おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

消滅時効のこと など

2023-09-26 | マンション管理関連試験等サポート   



時効制度のことも 改正の影響があり 学習をシッカリしておくべき範囲ですね

 

内容は同様でも名称が変えられたりしたところがあったりしますが 新顔といえ
るものの登場というのはそれほどの範囲ということでもないと解されるので と
にかく条文を確認しておくということ だと 思われます
〈最近も 出題されているので それほど気にしなくても〉と ノンビリはでき
ない と 思われます・・・時効に限らず どの範囲にも言えること ではあり
ますが・・・要するに 不安感が強い方は 確認すべき ということです
《アタリマエみたいなことで スミマセン》

 

さて 本日の マンション管理士試験過去問学習 です

 

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                                                         ※〔問い方を変え利用させていただいている場合があります
                   法令等改正があった場合に内容を現行のものと整合させ
                   るため 出題当時の問題を改めていることもあります〕                                                                 


滞納されているマンションの管理費(この問いにおいて「滞納管理費」という。)
の消滅時効に関する次の記述につき、民法の規定による正誤を答えなさい。



1 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者Aに対して、内容証明郵便を
  もって累積している滞納管理費分の支払の請求をした場合には、6ヵ月間の
  時効の完成猶予の効力が生じるが、その期間中になされた再度の支払の請求
  には、時効の完成猶予の効力が生じない。


2 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者Aに対する支払の催告に基づ
  く時効の完成猶予期間を経過した後に、その支払額や支払方法について、あ
  らためてAと協議を行う旨の合意が書面でなされたときには、その合意から
  1年を経過した時、協議期間を定めている場合にはその期間を経過した時、
  当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する通知を書面で送付し
  た場合にはその通知の到達から6ヵ月を経過した時、の最も早い時まで時効
  の完成猶予が認められる。


3 管理費を滞納している区分所有者Aが自ら破産手続開始の申立てをし、破産
  手続開始の決定がなされた場合、管理組合が滞納管理費債権について破産債
  権として届出をしただけでは、時効の更新の効力は生じない。


4 滞納管理費の存在が、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによっ
  て確定した場合には、その時効期間は 10 年である

 

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1 について                              正しい

 時効の完成猶予の効力が生じている期間中にされた再度の支払請求については
 時効の完成猶予の効力が発生しません


下記 150条 を 参照ください

 

 

2 について                              誤 り
 〈・・・支払の催告に基づく時効の完成猶予期間を経過した後に・・・〉と 本肢には
 ある
 肢の場合のような 時効の完成猶予期間を経過していて既に時効が完成している場合は
 その後に協議を行う旨の書面による合意を行ったとしても 時効の完成猶予は認められ
 ない〔完成猶予するとは 本来の時効期間の満了時期を過ぎても所定の時期の経過ま
 では完成としない とすることであって 時効の完成前の制度のことであるので〕


下記 151条 を 参照ください

 

 

3 について                              正しい

 破産債権の届出をした場合 破産法にある一定の手続きを経て破産債権として確定するが
 届出をしただけでは 確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定するとは
 いえないので 時効の更新の効力は発生しない(新たにその進行を始める とはいえない)


下記 147条 を 参照ください

 

 

 

4 について                              正しい

 169条どおり である


下記 169条 を 参照ください

 

 

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             記       ※ 条文等に省略ある場合があります 

 
裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新
第百四十七条 
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一
の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっ
ては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第
二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって
権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその
進行を始める。
 
 
 
 
 
(催告による時効の完成猶予)
第百五十条 
催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定
による時効の完成猶予の効力を有しない。



 
 
協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)
第百五十一条 
権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか
い時までの間は、時効は、完成しない。
一 その合意があった時から一年を経過した時
二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定め
  たときは、その期間を経過した時
三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたと
  きは、その通知の時から六箇月を経過した時

2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同
項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶
予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない

3 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定
による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完成が猶予されてい
る間にされた催告についても、同様とする。

4 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人
の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機に
よる情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合
意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
5 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。
 
 
 
 
(判決で確定した権利の消滅時効)
第百六十九条 
確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年
より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。
 
 
 

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参 考


(イマサラ という知識も含んでいますが 消滅時効に関し 
 ポイントを数点 載せておきます)

・改正前の  時効の停止   と 時効の中断 
 が
 改正後は  時効の完成猶予 と 時効の更新 
 となった     

・消滅時効に関してだが 一定期間の経過する前に 債務者自身が債務を負っていることを
 承認すると その時点で振り出しに戻る〔時効の更新〕ことになる(152①)

         (承認による時効の更新)
        第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たに
               その進行を始める。

      

・債権者側に 明らかに権利行使の意思があるとされる評価できる事実が生じた場合はその
 時点で時効の完成猶予が生じ その後に 権利の存在が明らかであると評価できる事実が
 生じた場合は時効の更新が生じることになる

・債権者が支払いを求めて裁判を起こしたり 債務者の破産手続で債権の届け出たりしたと
 きは権利行使の意思が明確になったといえ その手続きが終了するまで時効の完成が猶予
 される。その裁判手続きなどで債権が存在することが公に認められると権利の存在は明白
 と評価できる事実が生じたことになるので 時効期間の進行は振り出しに戻る(147~
 149)

   

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十七条

    (強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
    第百四十八条 
    次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に
    従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時か
    ら六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
    一 強制執行
    二 担保権の実行
    三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売
     の例による競売
    四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者から
     の情報取得手続
    2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
      ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終
      了した場合は、この限りでない。

    (仮差押え等による時効の完成猶予)
     第百四十九条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するま
            での間は、時効は、完成しない。
       一 仮差押え
       二 仮処分

・裁判を提起しなくても催告すると6ゕ月間の時効の完成猶予が生じるけれど この場合は
 権利の存在が明白だと評価できる事実が生じたとはいえないので 完成してしまわない猶
 予があるうちに つまり6ゕ月以内に裁判手続
きなどを起こす必要がある(150)

・改正によって〈協議を行う旨の合意〉という時効の完成猶予の事由(151) が 加え
 られたが これは改正以前から裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)
 に同様の制度があったものが一般化されたもの

     ※ マンション管理運営に関し・行政書士制度に関し など 多くのADRの仕組
       みが 裁判によることなく法的なトラブルを解決する手法として 法務省認
       証民間組織によって行われている

生命 身体 の侵害による損害賠償請求権については 債権者をとくに保護すべきなので
 消滅時効期間の例外が設けられている(167)    

     (人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)
      第百六十七条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効につい
             ての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」
             とあるのは、「二十年間」とする。
 

 

本日の問題は

2021年度 問13 です