去年の5月、御殿場口から双ツ塚に登った。
そして須山口下山道を少し降り、須山御胎内からまっすぐ車道に降りた。
わが富士見登山部は、富士登山を目指しつつ、富士見登山と銘打って、
富士外輪山ばかりに登ってきた。
双ツ塚はしかし、外輪ではなく、側火山と呼ばれるものだ。
富士山のおよそ五合五勺にあたる。
この時も、飼い犬ジーロくん当時12歳を連れて行った。
富士山の砂礫は、犬の裸足には刺激が強かったようで、
双ツ塚の頂上に着く頃にはちょっとつらそうであった。
かわいそうなことをした。
※
去年の6月末には、富士は富士でも津軽富士、
岩木山に登った。
登ったと言っても、八合目の駐車場から登った。
そして、九合目からは犬ジーロくんの苦手な岩場で、
途中で怖くて動けなくなってしまったため、頂上まで行くことは諦めた。
※
その後、急速に老いた。
冬を経て、食欲が落ちた。
朝の散歩の帰りには立ち止まってしまうことも有った。
もう、山に一緒に連れて行くでもないか、とも思った。
しかし、犬ジーロくんも山は好きだ。
元気だった頃は、どんどん先に走って行っては、
「まだ?」と引き返してきて私を確認してはまた先に走った。
5月の初めに獣医を受診し、腎不全と診断された。
毎日、皮下点滴するようになり、
だいぶ元気が戻った。
尻尾を立てて散歩に出るようになった。
やはり、もう一度山に行きたい。
※
段差は苦手だ。
後肢が弱っていて、大きい段は越せない。
そして、抱かれるのが嫌いだ。
自分で登り降りできない段差のところで、私が抱いてやると、
ひどく嫌がる。
だから、なだらかな道の所が良い。
自宅から近い山は、かえって険しい。
奥多摩の山は傾斜がきつい。
富士山の登山道の、はじめのほうなら大丈夫だろう、と考えた。
樹林帯のうちなら、足元もやわらかい。
※
須山登山道は長い間、廃れていた。
それにはいくつかの理由が有る。
そして、近年、再興された。
これにもいくつかの理由が有る。
ここにはかなりの物語が有るようなので、
今度またしっかり調べてから書きたい。
って来年以降だな。
今は整備されたてなので、歩きやすい。
須山浅間神社の裏手に、新しい道と新しい駐車場までできている。
※
富士見登山部員のTちゃんと、忠ちゃん牧場の駐車場で落ち合い、
そこからTちゃんの車で、須山浅間神社の裏の駐車場に移動する。
そして、浅間様にご挨拶してから出発だ。
神域に犬など入れてはなりませぬ。(写真:ジーロくんを探せ
※
登山道の案内板は整っており、迷う心配は無い。
人だけだったらほんの1時間のコースを、
老犬と一緒に2時間近くかけてゆっくり歩いた。
※
朝、調布の家を出る時には雨が降っていたが、
八王子ではもう止み、
藤野を過ぎた辺りでは虹がかかり、
都留ではちゃんと正面に富士山が姿を現した。
その時点では、様々な種類の雲がかかっていた。
北から東を厚い雲が覆い、
南面には頂上直下から雲が湧いて斜面をもくもくと下っていて、
頂上の上には細い笠がひらりとかぶっている。
Tちゃんによれば、この朝の雨でも上は雪が降ったようだという。
そして、風で飛ばされるのだそうだ。
だから、溝のところだけ雪が残っている。
南面はあまり白くない。
山梨県側はもっと雪が多い。
※
一日の間、めまぐるしく雲が変化する。
それを眺めているだけでも、おもしろい。
散歩の後、十里木の駐車場でしばらく話しながら、
景色を見ていた。
いや、景色というか、
どうやらそこのススキの原でイベントが開催されているようで、
コスプレイヤーたちが思い思いの装いで、写真を撮影しているのだ。
戦士、王族、武士、何か、貴族、旅人、何か、何か・・・
私たちは車から下りずに、窓越しに遠くコスプレを眺める。
ススキの原っぱで、剣などの武器を構えてポーズをきめて写真を撮る人々。
多くはマントを着ている。
マント率、非常に高い。
考えてみると、日常、マントを着ることってそうそう無い。
廃れたファッションなのか。
実用的でないからか。
一人、異色なのがいた。
遠目に、ヤマトタケルの命と思われた。
(でもたぶん女子)
そして須山口下山道を少し降り、須山御胎内からまっすぐ車道に降りた。
わが富士見登山部は、富士登山を目指しつつ、富士見登山と銘打って、
富士外輪山ばかりに登ってきた。
双ツ塚はしかし、外輪ではなく、側火山と呼ばれるものだ。
富士山のおよそ五合五勺にあたる。
この時も、飼い犬ジーロくん当時12歳を連れて行った。
富士山の砂礫は、犬の裸足には刺激が強かったようで、
双ツ塚の頂上に着く頃にはちょっとつらそうであった。
かわいそうなことをした。
※
去年の6月末には、富士は富士でも津軽富士、
岩木山に登った。
登ったと言っても、八合目の駐車場から登った。
そして、九合目からは犬ジーロくんの苦手な岩場で、
途中で怖くて動けなくなってしまったため、頂上まで行くことは諦めた。
※
その後、急速に老いた。
冬を経て、食欲が落ちた。
朝の散歩の帰りには立ち止まってしまうことも有った。
もう、山に一緒に連れて行くでもないか、とも思った。
しかし、犬ジーロくんも山は好きだ。
元気だった頃は、どんどん先に走って行っては、
「まだ?」と引き返してきて私を確認してはまた先に走った。
5月の初めに獣医を受診し、腎不全と診断された。
毎日、皮下点滴するようになり、
だいぶ元気が戻った。
尻尾を立てて散歩に出るようになった。
やはり、もう一度山に行きたい。
※
段差は苦手だ。
後肢が弱っていて、大きい段は越せない。
そして、抱かれるのが嫌いだ。
自分で登り降りできない段差のところで、私が抱いてやると、
ひどく嫌がる。
だから、なだらかな道の所が良い。
自宅から近い山は、かえって険しい。
奥多摩の山は傾斜がきつい。
富士山の登山道の、はじめのほうなら大丈夫だろう、と考えた。
樹林帯のうちなら、足元もやわらかい。
※
須山登山道は長い間、廃れていた。
それにはいくつかの理由が有る。
そして、近年、再興された。
これにもいくつかの理由が有る。
ここにはかなりの物語が有るようなので、
今度またしっかり調べてから書きたい。
って来年以降だな。
今は整備されたてなので、歩きやすい。
須山浅間神社の裏手に、新しい道と新しい駐車場までできている。
※
富士見登山部員のTちゃんと、忠ちゃん牧場の駐車場で落ち合い、
そこからTちゃんの車で、須山浅間神社の裏の駐車場に移動する。
そして、浅間様にご挨拶してから出発だ。
神域に犬など入れてはなりませぬ。(写真:ジーロくんを探せ
※
登山道の案内板は整っており、迷う心配は無い。
人だけだったらほんの1時間のコースを、
老犬と一緒に2時間近くかけてゆっくり歩いた。
※
朝、調布の家を出る時には雨が降っていたが、
八王子ではもう止み、
藤野を過ぎた辺りでは虹がかかり、
都留ではちゃんと正面に富士山が姿を現した。
その時点では、様々な種類の雲がかかっていた。
北から東を厚い雲が覆い、
南面には頂上直下から雲が湧いて斜面をもくもくと下っていて、
頂上の上には細い笠がひらりとかぶっている。
Tちゃんによれば、この朝の雨でも上は雪が降ったようだという。
そして、風で飛ばされるのだそうだ。
だから、溝のところだけ雪が残っている。
南面はあまり白くない。
山梨県側はもっと雪が多い。
※
一日の間、めまぐるしく雲が変化する。
それを眺めているだけでも、おもしろい。
散歩の後、十里木の駐車場でしばらく話しながら、
景色を見ていた。
いや、景色というか、
どうやらそこのススキの原でイベントが開催されているようで、
コスプレイヤーたちが思い思いの装いで、写真を撮影しているのだ。
戦士、王族、武士、何か、貴族、旅人、何か、何か・・・
私たちは車から下りずに、窓越しに遠くコスプレを眺める。
ススキの原っぱで、剣などの武器を構えてポーズをきめて写真を撮る人々。
多くはマントを着ている。
マント率、非常に高い。
考えてみると、日常、マントを着ることってそうそう無い。
廃れたファッションなのか。
実用的でないからか。
一人、異色なのがいた。
遠目に、ヤマトタケルの命と思われた。
(でもたぶん女子)
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