旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 夕張→新夕張

2004-08-24 21:34:15 | ラベンダー紀行
石勝線 清水沢駅 (北海道夕張市)

夕張駅付近を撮影してきて、折り返し列車で夕張を12時30分発。他の鉄道ファンらしき人たちも列車に乗りこんでいる。北海道JR線完全乗車達成に酔うひまも無い。なにせ北海道にはまだ乗っていない鉄道がある。北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(池田-北見間)である。これはまたの機会にするが、廃止されるのも遠くないらしいので、ゆっくりしてはいられない。

北海道のJR線完全乗車はしたので祝いの酒は飲みたい。夕張駅前には前出のホテルがあるが、そこで食事をする気にはなれない。どこかの駅前食堂で祝杯をあげたい。かつて三菱大夕張鉄道の分岐駅だった清水沢の駅前に何軒か飲食店が見えたので、そこに降りる事にした。私の他に1人をおろして清水沢を12時40分発車した。立派な駅だが、今は人気も無い。駅前を歩くと何軒か飲食店はあるが、店を閉めていたりしている。

営業中の蕎麦屋があったので入る。寿司のネタのケースがあるカウンターに座る。ラーメンもメニューにある。ビール(600円)と天ざるそば(1,050円)を注文する。大将は愛想が無い。ビールと枝豆が出る。枝豆の豆が小さい。大将が豆が小さいだろうと言う。そう思っていたところだが、これはこの辺りで栽培しているのかと尋ねると、そうだという。北海道は寒冷なのだ。8月で枝豆の豆がまだ小さいのだ。また、大将は愛想が無いのは北海道の土地柄であって、決して無口でない事が判った。蕎麦を食べ、蕎麦湯ももらった。関東風である。勘定を済ませようとすると、女将が今日は暑いでしょうという。この女将も愛想が無いと思ったが、これも土地柄であって、無口では無いようだ。さて、蒸し暑くはあるが、関東の猛暑から比べると涼しいと答えた。実際、冷房なぞ無くても全く問題は無い。私が長袖を着ているから暑くは無いかと尋ねたのだそうだ。私は北海道では常に長袖なのだと答えた。本当は内地でも長袖なのだが。愛想が良くても、マニュアルで応対するような所よりはるかにこの店は良かった。

駅に戻る。駅員はおらず、日曜日は窓口は開かない。平日だけの営業らしい。待合室に先客がある。しかし列車には乗らなかった。ホームは1面、線路は1線だが、昔の名残で誇線橋を渡る。何ら線は跨いでいない。列車はやって来た。乗客は数名、鉄道ファンは乗り合わせていない。清水沢を13時37分発。途中で僅かに乗客の乗降りがあった。これならバスでも充分だろう。盲腸線を往復してきて、13時48分に新夕張に到着した。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/


ラベンダー紀行 千歳→夕張

2004-08-23 03:13:16 | ラベンダー紀行
石勝線 夕張駅 (北海道夕張市)

10時34分に千歳を発車した気動車(ディーゼルカー)は南千歳に停車した。ここは昔の千歳空港駅。現在はここから新千歳空港へ新線が伸びている。以前、3月にスキーに来た時に、このホームで列車を待っていて寒い思いをした事がある。新千歳空港駅は地下駅で空調もあるので、今は寒い中で列車を待つ事はないだろう。

南千歳で線路は三方へ分れる。ひとつは千歳線の沼ノ端方で苫小牧、室蘭、函館そして本州方面へと通じている。もうひとつは千歳線の新千歳空港方である。さらにひとつは、この列車が入っていく石勝線である。道東の帯広、釧路、根室へは根室本線が通じているが、起点は滝川で富良野を経由している。これの短絡線として建設されたのが石勝線で、札幌から滝川、富良野を経ることなく、千歳から追分、新夕張を経て新得の手前で根室本線に合流する。石勝線の方が40キロ以上短いだけでなく、昭和56年(1981)開業という新しい路線で、列車は高速運転できる。しかし高速運転しているのは特急だけのようで、この普通列車は立派な線路の上をゆっくりと走る。

乗客の高校生たちが田舎だと騒いでいる。北海道の高校生が北海道の風景を見て田舎だというのはおかしな感じだが、彼らは日本でも有数の大都市札幌かその近郊に住んでいるのだろう。開けた窓から牛の糞の臭いが入ってきて、更に騒がしくなった。

追分で高校生らは降りた。車内は空いてきて鉄分(鉄道ファンの割合)が濃くなった。飲んだ風邪薬が効いてきてウトウトする。居眠りをしている場合ではない。列車に乗りに来たのだ。しかし列車の中での居眠りは気持ちが良い。夢心地で新夕張に11時53分着。これからは寝られない。北海道のJR線では初めて乗る区間であり、ここに乗れば現在営業している北海道のJR線には全て乗車した事になる、石勝線の新夕張-夕張間が待っている。今回の北海道旅行の目的といっても良い。昨年の北海道旅行(「エスカロップ紀行」参照)で乗れなかったところである。11時56分新夕張発、北海道最後の未踏(未乗)のJR線を走り出した。

昨年、並行する国道をレンタカーで走っている。それでも道路と鉄道では趣きが違う。上り坂となっている。蒸気機関車は苦労して走ったろう。石炭を満載した貨物列車は下り坂になるのだが。かつては栄えていたが、炭鉱の閉山で寂れてしまった山峡を列車は走る。広い構内、そして剥がされたレール。かつての繁栄を思わせる途中駅。初代の夕張駅もそうであったが、スキー場のホテルの前に移された味気のない現在の夕張駅に12時22分到着した。もう北海道に乗っていないJR線は無くなった。 (つづく)
北海道旅客鉄道(JR北海道) http://www.jrhokkaido.co.jp/


ラベンダー紀行 北広島→千歳

2004-08-22 01:00:14 | ラベンダー紀行
千歳線 千歳駅 (北海道千歳市)

北広島から再び9時58分発の各駅停車に乗る。いつも特急や快速で走り抜ける線区も、各駅停車だと雰囲気も変わる。島松、恵み野、恵庭。次のサッポロビール庭園にはサッポロビール北海道工場がある。サッポロビール園のある札幌工場は閉鎖された。サッポロビール園は閉鎖されていないが、工場閉鎖は残念な事である。ちなみに北海道工場にもビール園はある。

長都を過ぎると高架線となり、10時18分に千歳到着。千歳はもともとシコツといったが、死骨に通じるとして、千歳というおめでたい名前になったと本で読んだ。支笏(しこつ)湖に名前は残っている。千歳市のプロフィール「歴史」では、『国立公園支笏湖をはじめとする緑豊かな自然と清冽な千歳川が流れるまち千歳は昔、アイヌ語で「シコツ(大きな窪地、又は谷)」と呼ばれていましたが、当時この地に多くの鶴がいたことから、文化2年(1805年)「鶴は千年、亀は万年」の故事にちなんで「千歳」と命名されました。 』と紹介されている。

この後、千歳始発の夕張行の列車に乗る。小樽からここまでの列車は全て電車であったが、今から乗るのは気動車(ディーゼルカー)である。札幌都市圏を離れる。ホームに出て待っていると、キハ40系が2両で入線してきた。夕張からの普通列車で、これが再び夕張へと折り返して行く。ボックス席の進行方向左窓側に陣取る。10時34分、列車が動き出すと開けた窓から風が入ってきた。 (つづく)
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ラベンダー紀行 札幌→北広島

2004-08-21 13:21:17 | ラベンダー紀行
千歳線 北広島駅 (北海道北広島市)

赤レンガを後にして、鉄道の旅を再開する。これから千歳へ向かう。千歳市内には北海道の玄関、新千歳空港がある。なぜ千歳空港ではなく、新千歳空港なのか。かつては千歳空港を自衛隊と共用していたが、近くに民間専用で開港したのが新千歳空港で、千歳空港とは別の空港である。新千歳空港の開港に合せてJR新千歳空港駅が開業したが、これで真冬の厳寒期でも外気に触れることなく列車に乗車でき、札幌、小樽、旭川などの各地へ行くことが出来る。札幌-新千歳空港間はJR北海道の数少ないドル箱路線で列車本数も多く、快速列車も15分間隔で運転されているが、今日はゆっくり各駅停車で千歳を目指す。

乗車した列車は731系。デッキはなく、ロングシートの電車だ。デッキがなくて冬季の保温は大丈夫かと思うが、エアカーテンがあるのだという。ロングシートとは旅情に欠けるが、札幌近郊の人口増でラッシュに対応する為の登場だから、めでたいと言うべきか。8時46分発。札幌からは函館本線と千歳線の複々線である。それぞれ上下線があって4線あるわけだ。ビール園にも近い苗穂、函館本線との分岐駅の白石と停車して行く。つぎの平和は線路だけは函館本線と並んでいるが、駅は千歳線にしかない。この後、左右に大きく線路が分かれて新札幌、次の上野幌までが札幌市内までの駅である。上野幌を出発すると森の中を走り始める。先程まで札幌の街を走っていたとは思えないほどである。国道沿いは宅地化しているのだが。大阪や上野からの寝台特急とすれ違う。

北広島に到着する。芸州広島から遠く離れた北の地に広島の文字。降りてみなければなるまい。この駅の所在地は北広島市。市制施行までは札幌郡広島町といい、明治17年(1884)に広島県人25戸103人が集団移住したことが地名の由来だという。札幌のベッドタウンとして急速に発展しており、集団移住から120年が過ぎているが、何か広島らしいところがあるのだろうか。駅舎は新しく、駅前も新興住宅地のようだ。結局、広島らしさは見つけられずに北広島駅訪問を終えた。 (つづく)
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ラベンダー紀行 南平岸→さっぽろ

2004-08-20 20:01:48 | ラベンダー紀行
旧北海道庁舎・赤レンガ (札幌市中央区)

南平岸から地下鉄に乗る。さっぽろ駅に戻っても時間が早い。寄り道をしてゆく。ちなみに国鉄(現JR)の駅名は「札幌」だが、地下鉄(札幌市交通局)の駅名は「さっぽろ」と平仮名である。同様に「新札幌」「新さっぽろ」という駅もある。これらはJR駅と地下鉄駅が隣接しており乗換駅だが、JRと地下鉄で同じ駅名の「琴似」「白石」は離れた場所にあり、乗換駅ではない。駅名は違うが、JRの「新琴似」と地下鉄の「麻生」は乗り換え駅といってよいだろう。

大通公園で下車する。地上に出て公園を歩く。札幌を代表する公園だが、道の真ん中、中央分離帯とも言うべき部分が広く取ってあって公園になっている。通りを北から見て、歩道、一方通行の東行の車道、公園、西行の車道、歩道という構成である。広島の百米道路もこうすれば良かったのにと思う。通りを通行止にすることなく、様々なイベントが行われている。さっぽろ雪まつりが有名だが、それだけではない。例えば今年は7月21日からさっぽろ夏まつりが開催され、公園はビヤガーデンと化す。今回は日程の都合で楽しむ事が出来ない。朝の公園で噴水を眺めるだけである。

何度も行った事のある時計台だが、今回も一応写真に収める。すでに多くの観光客が来て記念撮影をしている。次に旧道庁に行く。赤レンガの愛称を待つ西洋建築だが、ここも観光客が多い。そのほとんどが台湾からの観光客である。台湾の言葉で盛んに話している。日本人が外国の観光地で日本人ばかりだったという感想を持つ事があるが、彼らにはここがその場所であろう。以前は何故、台湾からの観光客が多いのか判らずに不思議だったが、北海道は人気の観光地なのだそうだ。広大な北海道を味覚を含め、存分に楽しんでいってもらいたい。私は逆に台湾を旅行したかったのだが。これも関東の猛暑の成せる業である。 (つづく)
札幌市交通局 http://www.city.sapporo.jp/st/