リーダーの易経 兆しを察知する力をきたえる
竹村亜希子著 KADOKAWA刊 800円+税
著者の竹村さんは易経研究家で、東洋文化振興会相談役も務められている易経の専門家。
前著の「リーダーのための易経の読み方」も読みましたが、難解な易経を分かりやすく解説されており、とても興味を持ちました。今回の本は、前著よりさらに分かりやすく解説されています。
この「易」というのは、変化という意味だそうです。
「易経」は、四書五経の一つ。
四書「大学」「中庸」「論語」「孟子」、五経「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」の一つとして位置づけられています。
「易経」と言えば、安岡正篤先生の「易学入門」が有名ですが、薄い本ながら未だに全体の理解が出来ない一冊です。
「易経」は、単なる占いの本ではなく、龍の物語であると著書は説きます。
この龍の物語は、6つのステージで構成されます。
龍のライフステージは、そのまま人間の人生に当てはまります。
第1段階 志を打ち立てる・・・潜龍
第2段階 師となる人物に見習う・・・見龍
第3段階 失敗に学び日進月歩する・・・乾(けんてき)
第4段階 飛躍の「機」をとらえる・・・躍龍
第5段階 雲を呼び、雨を降らす・・・飛龍
第6段階 驕り高ぶる龍の顛末・・・亢龍
わたし自身、今まで生きてきて、「成功の失敗」「失敗の成功」ということが世の道理ではないかということを経験則として認識しています。
成功は、いつまでも続かない。成功の原因が次の失敗の原因となる、失敗しても這い上がる信念があれば次には成功する確率が高まる・・・といったことです。
もっとも私の場合、失敗が圧倒的に多く、たくさん痛い目にあってきたのですが・・・(苦笑)。
それでも、とりあえずあきらめずにやっていると、不思議なパワーのバックアップがあり、ここまでやってきた次第です。感謝!
悪友は、「おまえは、ラッキーのみ。ついてる奴は、いいよなあ。」と言っています。
(水鳥は、見えない水面下で一所懸命、足ヒレで水をかいているのです・・・と反撃することにしています-笑-)
だから、「占う」ではなく、「予兆を見逃さず、行動する」というのが易経の正しい捉え方だと思います。
「亢龍悔いなし」・・・そんな言葉もやっと理解できる年齢となってきました。
目次
第一章 潜龍から乾 志を打ち立て修養に励む
第二章 躍龍から亢龍 リーダーとして立つために
第三章 リーダーの原理原則 易経の基礎知識
第四章 志を抱き、原理原則の型を学ぶ
第五章 反復継続する
第六章 昇り龍になって天を飛翔する
第七章 龍は、昇りつめて落ちていく
自分の天命、運命の流れをアタマの中にイメージしながら、変化・予兆を見逃さず、すかさず行動に移っていく・・・そんな日々の生活をしていきたいと思います。