歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

和歌山市・神前遺跡 鎌倉時代の大溝(水路)を発見

2012年01月27日 | Weblog
 和歌山県文化財センターは、和歌山市神前(こうざき)の神前遺跡の発掘調査で、鎌倉時代の大溝(水路)1条を発見したと発表した。 延長約28kmあったという日本中世最大の用水路「宮井用水」の一部である可能性が高い。 宮井用水は現在も和歌山平野一帯を潤している用水路だが、中世のころは文献でしか把握されていないという。
 宮井用水の起源は、文献(「日前宮文書」など)によると平安時代末期まで遡り、平安時代末期に日前宮(和歌山市秋月)が領域として安原盆地を開発した。
 大溝は、両側の肩部(幅約1m)が現在の用水路を挟むように見つかっており、復元すると幅6mという巨大な溝になる。見つかっている大溝の全長は約70mで、さらに南方へと続いているという。
 溝からは、平安時代末から鎌倉時代(900~700年前)の瓦器や土師器、須恵器などが出土している。 護岸と考えられる杭や柵列などの跡も見つかっている。
 鎌倉時代の大溝以外には弥生時代の水路とみられる溝や素掘井戸、古墳時代の竪穴建物、掘立柱建物なども見つかっている。
 現地説明会は、28日午前11時からと午後1時半からの2回開かれる。
[参考:紀伊民法、読売新聞、毎日新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2010.9.12 神前遺跡 弥生時代前期から水田稲作をしていたことを裏付ける水路の溝を発見
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大垣市・昼飯大塚古墳 3段築造の様子を広範囲で確認、葺石や埴輪列、周壕跡も

2012年01月27日 | Weblog
 大垣市教委は26日、同市昼飯町の県内最大の前方後円墳・昼飯大塚古墳(全長150m)で、古墳時代前期(3世紀)の古い特徴を残す葺石や、1段目平坦部で埴輪列などを確認したと発表した。
 同古墳は、古墳時代中期初頭(4世紀末)に築造されたが、急勾配の斜面に葺石を張り付ける古墳時代前期に似た特徴を残していた。 埴輪は60~80cmの間隔で、37mの区間で23個が見つかった。
 約13mと推測されていた墳丘の高さが実証され、3段構成の墳丘が視覚的に明らかになった。
 深さ約3m、幅4・7~8・4mに及ぶ周壕も広範囲に確認された。
 後円部が完全な円形ではなく、1.5mほど東側に膨らんでいた。
 同古墳は、来年春ごろまでに歴史公園として整備される。
 現地説明会は2月5日(日)午前10時と午後1時半。
[参考:岐阜新聞、中日新聞、朝日新聞、毎日新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2009.11.27昼飯大塚古墳 子ども用埴輪棺出土11/28現地説明会
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高知県いの町・バーガ森北斜面遺跡 弥生期の貯蔵庫遺構と炭化米が出土

2012年01月27日 | Weblog
 県埋蔵文化財センターは、いの町奥名の丘陵地に広がる弥生時代中~後期の「バーガ森北斜面遺跡」で、新たに貯蔵庫(長さ1・8m、幅1・2m)とみられる遺構と大量の炭化米(約500g)、そして近くから、有力者の住宅とみられる最大規模の竪穴建物跡(直径約8m)が見つかったと発表した。
 貯蔵庫は、地面を掘った周囲に柱穴があり、倉庫のような姿だったとみられる。 炭化米はジャポニカ種の短粒米。 弥生土器の壺にはドングリが入っていた。
 竪穴建物跡はその北東約5mで出土した。これまでに約20基見つかっている同様の遺構の中でも最大で、中心に直径約1・5mの炉跡があった。 人々がこの地に定住していた可能性がさらに濃厚となったとしている。
[参考:1.21高知新聞、1.26読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2011.2.28 いの町・バーガ森北斜面遺跡 弥生時代中期末の竪穴建物跡6棟などが出土
 2008.9.25 いの町・天神溝田遺跡 律令制から荘園制への変換がたどれる遺跡
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京都府大山崎町・鳥居前古墳 東側斜面は4段構造と判明

2012年01月27日 | Weblog
 京都府大山崎町教委が25日、400年前後の築造とみられる、前方後円墳(帆立貝式)「鳥居前古墳」(同町円明寺)で、桂川方面を望む東側斜面の段差が西側より一段多い4段構造になっていることが分かったと発表した。
 方角により段数が異なる構造の古墳は珍しく、平野部方向からの見栄えをよくし、被葬者が支配した地域に威厳を示そうとしたとみている。
 鳥居前古墳は西乙訓高から西に約60mの丘陵(標高約93m)にあり、町教委が昨年11月から範囲確認のため発掘調査を続けている。 古墳東側斜面のくびれ部分から後円部にかけて、これまで最も低いとみられていた1段目の下から、高さ1m、総延長11mの新たな段差が見つかり、敷きつめた葺石も出土した。
 西側斜面(3段構造)に新たな段差はないことが過去の調査で判明しており、今回、東側だけが4段と明らかになった。古墳の全長と後円部の直径もこれまでの推定から3m延び、それぞれ54m、42mに改められた。
 現地説明会は28日午後1時から開かれる。
[参考:京都新聞、毎日新聞、日経新聞、産経新聞、大山崎町HP]

地点map
 鳥居前古墳
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