県教委の大宰府史跡調査研究指導委員会(委員長・小田富士雄福岡大名誉教授)と九州歴史資料館(小郡市)は21日、太宰府市の大宰府政庁跡西側の蔵司(くらつかさ)地区から、弓の両端に付ける弓金具「両頭金具」(鉄製で長さ2・4~2・9cm、直径3mm)が7点出土したと発表した。 8世紀の製造とみられる。 大宰府での弓の管理を示す初の発見。
両頭金具は両端に突起物をつけた芯棒を筒状金具に入れ、弓の両端に穴を開け装着する。CTスキャナーのX線撮影で中に心棒が入っている様子が確認された。 古墳から出土した両頭金具と比べると一回り小さく、矢を放つと音が鳴るため儀礼用の可能性もある。
昨年までの調査で、大量の鉄鏃の破片や鉄塊などが確認されている。今回、鉄鏃や甲に用いた鉄板なども一緒に出土しており、いずれも熱で溶けかかった跡があり、溶融して再利用するものだったとみられるとし、鉄製品の工房があった可能性があるとしている。
九州歴史資料館は22日~11月3日まで、今回発掘した遺物20点を展示する。その後、大宰府展示館(太宰府市観世音寺4)で11月12日~12月18日、展示する
[参考:共同通信、西日本新聞、朝日新聞、毎日新聞]