奥付は、2002年・・・10年以上前に出版された書籍・・・こんな本があるとは知りませんでした。
あまりに悲惨で、あまり売れなかったのか?それとも封印されていたのか?
知らなかった自分自身もバカです。
「百年の愚行」・・・
本を読んで涙ぐむことは多々あるのですが、この本は写真集ということもあり、直球ストレートでズバリときます。衝撃で、もうページをめくりたくないと感じさせた一冊です。
アル・ゴアさんの「不都合な真実」はロジカルに科学的な根拠を示しながら進んでいくのですが、同書は写真という媒体を使って人間の心理、情動に訴求していきます。
当分、ものの見方が変わってくると心から感じました。
百年の愚行
Think the Earthプロジェクト著 紀伊國屋書店刊 2400円+税
同書は、人間に起因する環境問題、戦争、貧困、飢餓、大量消費、難民、差別などのテーマに関する写真を100枚とりあげ、解説を加えるというもの・・・何点かは有名な写真もあるのですが、見るだけで、もはや解説はいらないインパクトのある写真集です。
一言で言えば、
人間って、なんでこんな馬鹿なことをやっているんだ!
という怒り。
自分も、その一人として、100年の愚行に加担している一人という意識。
エアコンのきいた部屋で、珈琲を飲みながら、環境問題や格差問題がどうのこうのと呟いている姿勢、スタンスは完全に叩き潰されます。
この書をまとめたThink the Earthプロジェクトは、NTTデータ社長、ベネトン会長、ミュージシャンの坂本龍一さん、セイコーインスツルメント社長、マイクロソフトの社長だった古川さんたちが発起人となる世界に警鐘を鳴らすために編集された一冊。賛同し、行動に移された姿勢は、本当に素晴らしいと思います。
◆目次
- 海・川・湖沼
- 大気
- 森・大地
- 動物
- 大量生産・大量消費
- 核・テクノロジー
- 戦争
- 差別・迫害
- 難民
- 貧困
多くの人に目を通していただきたい一冊です。
これから、100年、さらに愚行を繰り返さないための決断と行動が、今まさに求められていると思います。