「教養」と「知識量」を、つい私たちは混同しがちだ。
真の教養人とは、異なる価値観を持つ人の立場で思考し、自分の意見に固守せずバランスが取れる人だという。
日本には最先端の研究がありながら、震災関連の原発事故を防げなかったのは、分野間をつなぐ知の回路がなく無教養だったためと本書は指摘する。
いかに異文化に心を開くか。
「正解」を競わず、建設的に話すことの重要性と具体策を説く。
「教養=知識量」という考え方はもう通用しない。
ネットで検索すればあらゆる情報が瞬時に手に入る今、知識量の重要性は相対的に低くなっているからだ。
東大教授2人が提唱する教養とは「正解のない問いに対し、意見の異なる他者との議論を通して思考を柔軟にし、〈自分がよりよいと考える答え〉にたどり着くこと」。
その意味するところは何なのか? どうすればこの思考習慣が身につくのか? 人工知能の発展が著しい現代だからこそ、人間にしかできない能力を磨く必要がある。その要諦が詰まった一冊。
内容(「BOOK」データベースより)
「教養=知識量」という考え方はもう通用しない。ネットで検索すればあらゆる情報が瞬時に手に入る今、知識量の重要性は相対的に低くなっているからだ。東大教授2人が提唱する教養とは「正解のない問いに対し、意見の異なる他者との議論を通して思考を柔軟にし“自分がよりよいと考える答え”にたどり着くこと」。その意味するところは何なのか?どうすればこの思考習慣が身につくのか?人工知能の発展が著しい現代だからこそ、人間にしかない能力を磨く必要がある。その要諦が詰まった一冊。
著者について
藤垣裕子:一九六二年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。一九八五年、東京大学教養学部基礎科学科第二卒業。一九九〇年、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。一九九〇年、東京大学教養学部助手。一九九六年、科学技術庁科学技術政策研究所主任研究官。二〇〇〇年、東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系助教授。二〇一〇年、同教授、二〇一三年、東京大学総長補佐。二〇一五年?二〇一六年より東京大学大学院総合文化研究科副研究科長・教養学部副学部長。学術博士。
柳川範之:一九六三年生まれ。東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。『法と企業行動の経済分析』(第五十回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『東大教授が教える独学勉強法』(草思社)など著書多数。