犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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書譜

2017年03月11日 | 書の道は
先日添えた写真を加工した。

末廣亭のパンフレットの、赤い文字だけで印刷されている面に絵を描いた。
そこで、写真の赤の成分を最高に上げてみる。
すると、全体が真っ赤になるので、赤い文字が埋もれる。

青のボールペンで描いた線が浮き出てくる。

なるほど、赤い印刷文字が見えている間はごちゃごちゃとしていて
ボールペンの青線がよく見えていなかったことがよくわかる。
もっと描き込んだほうが絵としては良かったのだ。



草書を習い始めた。

草書と言えばこれを習え、という手本は、いくつかある。

もちろん最初に思うのは、晋の王羲之(おうぎし;303-361)の「十七帖」。
しかし王羲之は真筆(ほんとにその人が書いたもの)か疑われるものばかりだ。
あるいは、王羲之に習った隋の坊さん智永(ちえい;?-?)の「真草千字文」をやるという手もある。
しかし千字文はもうちょっと後にとっておこう。
時代を下って宋の米芾(べいふつ;1051-1107)も臨書してみたい。
しかしちょいとクセがある。上手になってから味わいたい。
さかのぼり癖を発揮するなら、王羲之も称えた後漢の張芝(ちょうし;?-192)を習いたい。
しかし、彼の書は残っていないようだ。残念。

というわけで、やっぱり唐の孫過庭(そんかてい;648-703)の「書譜」(しょふ;687)をやっつけよう。

書譜は草書の金字塔であり、孫過庭による書論である。

今のところ、草書を私はからきし読めないのだが、
お手本にはページのすみっこに、原文と読み下し文が付いている。
助かる。
小さな活字を読みながら、臨書してゆく。
おもしろい。

「書譜」の臨書を始める前の数日間は、基礎練習をした。
「書譜」と題したテキストを図書館で借りてみたら、「書譜」そのものそのままではなく、
「書譜」の中の文字を分類して、基礎的な練習ができるようにしてある指導書だった。

草書は動的な書法なので、隷書や楷書のように文字の形の構造をしっかり練習するものでもない、
と思っていた。
が、練習はやっぱり同様に、まず横画、そして縦画、横画から縦画、払い、点、
といったように進んでゆく。

これが何日も続くと、退屈する。
でも我慢した甲斐があって、内容のある文章、孫過庭の考え方や主張に触れる
喜びが倍増したようだ。

分析的基礎練習の本と言っているのは、今井 凌雪編「書道技法講座13草書 書譜」二玄社刊で、
原寸大の手本として適当なのは、同じく二玄社の中国法書選だ。

書き始めの頃は、木簡の草書を習った名残りが筆に出た。
唐の時代の完成された草書に、木簡のちょいと隷書っぽい風味が割り込んできて、
デタラメ。
なるほど、隷書から草書への発展は感じ取れたが、
しっかり分けて身に付けたい。
木簡の草書は木簡の草書で、また時間をかけて書いてゆこう。

木簡の隷書を臨書して、筆勢も知ることができたから、石碑の隷書もまた書きたいし、
楷書の「雁塔聖教序」はまだ途中だし、
飽きる暇が無い!

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