サッカー・女子ワールドカップ(W杯)。
内容は米国の圧勝だったが、人智を超えた不思議な力が働いたかのように、勝利の女神は日本に微笑んだ。
特に、米国のエース・ワンバックはシュートを決めたシーンはあったものの、数多く蹴った見事なシュートがことごとくはずれたのは、日本にとってラッキーだった。
米国と日本女子との身体能力の差は、大人と子供のように見えたが、日本女子の執念が、その差を跳ね返したといえよう。
フランクフルトの日米決戦、日本はいずれも先行されながら追いつき2対2、最後はPK戦を3対1で制して劇的な勝利をものにした。
エース沢の奮闘はもちろん、GK海掘のPK阻止は神がかり的に素晴らしかった。
試合は立ち上がりから米国がピッチを支配し、日本は、なかなかリズムをつかめなかった。
米国は後半24分、自陣から前線へのパスを受けたモーガンが中央を突破、左足でゴール右隅へ強烈なシュート。ついに先制点を奪った。しかし、日本は続く36分、米国ゴール前の空白のスポットに転がったボールを宮間が押し込み同点ゴール。
その後も一進一退の攻防を展開したが、米国は延長戦前半、エース・ワンバックが中央からヘッドで押し込み勝ち越しゴール、2-1とした。
ところが日本はあきらめない。延長後半9分、左コーナーキックからエース沢が逆脚で鋭いライナーシュートを放ち、米国ゴールネットに突き刺したのは素晴らしかった。再び同点、そしてPK戦へ。
PK戦ではGK海堀が素晴らしいセーブファイトを連発、米国のシュートを凌ぎ切り、世界女王に輝いた瞬間だった。
戦い終えて、ワンバックの言葉が印象的だった、「たくさんあったチャンスをつかめなかったのは残念。しかし最後まで諦めなかった日本チームを祝福したい」。
日本女子、なでしこジャパン、ありがとう、そして、おめでとう。