★後藤健二。
首を切断されて、殺害された。
その切り落とされた頭首は、うつ伏せにされた背中に乗せられ、顔半分は血糊で赤く染められていた。目はつぶり、口は半開きのように見え、痛々しいのは後ろ手に手錠をかけられた骸(むくろ)であった。
人間の死とは、かくも静謐であり、そして愚かなことなのか。
さて、昨日の本ページで、後藤さんは既に殺されたのではないか、と述べた。
なぜならイスラム系のツイートをチェックしていると、「後藤健二は、もはやこの世に存在しない」とするチップがあった、その真偽は判らなかったが、確度は高いと思っていた。なぜならイスラム国のやりかたは、言ったことは断固貫徹するという残忍さがあるし、逆にフェイクをやれば、狼少年のように米欧に舐められる。
★さて、この事件は次のステージに入った。
この前も述べたが、どこをどう考えても、後藤健二の救出は総理大臣マターではなかった。イスラム国のコントロールタワーは、日本内部の動き、安倍官邸の動きを、つぶさに掌握していたことは間違いない。だから日本のツートップである総理と官房長官が、右往左往しているのを見て、次の作戦を考え、ずる賢く笑っていたことだろう。
腹を空かせた虎の檻に自ら入りこんだのは後藤健二自身だから、彼の自己責任であり、そこからの脱出と活路は、自ら切り開くしかなかった。
日本政府としては、せいぜい政務官クラスが対処をして、「状況」を把握するしかない。また身代金の引渡しなど、とんでもない話だし、人質の交換なども有り得ない。
もし、これらの補償とか対価をイスラム国に対して提示すれば、特に中東にある日本企業とか、そこで働く日本人は、イスラム国やアルカイダの標的にされて、深刻なテロと拉致被害をもたらすに違いない。
だから安倍さんの仕事は本来、「人質の件は政務官に任せてある」の一言で終了なのだ。人質問題に直接、総理大臣が出てくるとなると、テロリストは大喜びだ。蜜に群がる蟻のように、湧いて出て来るだろう。
それが差配出来ない安倍さんは甘い。
つまりは海外にいる日本人を危うくするし、処刑人が最後に恫喝したように、日本のナイトメア(悪夢)が始まるかも知れない。
後藤健二よ、アラブの星に照らされて、荒野に眠れ。
合掌。
(じゅうめい)