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愛媛県越智郡佐島・宮ノ浦遺跡 3世紀の製塩土器を大量に発掘

2013年08月25日 | Weblog
 上島町弓削佐島の製塩遺跡「宮ノ浦(みやんな)遺跡」を発掘調査している愛媛大考古学研究室の調査チーム(代表・村上恭通教授)は24日、遺跡の3次調査で、古墳時代前期(3世紀)の製塩土器を大量に発掘したほか、「揚げ浜式塩田」(12〜14世紀)の跡を確認したことを発表した。
 同遺跡は弓削島の隣島、佐島東部の海岸沿いに位置する。同遺跡では中世の塩田跡の下層に古墳時代前期の塩田遺構があり、一昨年から調査が行われていた。今回の調査で、古墳時代前期の地層から製塩土器片や土師器が大量に出土したほか、人工的に造成された「揚げ浜式塩田」の床土が確認された。床土の上の砂に海水をまいて天日で乾燥、さらに穴に集め海水をかけて煮詰めたとみられる。
 記録では佐島は中世に京都・石清水八幡宮に塩を貢ぎ物に贈り、東隣の弓削島は京都・東寺に塩を納めた荘園「弓削島荘」として知られる。今回は弓削島の塩田跡を探って2カ所を試掘。地下1・4mで13世紀前半の土師器を発掘した。弓削島荘時代の土器の発見は初めてという。
[参考:愛媛新聞、毎日新聞]

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