司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

日税連「平成31年度税制改正に関する建議書」

2018-08-21 19:15:07 | 民法改正
「平成31年度税制改正に関する建議書」by 日税連
http://www.nichizeiren.or.jp/nichizeiren/proposal/taxation/#kengisho

 相続法制の見直しの関係では,次のとおり。

「民法の改正により、配偶者の長期的な居住権と生活資金を確保するため、配偶者居住権制度が創設される。その税務上の評価のあり方について、法制審議会「民法(相続関係)等の改正に関する要綱」では、配偶者が配偶者居住権を取得した場合には、その財産的価値に相当する価額を相続したものと扱うとしており、かつ相続税法第2条では「相続又は遺贈により取得した財産」に対して相続税を課税するとしていることからすれば、何らかの評価が必要であると考えられる。他方、配偶者居住権の立法趣旨や法律上譲渡が禁止されていること等に鑑みれば、上限を設けること等も検討すべきである。この場合には、配偶者居住権は当事者が合意すれば容易に設定できることから、租税回避防止の観点も踏まえる必要がある。
 また、相続人以外の者の貢献を考慮するために、特別寄与者は相続人に対して特別寄与料を請求することができる制度が設けられる。この特別寄与料は、被相続人が相続開始時に有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることはできないとされており、実質的には被相続人の財産から支払われると考えられることから、所得税や贈与税ではなく、相続税の課税体系の中で整理すべきである。」
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消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ 「中間整理」

2018-08-21 19:06:32 | 消費者問題
消費者委員会/消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/torihiki_rule/index.html

「中間整理」(平成30年8月7日)が掲載されている。
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法教育PR動画「生きるチカラ!法教育」

2018-08-21 18:49:37 | 法教育
法教育PR動画「生きるチカラ!法教育」
http://www.moj.go.jp/housei/shihouhousei/index2.html

 36分です。
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相続法の改正における「自筆証書遺言の作成日」&「相続が開始した日」の経過措置

2018-08-21 18:13:44 | 民法改正
 場合分けをして,まとめてみました。実際は,ここまで複雑に考える必要はないと思いますが。



1.平成31年1月12日以前に遺言書を作成した場合
(1)平成31年1月12日以前に相続が開始した場合
もちろん現行法が適用される(附則第2条)。

(2)平成31年1月13日以降で,原則施行日(公布の日から1年以内で政令で定める日。以下同じ。)前に相続が開始した場合
現行法が適用される(附則第2条)。
自筆証書遺言の方式の緩和に関しては,「なお従前の例による」(附則第6条)。
配偶者居住権(短期を含む。)に関しては,「なお従前の例による」(附則第10条第1項)。

(3)原則施行日以降で,第4号施行日(公布の日から2年以内で政令で定める日。以下同じ。)前に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
自筆証書遺言の方式の緩和に関しては,「なお従前の例による」(附則第6条)。
配偶者居住権(短期を含む。)に関しては,「なお従前の例による」(附則第10条第1項)。

(4)第4号施行日以降に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
自筆証書遺言の方式の緩和に関しては,「なお従前の例による」(附則第6条)。
遺贈による配偶者居住権に関しては,「適用しない」(附則第10条第2項)。

2.平成31年1月13日以降で,原則施行日前に遺言書を作成した場合
(1)平成31年1月13日以降で,原則施行日前に相続が開始した場合
現行法が適用されるのが原則(附則第2条)。
自筆証書遺言の方式の緩和に関しては,新法が適用。
配偶者居住権(短期を含む。)に関しては,「なお従前の例による」(附則第10条第1項)。

(2)原則施行日以降で,第4号施行日前に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
配偶者居住権(短期を含む。)に関しては,「なお従前の例による」(附則第10条第1項)。

(3)第4号施行日以降に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
遺贈による配偶者居住権に関しては,「適用しない」(附則第10条第2項)。

3.原則施行日以降で,第4号施行日前に遺言書を作成した場合
(1)原則施行日以降で,第4号施行日前に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
配偶者居住権(短期を含む。)に関しては,「なお従前の例による」(附則第10条第1項)。

(2)第4号施行日以降に相続が開始した場合
新法が適用されるのが原則。
遺贈による配偶者居住権に関しては,「適用しない」(附則第10条第2項)。

4.第4号施行日以降に遺言書を作成し,相続が開始した場合
全て新法が適用される。
※ 法務局における遺言書の保管等に関する法律の施行日も,第4号施行日と同じ頃合いである。


cf. 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html

法務局における遺言書の保管等に関する法律について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
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迫る大廃業時代

2018-08-21 15:51:17 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)(1)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34315370Y8A810C1PE8000/

同上(2)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34315400Y8A810C1EA1000/

 日経の連載。

「日本企業の99%を占める中小企業の多くが廃業危機にある。中小企業経営者の平均引退年齢は70歳だが、これを超える245万人の約半数は後継者が未定だ。経済産業省はこのままでは黒字企業の廃業が相次ぎ、2025年までに約22兆円の国内総生産(GDP)が失われると懸念する。」

というわけで,「大廃業時代」がキーワードになりつつある。

 しかし,

「ただ順調に進んでいた交渉には、完了直前に思わぬ障壁が立ちはだかった。銀行から想定を上回るM&A手数料を請求されたのだ。最終的に請求額の半額で折り合い破談は逃れたものの、渡辺は「手数料が重荷になってM&Aをためらう企業がないか」と心配する。」(上掲記事)

ということもあるんですね。

 また,

「大阪シティ信用金庫は21日、中小企業の後継者問題についての調査をまとめた。大阪府内の取引先1336社のうち、後継者が未定の企業は51.8%あった」(後掲記事)

という記事も。

cf. 日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34391730R20C18A8LKA000/

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商事法務研究会会員定例解説会「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(相続法改正)について」

2018-08-21 15:21:24 | 民法改正
◎平成30年度第2回会員定例解説会「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(相続法改正)について」by 公益社団法人商事法務研究会

 第196回通常国会で成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(平成30年法律第72号)について,下記のとおり会員定例解説会を開催いたします。

●日 時 平成30年9月20日(木)午後1時30分~3時30分
●解説会テーマ・講師
 「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(相続法改正)について」
  堂薗幹一郎氏 法務省民事局民事法制管理官
●会 場 公益社団法人商事法務研究会 会議室
    (東京都中央区日本橋茅場町3-9-10)
●定 員 80名
●申込方法 下記のサイトから参加登録をお願いいたします。
      https://www.shojihomu.or.jp/p011
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2017年「合同会社」の新設法人調査

2018-08-21 12:58:32 | 会社法(改正商法等)
東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180820_01.html

「2017年1月-12月に全国で新設された法人(以下、新設法人)は、13万1,981社(前年比3.1%増)で、2010年以来、8年連続で前年を上回った。なかでも「合同会社」は2万7,039社(同14.4%増)と急増ぶりが際立った」

「新設法人に占める「合同会社」の構成比は年々上昇し、2013年の13.1%から2017年は20.4%に上昇、2割を超えて新設法人の5社に1社にまで増えている」

「構成比トップは、サービス業他で38.7%を占めた」(上掲記事)

 法務省の統計に拠れば,

「2017年に国内で設立された企業約11万8000社の23%が合同会社だった。2018年は4月まででこれが24.8%まで高まっている。」(後掲記事)

 いずれにしても,合同会社の活用が顕著である。

 合同会社の法務に関する理解が重要となってきますね。

cf. 平成30年7月1日付け「合同会社の活用が増加」
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マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題

2018-08-21 12:50:04 | 会社法(改正商法等)
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題 by 金融庁
https://www.fsa.go.jp/news/30/20180817amlcft/20180817amlcft.html

「マネー・ローンダリングやテロリストへの資金供与を未然に防ぐためには、各国が協調して対策を講じ、これを的確に実施することが重要であり、特に地政学リスクの高まりや世界各地におけるテロの頻発を踏まえ、我が国においても、その高度化が求められているところです。

 金融庁としては、平成31年に予定されている第4次FATF対日相互審査も踏まえ、官民双方が連携して、マネー・ローンダリングやテロ資金供与に利用されない金融システムを確保するための態勢強化を図ることが重要であると考えており、金融庁がモニタリングで得られた情報や考え方を還元することにより、金融機関等の実効的な態勢整備の一助となればと考えております。

 また、金融機関等をご利用の皆様におかれましても、マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策に対する国際的な要請が高まっていることをご理解いただき、金融機関等をご利用いただきたいと考えております。」

 こういう国際的な要請を受けて,公証人法施行規則の改正も行われる次第である。
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外国人起業家向けに在留ビザの取得要件を緩和へ

2018-08-21 00:05:15 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34355650Q8A820C1EE8000/

「9月にも省令の運用を変え、(1)日本貿易振興機構(ジェトロ)が支援(2)起業から3年未満(3)登記ができるシェアオフィスに入居――の3要件を定める。他の起業家などと同居するシェアオフィスを拠点としてビザを取得することも可能にする」(上掲記事)


 外国人の起業に関しては,株式会社の不正使用の例として,最近は,外国人がビザを不正に取得する目的で株式会社を設立して役員となったり,また外国人が日本で高額医療を受ける目的で株式会社を設立して役員となり,国民健康保険に加入して3割負担の恩恵を不正に享受したりするケースが相当数存在するようであり,安易な「起業促進」により,このような不正使用事例がさらに増加することが懸念される。

「起業促進」の美名に踊らされて,規律を見失わないように,お願いしたいものである。

「登記ができるシェアオフィス」の要件が省令や通達等でどのように定められるのかは,注目である。
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