日経ビジネス誌2014.12.29号の特集は「遺言 日本の未来へ」。
日本を代表する経営者たちの「遺言」が、顔写真、自筆のフレーズとともに紹介されています。
同誌からのインタビューも絶妙で、登場する経営者のホンネ部分を引き出しています。
戦後、焦土と化した焼け野原から、奇跡の復興を遂げた日本。
今回の記事を読むと、それは、単なる「奇跡」で片付けられるものではなく、そこに生きた人たちの地道で真面目な努力があったことが、よく見えてきます。
豊かになったニッポン。
当時の人たちが持っていたハングリー精神、気合と根性といったものが相当程度不足しているような気もします。
このままじゃいけない気もします・・・。
今を生きる次の世代にバトンタッチするための魂の言葉です。
「やる気」
鈴木修スズキ社長・85歳・・・中小企業オヤジのヒーロー
「多様性」
篠原欣子テンプHD会長・81歳・・・人材派遣の女王
「新しい国づくり 外国人 地方 女性 若者」
椎名武雄IBM名誉相談役・86歳・・・外資とともに生きた男
「変化対応」
鈴木俊文セブン&iHD会長・73歳・・・時代を見通すコンピニの帝王
「日々新」
森英恵氏・89歳・・・日本を世界に認めさせた「蝶」
「勤勉と創造力」
樫尾幸雄カシオ特別顧問・85歳・・・電卓兄弟の末弟
「幸徳文化国家をつくりましょう」
佐藤安太トミー前会長・81歳・・・おもちゃの王様
「セレンディピティで社会貢献」
大塚正富アース製薬特別顧問・・・ゴキブリを虜にしたアーティスト
「まず観察そして理論」
小宮隆太郎東大名誉教授・・・経済学学の天敵
「人口減からルネサンスを」
速水融歴史人口学者・86歳・・・人口動態の探求者
「不自由を常と思えば不足なし」
石原まき子氏・女優・・・女優を捨てた裕次郎の恋女房
「若い時は絶対ひとり旅をすること 君の人生が豊かになる」
西村京太郎・作家・85歳・・・特急を嫌う時刻表の魔術師
「愛と誠と調和」
稲盛和夫氏・83歳・・・経営と美徳を広める伝師
その他多くの著名人の「遺言」が掲載されています。
それなりの仕事をされた人の言葉には、重みがあるとともに、取材に応じてサラリと書ける・・・その点が本当に素晴らしいと思います。
人徳、人格のなすところでしょうか。
先人の残す言葉は、とてもシンプル。
複雑なロジック、難解な用語はありません。
今度、今までの自分を振り返りながら、もし、自分の遺言を書けと言われたら何を書くか?考えてみたいと思います。