悩める4番に“プロセスの大事さ”説く
7/18(木) 夕刊フジ
阪神は17日の中日との「豊橋決戦」に敗れ、今季2度目の6連敗でリーグ4位に後退したが、光明は前日まで8打席連続ノーヒットだった4番・大山悠輔内野手(24)が、1本塁打を含む4打数4安打2打点と爆発したことだ。
先頭で迎えた2回、相手先発の阿知羅から「自分の間合いでスイングすること」を意識し、6月19日以来の今季11号特大弾を左翼席へほうり込むと、5回にも左前適時打を放った。敗戦後、大山本人は「負けたのですべてはそこです…」とだけ話しバスに乗り込んだが、呪縛を解き放つヒントを与えたのは、現役時代にセ・パ両リーグで本塁打王に輝いた夕刊フジコラムニストの山崎武司氏(50)だった。
この日の試合前練習中、中日在籍時代から旧知の仲の同級生、阪神・矢野燿大監督(50)や先輩の清水雅治ヘッドコーチと談笑。その場で貧打にあえぐ現状が話題になり、そこへやってきたのが悩める4番その人だった。
山崎氏は大山が3タコ1四球に終わった前日の試合もテレビ観戦したそうで、指揮官の前で気づいた点を助言したという。「陽川もそうだったけど、見ていてとにかく内角をエラい気にしてるなと。1打席に3球も4球も内角攻めはないので、あとは割り切り。結果がドン詰まりの内野ゴロに終わってもそこではなく、内容を気にしないと」と配球の読みなど“プロセスの大事さ”を説いたという。
思い起こせば2月の春季キャンプでも指揮官が“中日人脈”を駆使し、山崎氏をはじめ山本昌広氏、川上憲伸氏の経験豊富なOB3人が虎ナインに助言を送る場面がみられた。山崎氏は「中日OBだからやりづらい面もあるけど、いち個人としてはやっぱり同級生のテル(矢野監督)には頑張ってほしいから。この気持ちは変わらんよ」とうなずく。
久々に快音を残した大山に矢野監督は「打ったら元気が出たように見えるし、打たなかったら元気がないように見える。マスコミの皆さんや周りからも、いろんなことをいわれる立場の打順で打ってるから(叱責は)仕方ない。連敗しているのは俺の責任やしね。今、すごい(調子が)悪いとかじゃないけど、勝負どころでどう打つのかが課題だと思う。成長していけるところを期待したい」と力を込めた。
黒星が続き「追い越したら点を取られるから、流れがこっちにこない」と嘆き節の指揮官へ、次こそ試合を決める1本を贈りたい大山だ。(山戸英州)