旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 「ゆうかり」(後編)

2004-08-11 12:51:10 | ラベンダー紀行
新日本海フェリー「ゆうかり」 (小樽港)

午後4時頃、フェリーの寝台で昼寝から目覚める。このフェリーには大浴場がある。一風呂浴びてこようと思う。売店で手ぬぐいを買いたかったが、あいにく閉まっている。同じ乗員が売店やレストランなど複数の場所のスタッフとなるのだろう。営業時間には注意を要する。ここは持参した手ぬぐいを使う。貴重品は案内所で預けることになる。

大浴場には随分と人がいる。中途半端な時間なので、芋を洗うほど混んではいない。湯船から外を見る。まだ天気はよくない。それにしても乗り物の中に大浴場が設けられるのは船くらいなものだろう。湯船のある列車もあるが一般的ではない。

風呂から出て自分の寝台に戻る途中、自動販売機に飲み物を補充しているところに出くわす。夕食の時においしくビールを飲むために我慢するべきだったが、「冷えてます」というので1本買ってしまう。湯上りに冷えたビールが不味い訳が無い。夕食まで再び昼寝。外に出られないので寝るばかりである。

気持ちよく寝て、このまま寝ていたいが、レストランの営業時間がある。食べ損なうと後が困るので出掛ける。入口で列が出来ている。料理を選ぶところで時間がかかるため10数名ずつ案内しているのだ。しばらくして入れた。青椒肉糸(700円)、ライス(200円)、味噌汁(120円)、イカの塩辛(200円)、ビール・中瓶(480円)を選ぶ。昼は塩気が足らなくなったが、今度は塩辛で多すぎる。隣のテーブルから女性の2人客の会話が聞こえてくる。東京から北海道へバイクツーリングを楽しみに行くらしい。私の今回の旅行では鉄道に乗るばかりで、北海道の道路を走る事は無い。羨ましいが、カーフェリーなのだから、ほとんどが北海道で運転しようという人ばかりなのである。

小樽到着が早朝4時10分なので早く寝ようと思う。今度こそ本式に寝たいが、細切れに寝ているので深い眠りに落ちない。隣のイビキもうるさい。日付変わって平成16年7月18日日曜日。まだ3時前で起きるには早い。手洗いに立つと、ロビーには起きている人が随分いる。2等の客なのか。カーペットの上に寝る2等は、枕と布団は用意されているが、なかなか眠れるものではなかった。しかも私は舞鶴-小樽航路で2泊した。後日、2等寝台に寝て、こんなに快適なのかと感心した。それから2等寝台派である。

寝台に戻ってしばらくして、船内に放送が流れる。目覚ましを用意しなくも、間違い無く起こされる。もうすぐ小樽に入港するのだが、北海道に来ているという実感が無い。外部甲板に出られるので、北海道の外気に触れてみると、少々寒い。それに船内の冷房で風邪をひきかけている。小樽の街の灯りが目の前に見える。もうロビーは下船を待つ人で溢れているが、その脇を歯ブラシを持って洗面所へ行く。私もようやく下船の用意をして上陸する。1年1ヶ月ぶりの北海道。

以前、小樽港には今回利用した新潟航路のほかに、以前利用した舞鶴航路の船が、同じ頃に到着し、2隻が縦に並んだ姿が見られた。本州からの車やバイクが次々と北海道に上陸していったが、今は新潟航路のみである。舞鶴航路に新造船が就航し、所要時間が大幅に短縮され、早朝の到着から夜8時30分の到着となった。廃止ではないが、早朝の風景は寂しくなった。 (つづく)
新日本海フェリー http://www.snf.co.jp/