しました。
           
 実戦はここから先手が反撃に出ましたがこれは届かず。逆に後手の飛車打ちからの攻めが厳しく,後手の勝ちとなりました。全体を通していえば,先手は角落ちのような将棋になってしまい,それが苦戦を招いた最大の要因でしょう。
 羽生王座が先勝。第二局は16日です。

 G先生にはもうひとつ,点滴に頼らず何か自分で食べてみたいという気持ちはありますかという主旨のことをこのときに尋ねられました。
 実をいうと,2日になって最も楽になっていたのは悪化していた口渇でした。この口渇というのは,僕の場合には喉が渇くというよりは唾液が出ないという症状だったわけですが,少なくとも2日の朝の時点では,ちゃんと唾液が出るような状態になっていたのです。ほとんどの人はこのことを幸せであるとは感じないでしょうが,唾液が出るということは素晴らしいことです。僕はこのときにそれを実感していました。
 一方,僕は偏食の傾向が少しありましたが,これは食に対するこだわりとか,ましてやグルメとかそういった類のものではありません。むしろ僕は食に対するこだわりというのは,きわめて希薄な人間であったし,それは今でもそうだと思います。あれが食べたいとか,これが食べたいとか,そういった欲望がないからこそ,毎日毎日好きなものを食べ続けていたともいえるわけです。
 ところが,そんな僕であっても,こういうときにはおいしいものを食べてみたいという欲望が湧くから不思議なものです。もっとも,元旦の朝にトマトをひとつ食べて,それ以降は何ひとつとして口に入れていなかったわけですから,もう24時間以上何も食していなかったことになります。これだけ長い時間にわたって絶食したという経験は僕にはありませんでしたから,当然といえば当然の欲望であったともいえるかもしれません。
 僕は食事をしたいという気持ちを伝えました。G先生はすぐに対応してくれたようですが,この日の夕食には間に合わず,翌日の朝食からになったと,わざわざ夕方にまたHCUまで来て教えてくれました。結果的にいうと,僕の絶食は,ほぼ丸2日にわたって続いたということになります。

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