旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

2010北海道・秋~終焉(山の上に吹く風は…)

2010-10-23 20:30:41 | 旅鴉の唄
9月21日(火)朝、糠平では雨が上がり少し青空も見え始めました。次に山に入るタイミングを思案していた私は、
この日の午後から入山、白雲小屋に連泊し23日に下山と決め、午前中帯広方面で用事を済ませ、
食料等調達、三国峠を越えました。

ところが、トンネルを抜けたら天気は急変、暴風が吹き荒れています。これは登山どころじゃないと
レイクセンターの駐車場を素通り、層雲峡YHへ、ここで休憩させてもらい、しばらく様子を見ることにしました。
話によると、朝はもっとすごい風が吹いていたんだそうです。山で食べるつもりだったパンなどを昼ごはん代わりに食べ
待機していましたが一向に回復する気配がなく、結局この日の入山は断念、ビールと弁当を買い込み
高原温泉の駐車場へ。ここで車中泊、明日早朝からの登山に変更です。


22日(水)早朝、風は少しマシになった感じでした。ヒグマ情報センターの山岳ガイドH氏らも心配そうに雲の様子を見に出てきました。
山泊まり装備で登り始めましたが、第一花畑へ出ると予想以上に風はまだ強く、雲の流れを見る限り
稜線はかなりの強風が吹いているようです。ガレ場下で待機して登るかやめるか、かなりの時間思案していました。
そうこうするうち、一番のバスで来た方々にも抜かれ始めます。細かいあられ(雪)も降り出し、ついに断念して下山しかけたら、
ポチさんや茅ケ崎のNさんらとすれ違いました。迷ったあげく、私はこのまま下山したんですが、結局この日は荒天が回復せず、
山頂を目指した人や縦走を予定していた人のほとんどが諦めて引き返していたようです。

上川・あさひ食堂でミニチャーハンセットを食べ、ホテル大雪で入浴。この時点で層雲峡温泉街は、昨日と変わらないような
強風が吹き荒れ、気温も低く寒かった。セイコーマートでビールなどを調達していたら、ここで東京のHさんとばったり。
EOSー5Dマーク2を使うHさんとは三、四年続けてお会いしていて、今回初めて住所交換し、長時間の立ち話などして
情報交換するものの、この二日間の強風で山頂部の紅葉はほとんど葉を落としたのではないか、かろうじて残るとすれば
緑岳山麓付近と銀泉台のみで、ここにうまく雪が被ればおもしろいかもしれないが…というあまり芳しくない結論でした。

再び温泉駐車場で車中泊、スーパーいろはの398円弁当をクラシックで流し込んでいたら、フロントガラス正面に山端から
十五夜のお月さまが昇り始めました。時々高根ガ原からのガスが強風で流れ込んで「月にムラ雲」。独り占めするにはもったいない
きれいで荘厳な眺めでした。さらにウイスキーをちびちびやって「月見て一杯」、酩酊した勢いでシュラフにもぐりこみました。


23日(木・祝日)早朝はそれなりに冷え込みました。夜半まで吹いていた風はようやく収まりましたが、残念ながら高曇り状態、
これでは無理して緑岳方面へ登ってもあまり意味がなさそうなので、諦めて沼めぐりでお茶を濁すことに。
7:00前に下から二台のバスが到着して静寂が破られました。

まだまだ早いのはわかっていた沼ですが、一部の気の早い葉はすでに十分な色づき、全体では五分くらいでしょうか?
滝見沼は水面近くの大きなナナカマドの葉はすでに赤くなっていましたが、壁は色が抜け始めた程度、
「数日後に期待」といった感じです。これより上の沼々は、すでに色づいた葉は風で落ちたり、傷めつけられたりしているところが
目立ったので、「この先も期待できないかな…」といった印象。空沼の上部(ヤンベタップ源頭)はいつもながらの安定感で
ひとり気をはいていました。見上げる白雲岳は真っ白、緑岳もうっすら雪を戴いているようでした。

掲載した写真は高原沼と空沼の間にある大きなナナカマドの株(群落)です。結局沼の写真は一枚も写さなかったので、
フィルムが余り、前から気になっていた、雪の重みでねじれながらも立派に大きく育ったナナカマドを初めて写してみましたが、
この手の写真はセンスが問われる… 「センスのなさ」が丸わかりですね、お恥ずかしい。


時間の早いホテル大雪の二階の風呂場は私一人の貸し切り。今季から100円値上げの600円になってしまいましたが、
この大きな湯船と露天風呂を独占できたら安いよなあ。 出がけに「よっ!」とハチマキおじさんが入ってきました。
さすがに手だれ、休日の観光地は時間差などをうまく利用して、できるだけ「イモの子状態」は避けたいですからね。

風呂上がり、さっそくハチマキさんらとビールを飲み始めました。私にとってはこれがこの旅最後の北の夜、打ち上げです。
少々ハジケてもいいっしょ? 夕飯後は久しぶりにYHに顔を見せた東京のSさん、神戸のHさん、それに東京のG(♂)さん、
埼玉のG(♀)さんらも加わり楽しい酒宴で夜は更けます。紅葉的には大変な年ではありましたが、夜な夜な楽しくお酒を頂き、
それはそれで今年もいい旅ができたのです。滞在中楽しく過ごせるのもYHのスタッフ方々のご尽力のおかげ。
特に毎度好き勝手やってるのに、嫌な顔せず明るく迎えてくださる、層雲峡YHのペアレントご夫婦には感謝感謝!なのです。



*ようやく始まった秋の北の旅「復習編」ですが、こんな調子でしゃべりまくってたら、一体いつ最終回を迎えるのか見当もつきません。
  これでもだいぶ端折ってるんですが、つい欲張ってあれもこれもね。旅の話をなんだかんだ思い出して書くのは本当に楽しくて、
  私自身喜んでノリノリで書いてはいるものの、なにせ力量不足、この程度のものを書き上げるにもずいぶん手間暇かかってしまうのです。
  今回は終盤尻すぼみになってしまったこともあり、その締まらなかった最後の方から書き始めてみました。不定期のきまぐれ連載、
  たぶん年明けまで続くのでは?と思われるので、お暇な時、思い出した時にでも覗いてやってくださいませ。

  一応次回予告を、タイトルは「GO WEST」(仮称)の予定です。


コメント (2)
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