能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

英語もできないノースキルの文系人間のサバイバル方法 25歳に生き残りへの7つの方法論を贈ります

2015年01月07日 | 本と雑誌

空港の書店で本のタイトルを見て、ドキリ


英語が出来ない、ITスキルもイマイチ、MBA的な経営リテラシーもなし・・・ロジシンも出来ないし、ファイナンスやアカウンティングといった知識もどうも怪しい・・・。Long Long ago・・・大学4年の時のボクのことです・・・トホホ


自分自身が学生の頃から抱いてきたコンプレックスや劣等感が本のタイトルになっており、思わず手に取ってしまった・・・うまいネーミングだなあと感心した次第です。


著者は、経営コンサルタントで作家の大石さん。

同書で、著者は、どうせ駄目ならブラック企業などには就職せず、戦う場所を変えろ!と説きます。

経営戦略上、市場での不利が明らかな場合、あるいは将来的に市場を確保できない場合、計画的にポジョニングのシフトを行います。

なるほど・・・。

同書は、当初、自費出版で電子書籍として若い人の間で流通していたようで、それが今回PHPから書籍として出されたものらしいのです。

大石さんも、アジアへ雄飛。今では、一定の成功を収められているようです(よかった!)。

 

英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか

大石哲之著  PHP新書 780円+税

 

目次

好きなことを仕事にするより、得意なことをしなさい

志望動機で苦しんでいる人へ

就職活動に失敗して自殺をしてしまう前に

就職活動はスタートした時から勝負がついている

アジアで就職するという選択肢

意識が高い学生と、やりたい事ができないという病

入社後、希望と違う仕事をできない時

人気企業ランキングの有効活用法

MBAは本当に役に立つのか

履歴書は手書きにすべきか?という昔ながらの議論に終止符を打つ

グローバル化でなくなる仕事、そうでない仕事



今年あたりから、学生の売手市場になりつつある新卒就職市場。

少子高齢化、アベノミクスによる景気回復基調などが理由と言われていますが、

就職戦線で有利に戦っているのは、やはりブランド大学の一群。

同書に出てくる東大、ハーバードといったところでしょうか?

その比率は、55万人が就職するとして、その1%から2%程度・・・5000名から一万人というところです。

この中に入っていないと、総合商社や日の丸企業への就職は難しいようです。


実際問題として、著者の言うアジアへの雄飛組は、残り98%~99%のうちの10%程度。

5~6万人程度になると思います。

もし本当に、毎年5万人が海外就職するようになると、日本は劇的に変わってくると思います。

本当の意味でのポーターレス化、グローバル化、ICT化が起こり、

学校教育、大学教育にも大きなインパクトを与えることになると思います。


しかしながら、今の若年層は、国外に飛び出すことへの抵抗がかなりあるのも事実。

そこにブリッジをかけるための支援策が必要なような気もします。たとえば、企業サイドにも「アジア枠」「欧米枠」などのフレームを設けて採用していくという努力も必要なように思います。

 

英語もできないノースキルの文系だった自分も、ラッキーだけでサバイバルし、まだまだ現役で仕事をしている・・・本当にありがたいことだなあと、感謝、感謝。


そんな自分が大学4年の時にタイムトリップし、社会に出なければならないとしたら、どうするか?・・・考えてみました。

大石さんのアグレッシィブな作戦に、日本的な「和」のテイストを加味してみました。

 

方法論1「真摯さ・真面目さを全面・前面に打ち出し、まずは努力してみる」

ドラッカー博士が残した言葉の中でマネジャーやビジネスリーダーに求められる最低限の要素として「真摯さ・真面目さ」があります。この特性はビジネスの世界の土台となるもので、必ず評価されるものです。逆にやると、ビジネスの世界からはスポイルされます。そして、努力の積み重ね・・・そのシナジーだけでも比較的優位性をもって仕事をしている若者が、かなり、います。

 

方法論2「就職ランキングに出ている企業は避け、独自の技術やノウハウを持つ中堅企業を狙う」

まずは企業訪問の数です。狭い分野でも世界トップシェアを持っている企業、希少価値のある特許を有している企業が多々あります。現場まで、自分の目で確かめていくしかありません。

 

方法論3「英語以外の外国語マスターに集中する」

今なら、インドネシア語、ベトナム語などは、まだまだ需要が増えてくる言語ゾーンです。好きになれる国の言葉・・・それがポイントです。

 

方法論4「ジャパンオリジナル、日本リージョナルの仕事で、自分が出来そうな仕事をリストアップし、就職を目指す」

もし、もう一度就職を考えるとしたら、ジャパンオリジナルの仕事を選び努力してみたいと思います。日本庭園の庭師、日本旅館のマネジメント・・・一種憧れです。先日、私の知人(銀行員)のお嬢さんが高卒後すぐ京都上七軒の舞妓さんになったと聞いて驚きました。

 

方法論5「海外青年協力隊、専門商社など国外に出るための手段を探し、チャレンジする」

とにかく、外国・・・特に「アジア」を体験しよう! 

 

方法論6「自分のやっている仕事に直結した資格を取得し、日々磨きをかける」

 

方法論7「石の上にも3年。最低3年間はがむしゃらにやってみる」

職歴は最低三年ないとキャリアと認められません。ただ、三年その業界にいると大まかな業界知識を体得することが出来ます。

ここが、微妙なところなのですが、明らかにブラック企業で限界を感じたらすぐにやめる事!

メンタル系をやられると次のチャレンジまでに相当程度の時間がかかることになります。

が、そんな企業には、アイデアやヒントが山のように転がっています。

ここを学び取ることは、転職するにしても、起業するにしても、とても大切なことです。


でも、よくよく考えてみると、現在のおじさん・おばさんの頃の会社も、今の言葉でいうと、かなりブラック。

失敗してアタマを叩かれたり、花見の場所取りをさせられたり、朝先輩の机の雑巾がけをさせられたり・・・体育会系のノリの会社が多かったように思います。

理不尽だし、専門性やキャリアは身に着かないし・・・辞めていった人も多数いました。

結果論ですが、そこで最後まで残った連中は、現在その組織の幹部社員になっているということは言えます。

やっぱり、辛抱も大切です。 


人生万事塞翁が馬。

大学、高校、中学、小学校の同窓会に出ることも多いのですが、そこは、一つの社会実験室。

勉強が出来た人間、偏差値の高かった人間が必ずしも幸せとは言えないという事実にも遭遇します。

日本を代表する大企業に入って数十年経っても平社員、地方拠点への片道切符、都市銀行あたりでは関係会社のクレジット会社へ出向し閑職へ・・・本当に人生いろいろです。


勉強が出来ても出来なくても、イケメンだろうとそうでなかろうと、身長が高いとか低いとか、年収が高いとか低いとか・・・結果論としてはあまり変わらない・・・人生プラスマイナスゼロではないのか?と結論づけてしまいそうになります。


ただ、自分の好きなことを、世のため人のためにやっている・・・そういう彼彼女は幸せそうに見えるということはあります。


老婆心ながら・・・

若者諸君・・・好きなこと、得意なことをやり続ける・・・それが、世のため人のためになれば、それが一番幸せな人生なのかもしれません。


今の20歳代、30歳代の若者たちと話していると、2/3の若者たちは被害者意識を持っています。

会社に入れないのも、給料が安いのも、彼彼女が出来ないのも、すべて社会のせいであり、人のせい・・・。

「社会が悪い」「じいさん・ばあさんが悪い」「会社は金もうけばかり」「学校が悪い」「親が悪い」・・・。

まさに「他責」です。

はっきり言って、今まで他責で幸せになった人は一人もいません。


大石さんが今回の本で主張しているコアは、まさに他責からの脱却であり、自分の人生を自分でコントロールし、デザインし、マネジメントすること・・・。

「自責」のスタンスが大前提になるのです。

 

夢や希望は、まずは動かないと目の前に広がっていかないものと自分としては考えています。

若者の熱意と情熱、やましさのない志は鬼神も避けます。

よく考える事、よく動くこと・・・この2つがチャンスをつかむ唯一の方法だと考えています。

あきらめない、時には逃げる、ただ目線は高く・・・夢と浪漫を持って、(大変だけど)突き進んでいただきたいと思います。


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