東日本大震災から10年。節目ではあるが、復興や対策はまだまだ道半ば。
そして、次の大地震や大災害がいつ、どこで起きてもおかしくはない。
2014年に、秋田市の避難場所のことを記事にした。
東日本大震災を受けて、津波の時の避難場所であることが明確に分かる看板(表示板、市では「標識」と呼ぶらしい)が作られた。
しかし、秋田市では幸いなことに、一部地域の水害程度を除いて災害が少なく、避難場所について意識しない市民が多いし、市側の周知もあまり身が入っていないようにも感じている。
津波が到達し得ないエリアでは、2011年以前から設置されていた表示板が引き続き使われていた。
(再掲)角ゴシック体であればフォントの指定はなかったようで、これは平成角ゴシック。新ゴが多数派【12日訂正・少なくとも2014年時点では角ゴシックであることすら指定されていなかったようだ】
「ここは火事・地震のときの/ひなん場所」で共通。このデザインになる前、手書き看板だった昭和期~平成初期から文面は変わらない。
保戸野小学校正門横のニレの木の前にも、同じ内容のものがあった。
(再掲)
今年2月上旬。
見通しがいいな?
表示板がなくなって、枠だけになっていた。
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サイズが違った手書き看板時代もここにあったので、枠以外にさえぎるものがない光景は初めて見たかも。
枠だけで1か月は放置されたか。まさか1月の暴風雪で飛ばされて、誰も気付かないのか? そんなわけないかと思いつつ3月に入ると、
新しい表示板!(枠は手つかずで塗装がはがれている。日本語フォントは新ゴ)
そうそう。いつの頃(今年度?)からか、市内のほかの学校か公園の前でも、同じ表示板を見たことがある。表示板交換のために早めに取り外していたのか。
新しい表示板のほうが、細かくて情報が多いものの、総じて分かりやすくはあるのだが…
まず英語のほか、中国語とハングルも併記。「ひなん場所」でなく「避難場所」表記になったが、ふりがながある。
左側の大きいマークにより、ここが「避難場所」と「避難所」であることが分かる。ここは従来から両方兼ねていたのだが、以前の看板ではそこが伝わっていなかった。
右側では、6つの災害を示して、この避難所がどの災害時に使えるのかを○×で示している。
洪水、津波、土石流、がけ崩れ・地すべり、大規模な火事、地震の6つで、保戸野小では「大規模な火事」以外はすべて対応。といっても、地理的に津波や土石流でここまで避難してくる人はまずいないだろう。
ここでえっ?!と思ったこと。
以前の看板は、全市共通で「ここは火事・地震のときの/ひなん場所」だったわけだが、実はここは火事の時は避難場所にならなかったということなのか? じゃあ、今までは間違った情報を示されていたの? 子どもの時から信じていたのに!
もし、仮に大火事になった時、旧看板を信じてここに避難して、助からなかった場合、秋田市は責任を問われたのではないだろうか。これまで大火事が起きなくてよかった。
ちなみに、隣の小学区にある、泉小学校と泉中学校の表示板も、保戸野小と同じ5災害対応で、火事は除外。
平地の住宅などに囲まれた学校では、大火になると、安全を保証できないということなんだろうか。
じゃあ、どこへ避難すればいいのでしょう。最近でも、糸魚川市街地や栃木の山火事など起きている。火事はいつどこで起きるか予想できないし、起きた後にどんな影響が出るかシミュレーションしづらい(ハザードマップなど作れない)災害だと思う。こういうことを思えば、火事も怖い災害だ。
避難場所と避難所については、秋田市役所防災安全対策課のホームページに、地区ごとに一覧が掲載されている。
ただ、以前も指摘したと思うが、避難場所や避難所に関する説明がなく、両者の違いや使い方が伝わらない。しかも、それぞれ「指定緊急避難場所」「指定避難所」という、表示板とは異なる表現をしているので、分かりづらい。不親切だと思う。
さらに、ページ番号1021452「各小学校区別指定緊急避難場所一覧(中央地区)」を見ると…
学校名の五十音順に掲載されている
右の「対象とする異常な現象の種類」の欄が、表示板の6項目と同じことを示しているのではないかと思う(説明がないので確証はない)。
しかし、その保戸野小のところには「洪水、土砂、地震」の3項目のみ。泉小中も同じ。
そのほか広報紙なども含めて、表示板が新デザインになったことの告知はされていないと思う。また、学校以外の避難場所、避難所の中には、今のところ表示板そのものが未設置の施設も多い。将来的にはどうするのか。
秋田市は災害が少ない街であるのはいいことだけど、準備だけはしっかりするべき。これでは足りないと思う。
最後に、全国どこでも言えるけれど、上記の通り、避難所・避難場所ごとに対応する災害が違うようだ。
「日頃から身近な避難場所を確認しておきましょう」とは言われるが、ただ場所を分かっているだけではいけないのだった。「どの災害時にはどこに避難」まで意識しておかないといけませんね。
【6月26日追記】2021年春時点で確認できる新しい看板は、一見統一されたデザイン。しかし、旧看板同様にふりがなやフォントなどが異なるものがあり、少なくとも2タイプあることが分かった。いずれまた。
そして、次の大地震や大災害がいつ、どこで起きてもおかしくはない。
2014年に、秋田市の避難場所のことを記事にした。
東日本大震災を受けて、津波の時の避難場所であることが明確に分かる看板(表示板、市では「標識」と呼ぶらしい)が作られた。
しかし、秋田市では幸いなことに、一部地域の水害程度を除いて災害が少なく、避難場所について意識しない市民が多いし、市側の周知もあまり身が入っていないようにも感じている。
津波が到達し得ないエリアでは、2011年以前から設置されていた表示板が引き続き使われていた。
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「ここは火事・地震のときの/ひなん場所」で共通。このデザインになる前、手書き看板だった昭和期~平成初期から文面は変わらない。
保戸野小学校正門横のニレの木の前にも、同じ内容のものがあった。
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今年2月上旬。
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表示板がなくなって、枠だけになっていた。
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サイズが違った手書き看板時代もここにあったので、枠以外にさえぎるものがない光景は初めて見たかも。
枠だけで1か月は放置されたか。まさか1月の暴風雪で飛ばされて、誰も気付かないのか? そんなわけないかと思いつつ3月に入ると、
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そうそう。いつの頃(今年度?)からか、市内のほかの学校か公園の前でも、同じ表示板を見たことがある。表示板交換のために早めに取り外していたのか。
新しい表示板のほうが、細かくて情報が多いものの、総じて分かりやすくはあるのだが…
まず英語のほか、中国語とハングルも併記。「ひなん場所」でなく「避難場所」表記になったが、ふりがながある。
左側の大きいマークにより、ここが「避難場所」と「避難所」であることが分かる。ここは従来から両方兼ねていたのだが、以前の看板ではそこが伝わっていなかった。
右側では、6つの災害を示して、この避難所がどの災害時に使えるのかを○×で示している。
洪水、津波、土石流、がけ崩れ・地すべり、大規模な火事、地震の6つで、保戸野小では「大規模な火事」以外はすべて対応。といっても、地理的に津波や土石流でここまで避難してくる人はまずいないだろう。
ここでえっ?!と思ったこと。
以前の看板は、全市共通で「ここは火事・地震のときの/ひなん場所」だったわけだが、実はここは火事の時は避難場所にならなかったということなのか? じゃあ、今までは間違った情報を示されていたの? 子どもの時から信じていたのに!
もし、仮に大火事になった時、旧看板を信じてここに避難して、助からなかった場合、秋田市は責任を問われたのではないだろうか。これまで大火事が起きなくてよかった。
ちなみに、隣の小学区にある、泉小学校と泉中学校の表示板も、保戸野小と同じ5災害対応で、火事は除外。
平地の住宅などに囲まれた学校では、大火になると、安全を保証できないということなんだろうか。
じゃあ、どこへ避難すればいいのでしょう。最近でも、糸魚川市街地や栃木の山火事など起きている。火事はいつどこで起きるか予想できないし、起きた後にどんな影響が出るかシミュレーションしづらい(ハザードマップなど作れない)災害だと思う。こういうことを思えば、火事も怖い災害だ。
避難場所と避難所については、秋田市役所防災安全対策課のホームページに、地区ごとに一覧が掲載されている。
ただ、以前も指摘したと思うが、避難場所や避難所に関する説明がなく、両者の違いや使い方が伝わらない。しかも、それぞれ「指定緊急避難場所」「指定避難所」という、表示板とは異なる表現をしているので、分かりづらい。不親切だと思う。
さらに、ページ番号1021452「各小学校区別指定緊急避難場所一覧(中央地区)」を見ると…
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右の「対象とする異常な現象の種類」の欄が、表示板の6項目と同じことを示しているのではないかと思う(説明がないので確証はない)。
しかし、その保戸野小のところには「洪水、土砂、地震」の3項目のみ。泉小中も同じ。
そのほか広報紙なども含めて、表示板が新デザインになったことの告知はされていないと思う。また、学校以外の避難場所、避難所の中には、今のところ表示板そのものが未設置の施設も多い。将来的にはどうするのか。
秋田市は災害が少ない街であるのはいいことだけど、準備だけはしっかりするべき。これでは足りないと思う。
最後に、全国どこでも言えるけれど、上記の通り、避難所・避難場所ごとに対応する災害が違うようだ。
「日頃から身近な避難場所を確認しておきましょう」とは言われるが、ただ場所を分かっているだけではいけないのだった。「どの災害時にはどこに避難」まで意識しておかないといけませんね。
【6月26日追記】2021年春時点で確認できる新しい看板は、一見統一されたデザイン。しかし、旧看板同様にふりがなやフォントなどが異なるものがあり、少なくとも2タイプあることが分かった。いずれまた。