能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

スティーブ・ジョブズの誕生日2月24日・・・スティーブの青春の光と影を綴った伝記を読みました

2015年02月15日 | 本と雑誌

「スティーブ・ジョブズ 青春の光と影」

脇英世著  東京電機大学出版局  2500円+税

 

2011年に出されたウォルター・アイザックソンの「スティーブ・ジョブズ」。

世界的なベストセラーになりました。

アイザックソンさんは、アインシュタイン、ベンジャミン・フランクリン、キッシンジャーなどの米国の歴史的人物の伝記をしるした伝記界のスター。

ジョブズも公認伝記と認め、これでスティーブの歴史、伝記には決着がついたものと考えていました。

 表参道店ロゴ

そんな中、脇英世東京電機大学教授が、「スティーブ・ジョブズ 青春の光と影」を執筆、刊行されました。

481ページの大作。索引もしっかり付いています。

同書は、ジョブズの出生から30歳くらいまでを、丹念な文献探索と取材調査で精緻にまとめられています。

大学院で学んでいたころ、主査の教授に言われたことがあります。

「文献調査、歴史の探究は、砂をかむような地道な努力が求められ、大変だよ」と・・・。

脇先生は、ジョブズについて膨大な資料、書籍を蒐集し、これを丹念に読み込まれたのだと思います。

本当に、ジョブズがお好きなんだろうと思います。

脇先生は昭和22年生まれの67歳。そういえば、副題の「青春の光と影」は英国バンドのプロコル・ハルムの名曲「青い影(1967年)」の影響があるのかもしれません・・・表紙もシンプルな青色ですし・・・。

脇先生ご自身も、安保闘争、ベトナム反戦運動など青春時代の思い出とオーバーラップされているのだと思った次第です。

 渋谷店ロゴ

目次

第1章 スティーブ・ジョブズの誕生と生みの親

第2章 スティーブ・ジョブズの育ての親と幼少年時代

第3章 スティーブ・ウォズニアック

第4章 二人のスティーブ

第5章 ヒッピーと反戦運動の高揚

第6章 ティモシー・リアリーとババ・ラム・ダス

第7章 クリスアン・ブレナン

第8章 リードカレッジ

第9章 アタリとノーラン・ブッシュネル

第10章 マイクロコンピュータ革命の日は来た、しかし・・・

第11章 スティーブ・ウォズニアック立つ

第12章 アップル誕生

第13章 アップルⅡ

第14章 アップルの再編

第15章 マイクロコンピュータ業界の変貌

第16章 華々しい成功の陰に

 

生みの親と育ての親が違ったという事が彼の思考、価値に影響を与えたかもしれないということ、初恋の人クリスアンとの相互の影響、最大の仲間ウォズニアックとのコラボレーション、アタリ社での仕事、インドへの放浪、そして禅への関心の高まり・・・、ジョブズの生き様を客観的、学術的なアプローチで炙り出した同書は、伝記という側面以外に、イノベーションを起こした人材研究ということが言えると思います。

 

いま、アップル社の製品にハマっている方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

1990年代、マックユーザーはどこか変わり者(失礼!)、今でもiフォンやiパッドフリークには、すごいコダワリを持っている人が多いような感じがしています。

同書を読むと、アップル社への想いがさらに深まることになると思います。

 

表参道店・・・いつもお世話になっています

 

2月24日は、スティーブの誕生日。

存命であれば、今年60歳・・・還暦を迎えます。合掌


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青山一丁目の伝説は復活するのか?NewマクラーレンHONDAのニューF1マシンを見てきました

2015年02月15日 | マーケティング

本田技研工業の青山の本社まで、マクラーレンHONDAのニューF1マシンを見に行ってきました。

HONDAのF1復活は、8年ぶり。

FITの世界的なリコール問題、タカタのエアバック事件のみならず、売れる新車が出ないホンダ。

本当に心配です。

S660や新型シビックの開発状況が、webで紹介されていましたが・・・。

過去の延長線上で、どうやら起爆剤にはなりそうもありません。

ニューF1マシンは、1600CCの排気量のV型6気筒エンジンを搭載。

F1バイロットも、フェルナンド・アロンソさん(スペイン)とジェンソン・バトンさん(英国)。

実力的にも、十分優勝を狙えそうです。

黒とシルバーを基調としたカラー。

蛍光色の赤いラインがボディを引き締めます。

以前は、「Powered by HONDA」のロゴが入っていたのですが、ニューマシンは「HONDA」のロゴだけです。

マクラーレンの文字が見えます。

F1パイロットが乗り込むコックピット

リアもなかなか精悍

1980年代、マルボロ・マクラーレン・ホンダは、全16戦中15勝するという記録を打ち立てました。

アラン・プロスト(フランス)とアイルトン・セナ(ブラジル)という歴史に残る名ドライバーを擁し、向かう所敵なし状態でした。

 

鈴鹿サーキットに、仕事を絡めて行っていたのですが、今でもアイルトンのエグノースト音が耳から離れません。

プロフェサッサーと呼ばれたプロストは、天才的なギアシフト術でコーナーを回っていくのですが、アイルトンは「セナ足」と呼ばれるアクセルワークで駆け抜けていきました。

 

余談なのですが、広告代理店時代、本田技研工業さんを担当していた頃、マルボロ・マクラーレン・ホンダ優勝の凱旋パレードで青山通りをマルボロカラーのF1マシンを走行させてはどうかという企画書を作ったことがあります。

秋の青山通りをアイルトンとプロフェッサーがドライブするマシンが走る・・・う~ん、なかなかいい企画だと自惚れていたのですが、ホンダの技術者の方に言われました。

「ムリ!」・・・(笑)

F1マシンは車高が極めて低いため、一般道を走ると底を摺るらしいのです。

モナコやカナダのGPコースを走るときは特別なチューンをほどこすのだそう。

であれば、F1走行用に一般道のデコボコをなくすため、専用のボードを青山通りに敷き詰め、その上をF1マシンが走る・・・でもすごいコスト、経費がかかるとのことで断念しました(笑)。

また、F1マシンは長い時間低速では走れないとのこと・・・エンジンが故障するらしいのです。

それから、警視庁の道路使用許可をいただくことも難しいということを知りました。残念!!!

 

モナコ王国で開催するモナコグランプリのように、皇居の周りを周回するパレスサイドサーキットを夢見たこともありました。

日本の基幹産業である自動車メーカーが参戦し、天皇陛下や各国首脳も観戦・・・メルセデスやルノー、フェラーリ、フォードを撃破し、日本の技術力を見せつける・・・やっぱり無理でしたよね~(笑)。

 

青山一丁目の伝説は復活するのでしょうか?

HONDAの技術力と資金力、そしてマクラーレンを含めたマネジメントが摩擦なく進めば、おそらくコンストラクターズチャンピオンにはなれると思います。

その時のドライバーズチャンピオンは、アロンソでしょう。

が、今のホンダの課題は、環境に優しく、人に優しいクルマを作ることが最優先だと考えています。

小手先の小さな進化ではなく、本当に「世界が驚くクルマ」を出さなければなりません。

本田宗一郎さんの時代、ホンダがまだ中小企業だった頃、世界最高峰のマン島TTレースに出場して優勝する・・・あるいはまだ二輪メーカーだった時にF1に参戦する・・・それは、社員の士気も上がるでしょうし、会社の一体感も高まると思います。モータースポーツファンも、ホンダの車を買うでしょう。

でも、今は、そんな状況にはないと思います。

昨日のバレンタインディの日本経済新聞には、F1人気の出てきたアジア市場、モータースポーツ文化が定着しているヨーロッパ市場を狙う、ホンダ社内の人材育成、技能伝承をするといったことが書かれてましたが、どうも違うような気もします。

 

個人的には、今、「ホンダのトヨタ化(TOYOTAになりたい!)」「トヨタのホンダ化(かってのホンダのように若返りたい!)」が進んでいるように思います。ほんとうに残念なことです。

 

http://blog.goo.ne.jp/tomitomi111/e/15cb1fc3cb441fbf8f35e0e7cbac47be

 

本田技研工業は、どこに向いて進んでいくのか?

あとから見ると、2015年頃の経営戦略が誤っていたと言われることがないよう祈っています。

がんばれ!伊東社長!寄せ書きして、帰路につきました。


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