タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

違和感ばかり

2017年03月30日 | 日々雑感
栃木県のスキー場で起きた雪崩遭難事故。

未来ある高校生の命が失われたことに心を痛めている人も多いはずです。

タカ長もその一人で、、、、

あの高校生の中に身内や友だちの子どもが含まれているわけではありませんが、それでも彼らのことを思うと、、、、そして、、、

あんなことで子どもを奪われた親の気持ちを思うと、気の毒でかける言葉も見つかりません。

そのことを書き始めたらどれだけ紙数があっても足りない感じなので、その一部だけ書かせていただきます。

      

ネットから借用した画像ですが、今回の表層雪崩を説明したものです。

これまで積もっていた雪の上に、短時間に大量の雪が積もり、その雪との接触面である「すべり面」で上の雪が流れ落ちる、、、

特にこの時期は気温の変化もあって、下の雪面が融雪と凍結を繰り返すようなかたちになり、その上に新しく雪が積もるととても滑りやすくなる、、、

と言うようなことは山をやっている人ならだれでも知っている基本認識のはずです。タカ長だって知っているのですから、、、、。

しかし、今回の登山講習の責任者は「訓練は絶対安全だと判断」したとか、、、、

そもそも「絶対安全な登山」なんてあるのか?

タカ長たちが行っているような健康登山でも「絶対安全な登山はあり得ない」と考えていますから、この発言にはものすごい違和感を覚えます。

絶対安全だと考えたらそこで思考が止まってしまいます。それはとても危険なことです。原発事故がいい例です。

    

そのとき雪崩注意報が出ていたと報じられていますが、、

広範囲を対象に出される注意報などは、極端に言えばどうでもいいことだと思っています。

問題は警報、注意報に関係なく、いま自分たちがいるところが安全か危険か、、、、ということです。

そのように考えたら、少なくとも講習の責任者としては現地のことを一番よく知っているスキー場の人に相談し、アドバイスを求めるのは当たり前のことだと思うのですが、、、

報道によると「トイレを貸してくれ」という話はあったが「ラッセル訓練をする」という話はなかったとか、、、、。

最初に「絶対安全」だと判断してしまうと、そこで思考が止まってしまって、地元の人にアドバイスを求めるということに気がまわらなかったのでは?

    

以下はタカ長の単なる憶測ですが、、、、

今回の事故で大きな犠牲を出した高校は県内の強豪校だったとか、、、、そしてその高校の先生が今回の講習の責任者。

強豪校、ということは山岳競技の強豪校、ということでしょうが、そもそも山岳競技、つまり山で何かを競争するということ自体に違和感を覚えます。

登山は若者たちを教育するのに最高の舞台だと思いますが、、、

しかし、そこで速さや体力を競うというのは間違っていると思うのです。

今回の事故で報道されない根っこの部分で、、、、

山岳競技があるのならそこでいい成績をおさめたい。強くなりたい。強くしたい。

そのような思いが無理な訓練をさせたのではないか、、、、と考えるのはタカ長の考えすぎでしょうか?