イデオロギーと日本政治―世代で異なる「保守」と「革新」

2019年07月29日 14時17分44秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 遠藤 晶久 (著, 翻訳), ウィリー・ジョウ (著)
 

商品の説明

内容紹介

維新は「革新」、共産は「保守」。
これは、日本の若年層が抱く各政党のイデオロギー認識である。つまり、彼らにとって「革新」とは、改革を意味しており、決して「左」と同意義の言葉ではない。
さらに、若年層では「保守」「革新」のイデオロギー対立軸も共有されておらず、日本人が政治を語る上での共通認識語であった「イデオロギー・ラベル」が通用しないという状態が起こっている。
日本人のイデオロギー認識はいつから変わったのだろうか? 
著者である遠藤とジョウは、30年にわたる世論調査の結果を分析し、日本人のイデオロギー認識がどのように変化していったのかを検証した。
日本人の考えるイデオロギーの意味について、考えるきっかけになる。

★2019年6月15日 朝日新聞読書面 東京大学教授・宇野重規さんの「(ひもとく)若者の政治意識 自明性を失う「保守」と「革新」」で紹介! 
★共同通信配信の著者インタビュー 以下の新聞で紹介! 
・2019年4月19日 沖縄タイムス
・2019年4月23日 河北新報、新潟日報、神戸新聞
・2019年4月24日 愛媛新聞
・2019年4月25日 東奥日報
・2019年5月5日 茨城新聞
・2019年5月8日 秋田魁新報
・2019年5月10日 山陽新聞
・2019年5月11日 山梨日日新聞
・2019年5月12日 埼玉新聞
・2019年5月13日 宮崎日日新聞
・2019年5月15日 信濃毎日新聞、南日本新聞
・2019年6月4日 京都新聞
★2019年4月20日号 週刊東洋経済の書評で紹介! 
★2019年3月15日 橘玲×ZAi ONLINE「日々刻々」で紹介! 
★2019年6月7日 山陰中央新報「明窓」で紹介! 

出版社からのコメント

研究論文発表時から、歴史社会学者の小熊英二氏や政治学者の中島岳志氏らが注目し、朝日新聞、中央公論など、各誌で紹介された研究がついに書籍化します。
55年体制の終焉とともに大変革期に入った日本政治を、イデオロギーと世代間ギャップから検証した話題作です。

内容(「BOOK」データベースより)

維新は「革新」、共産は「保守」。日本人のイデオロギー認識はいつから変わったのか?「右・左」、「保守・革新」、「保守・リベラル」…日本人の考えるイデオロギーの意味とは?55年体制の終焉とともに大変革期に入った日本政治をイデオロギーと世代間ギャップから検証した話題作!

著者について

遠藤 晶久(えんどう・まさひさ)
1978年、東京生まれ。博士(政治学)。
早稲田大学社会科学総合学術院准教授。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、早稲田大学政治学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学経済学研究科グローバルCOE研究助手、早稲田大学政治経済学術院助手、高知大学人文学部(後に人文社会科学部)講師等を経て現職。
主要著作に『熟議の効用、熟議の効果:政治哲学を実証する』(勁草書房、2018年、分担執筆)、Japan Decides 2014: The Japanese General Election(Palgrave Macmillan、2015年、分担執筆)。

ウィリー・ジョウ(Willy Jou)
1979年生まれ。Ph.D in Political Science
早稲田大学政治経済学術院准教授。
カリフォルニア大学アーバイン校政治学博士課程修了。
主要著作にWhy Policy Representation Matters (Routledge、2015年、共著)など。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

遠藤/晶久
早稲田大学社会科学総合学術院准教授。博士(政治学)。1978年生まれ。早稲田大学政治学研究科博士後期課程単位取得退学

ジョウ,ウィリー
早稲田大学政治経済学術院准教授。Ph.D in Political Science。1979年生まれ。カリフォルニア大学アーバイン校政治学博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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 「保守」と「革新」という政治的ラベルが時代遅れになったと言われて久しい。にもかかわらず、日本の有権者が政治をとらえるにあたって、この対立軸はまだ有効性を失っていないようだ。ただし、「保守」と「革新」が何を意味するかについては、かなりの変化が見られる。
 遠藤晶久とウィリー・ジョウによる『イデオロギーと日本政治』によれば、高齢者が共産党をもっとも革新的な政党と見ているのに対し、若年層は日本維新の会をもっとも革新的と考えているという。これは50代の筆者にとって驚きの指摘である。
 日本政治においては長く、憲法や安全保障といった争点を中心に保守と革新の対立軸が形成されてきた。「大きな政府」か「小さな政府」といった社会的・経済的な次元ではなく、あくまで日米安保や防衛力の強化がイデオロギーを決める最大の争点であり続けたのである。
 これに対し、40代以下の層においてはむしろ、「既得権益への挑戦」や「改革派」のアピールこそが「革新」の判断基準となる。この層にとって「革新」とは「変化」を意味する。変化の方向性を考慮に入れないとすれば、これはこれで一つの理解と言えると著者たちはいう。
「右」「左」が逆転
橘玲もまた、『朝日ぎらい』において、同様の傾向を示す世論調査に言及している。読売新聞・早稲田大学共同世論調査(2017年)によれば、70代以上では、もっとも保守的なのが自民党であり、共産党がリベラルに位置づけられている。これに対し18~29歳では、もっとも保守的なのが公明党で、次いで共産党、もっともリベラルなのが日本維新の会である。これを橘は「右」と「左」が逆になった「不思議の国のアリス」と呼ぶ。
ただし、橘はこれを「若者の右傾化」などと誤解してはならないという。50代以上と40代以下の間に断層があるとすれば、その原因は冷戦の終焉(しゅうえん)とバブル崩壊にある。「変わらなければ、生き残れない」と言われ続けたバブル以降の世代にとって、年功序列・終身雇用という日本型雇用制度を守ろうとする年上世代は「保守」以外の何ものでもない。かつて「リベラル」だった世代が高齢化することで、言葉の意味が入れ替わったというのが、橘の解釈である。
「自民支持」誤り
 この点に関連して、三春充希の『武器としての世論調査』が興味深い点を指摘している。第48回衆院選(17年)における比例投票先出口調査を見ると、自民党支持が18・19歳や20代で多く、立憲民主党や共産党支持は60代周辺に多い。これは一見すると、自民党が若年層に支持され、「リベラル」が高齢化したという仮説を支持するように見える。
 しかしながら、その一方で、意識調査によれば、自民党の支持率は高齢者ほど高い傾向にある。この矛盾について、三春は若年層において「支持政党なし」や「わからない」と回答する人が多いことに注目する。
 与党であれ、野党であれ、若い世代ほど支持率は下がる。ただし、その下がり方には違いがあり、野党の方がより激しい。与党支持がかろうじて残っているのに対し、野党支持が劇的に減ったのである。結果として、投票に行った人に限って言えば、与党支持が相対的に多くなる。したがって、いまや自民党は若年層にこそ支持されているという議論は誤りであると三春はいう。
 いずれにせよ、現在の50代以上にとって自明であった「保守」と「革新」の区分は、40代以下の世代にとって自明性を失っている。若い世代にとって、どの政党を支持すべきかについて迷いがある以上、政党再編以上に、政党を評価する軸の再編が急務と言えるだろう。=朝日新聞2019年6月15日掲載
宇野重規(ウノシゲキ)
東京大学教授(政治思想史)
1967年生まれ。著書に『保守主義とは何か』『トクヴィル』など。

 

 好書好日より引用

 

 
 
 

最貧困女子

2019年07月29日 14時13分39秒 | 社会・文化・政治・経済

鈴木 大介  (著)

商品の説明

内容紹介

今や働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!

内容(「BOOK」データベースより)

働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、さらに目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!

著者について

一九七三年千葉県生まれ。「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター。著書に『家のない少女たち』『援デリの少女たち』『振り込め犯罪結社』(いずれも宝島社)、『出会い系のシングルマザーたち』(朝日新聞出版)、『家のない少年たち』(太田出版)などがある。現在「週刊モーニング」(講談社)で連載中の『ギャングース』(原案『家のない少年たち』)でストーリー共同制作を担当。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鈴木/大介
1973年千葉県生まれ。「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



女子大生風俗嬢 若者貧困大国・日本のリアル

2019年07月29日 14時08分55秒 | 社会・文化・政治・経済

中村淳彦  (著)

商品の説明

内容紹介

女子大生が風俗業界に大量流入している。
そこから見えるいまの大学生の意識、広がる貧困
──経済事情がままならないなか、
「充実した学生生活を送りたい学生」ほど、
体を売って学費を稼いでいる衝撃的な現状をリポート。
著者の新境地。

【目次】
はじめに――女子大生が風俗に大量参入している

第1章 女子大生風俗嬢の履歴書
・入学と同時に家族の介護がのしかかる
・泣きながら追いつめられた日々を告白
・親の支援ゼロ、月々第二種奨学金を借りる
・即金で3万円をもらって、すごいと思った
ほか

第2章 「平成型苦学生」の出現――男子もカラダを売る
・常軌を逸した学費の高騰
・朝から晩までバイトばかりの学部時代
・大学院に進学するためには男娼になるしかない
・月収は最低でも70万円

第3章 貧困の沖縄を行く
・中卒は自給670円、大卒か夜の仕事は800円
・女性を風俗に売って、やっと学費が支払える
・水だけ飲んで、なにも食べない
・フルで奨学金、卒業時は883万円の借金
ほか

第4章 なぜ彼女たちは騙されるのか
・彼にソープ勤めを薦められた東京六大学生
・中退は一括返済、病院への奨学金返済
・彼氏に騙されて、徹底的に搾取される
・女を騙す経済的貧困を抱える男子学生

第5章 風俗はセーフティネットか
・貧困から抜け出せないと嘆く、熟女風俗嬢
・生活保護程度しか稼げない現実
・福祉担当者は格安デリヘルに張りつくべき
・兄からのDVで深刻な不眠症に
ほか

第6章 トップスペックの学生はAVへ
・面接に来るのは普通の女の子ばかり
・団塊ジュニア世代の楽園のような学生生活
・トップ女優は現役女子大生
・就職しないでAV女優になりたい
ほか

第7章 世代格差とブラックバイト
・凄まじい日々のスケジュール
・介護施設の違法労働
・蔓延するブラックバイト
・彼氏への罪悪感で涙を浮かべる

内容(「BOOK」データベースより)

「風俗をやって本当によかった」彼女たちが異口同音に語る理由。大学がレジャーランドだったのは遠い昔。親は貧困に転落し、ブラックバイトも増加。人生に重い足かせをはめる奨学金の存在…。資格をとりたい、留学したいといった「向上心ある学生」ほど、身体を売らざるをえない現状をリポート。ここまできたニッポンの現実。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中村/淳彦
1972年東京都生まれ。ノンフィクションライター。大学卒業後、編集プロダクション、出版社を経てフリーに。風俗業やアダルトビデオ業界を長年にわたり取材、旺盛な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか

2019年07月29日 13時52分13秒 | 社会・文化・政治・経済


中村淳彦  (著)

商品の説明

内容紹介

〝その日暮らしは十分できます。
もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。
けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。
年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろうって〟

貧困は、経済的な貧しさ、病気、希薄な人間関係、孤独、救済制度の知識不足など、
ネガティブな要素が重なって深刻さが増していく。

特に、家賃が高く、地域の縁が薄い東京暮らしは、躓いて貧困に陥りやすい。

東京の貧困女子の苦境を聞きながら、なんとかならないかと何度も思ったが、
自己責任の言葉は止まらないので、状態はもっと悪化するとしか思えない。

無理解が蔓延する現状ではSOSを出しても、どこにも届かない可能性が高い。

いつ誰が転落するかわからない社会である以上、
貧困女子たちの声は誰にとっても他人事ではないはずだ。

どこかのタイミングで女性から中年男性にシフトチェンジするかもしれない。

私自身、取材で出会った彼女たちと遠くない未来の自分の姿がダブって怖くなった。

***

奨学金という名の数百万円の借金に苦しむ女子大生風俗嬢、
理不尽なパワハラ・セクハラが日常の職場で耐える派遣OL、
民間企業よりもひどい、まじめな女性ほど罠に陥る官製貧困、
明日の生活が見えない高学歴シングルマザー…。

貧困に喘ぐ彼女たちの心の叫びを「個人の物語」として丹念に聞き続けたノンフィクション。

東洋経済オンライン1億2000万PV突破の人気連載、待望の書籍化! 

いま日本で拡大しているアンダークラスの現状が克明に伝わってくる。

著者について

中村 淳彦(ナカムラ アツヒコ)
ノンフィクションライター
大学時代から20年以上、AV女優や風俗、介護など、貧困という社会問題をフィールドワークに取材・執筆を続けているノンフィクションライター。自分の価値観を持ち込むことなく、彼女たちが直面している現実を可視化するために、親からの虐待、精神疾患、借金、自傷、人身売買など、さまざまな過酷な話に、ひたすら耳を傾け続けている。著書に『AV女優消滅』(幻冬舎)、『崩壊する介護現場』(ベストセラーズ)、『日本の風俗嬢』(新潮社)、『女子大生風俗嬢』(朝日新聞出版)など多数。代表作に『名前のない女たち』シリーズ(宝島社)があり、劇場映画化される。本書のもととなる東洋経済オンラインの連載「貧困に喘ぐ女性の現実」は1億2000万PVを超える人気を博している。

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『東京貧困女子。――彼女たちはなぜ躓いたのか』(中村淳彦著、東洋経済新報社)の著者は、1990年代半ばから20年以上、AV女優や風俗の取材をしてきたというフリーライター。2006~2007年あたりから、「もしかして日本はおかしくなっているのではないか?」という違和感を抱くようになったそうだ。

 

自分のあられもない姿の映像を世間にさらして売るというリスクを抱えたAV女優に、「出演料が安すぎて、とても普通の生活ができない」という層が現れたというのだ。2000年代半ばから援助交際や売春の代金が大幅に下降し、体を売りたい女性が急増。その結果、価格が急降下したためだ。

 

人々が貧しくなる、お金がなくなることは恐ろしく、誰かを陥れるいがみ合いや犯罪が当たり前のように起こる。急激に景気が悪くなった裸の世界では、関係者が関係者を恐喝するみたいな事件が頻発して、私はウンザリして圧倒的な需要があると注目されていた介護事業所をはじめた。
介護という福祉事業に逃げれば、醜い諍いから逃れられると思っていたが、介護の世界はそれまで見たこともないような困窮した人々の巣窟だった。
介護福祉士という国家資格を持つ専門家が、行政の監視の下で手取り14万~16万円程度の低賃金で労働をさせられて、「ご利用者様のありがとうが報酬です。高齢者様に感謝しましょうね。みんな、本当に素晴らしい仕事に就けてよかったですね」などといった信じられないロジックが正論として定着していた。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)
そんな現実を目の当たりにしたことから、最終的に中村氏は介護職から身を引く。しかし、社会と隔絶されたAVや風俗業界というグレーゾーンビジネスの渦中で取材を繰り返し、そこを抜けてからも目先の介護に忙殺されたその経験が、中村氏の内部に「(本当に)日本がおかしくなっている」ことを実感させたというのだ。

 

3年間の取材で明らかになった貧困の現実

 

かくして「女性の貧困」を目の当たりにすることになった中村氏は、古くからの知り合いである女性編集者との再会をきっかけとして、2016年4月から東洋経済オンラインで「貧困に喘ぐ女性の現実」をスタートさせる。いうまでもなく、本書のもとになっている連載である。

 

この連載では、女性、特に単身女性とシングルマザーの貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて取材している。貧困に苦しむ読者からの取材申し込みを随時受け付けており、その中から取材先を選定している。(「まえがき――いったい女性たちになにが起こっているのか」より)
貧困は生まれや育ち、家庭環境、健康状態、雇用、政策や制度、個人や配偶者の性格、人格など、さまざまな要因が重なって起こるものだ。現実は十人十色であり、同じ事例が重なるようなものではないということ。

 

だからこそ、問題解決の糸口を見つけるためには、ここの生活をつぶさに見ることで真実を浮かび上がらせるしかないと中村氏は考えた。取材は3年間に及んだ。

 

国立大学医学部の現役女子大生、その現実

 

読んでみてまず衝撃的だったのは、最初に紹介される国立大学医学部に通う現役女子大生の事例だ。「お金のためにパパ活をし、それとは別に歌舞伎町の風俗店でも働いている」とだけ聞けば、多くの人は「欲しいものを買うためのお金が欲しいから、好きでやってるんじゃないの?」というようなイメージを抱くかもしれない。

 

パパ活というものにかねて不快感を覚えていた私も、最初はそう感じた。ところが現実は、もっとシビアなものだった。
父親は数年前にリストラされた。両親は非正規の共働きだ。世帯収入はせいぜい500万円程度で、弟が2人いるので「高校と大学、私立は絶対に無理」と母親に何度も言われていた。小学校時代から必死に勉強して挫折することなく、高偏差値をキープしている。
国立大学なので医学部でも学費は高くはない。入学金28万2000円、年間授業料53万5800円で、学費は日本学生支援機構の奨学金を借りている。学費は奨学金、そのほかの費用はアルバイトで稼いでほしいというのは両親の意向だ。
入学前は実家からの通学なのでなんとかなると思っていたが、体育会系の部活に所属したことと、教科書や雑費が予想以上に高額で、時間とお金が足りなくなった。(30~31ページより)
大学は朝9時の1限からで、部活は夕方から週2~3日。スーパーマーケットでもアルバイトをしているが、部活のない日にしかできない。ただし大学の同級生や友人はみな家庭が裕福なので、経済的な苦境は誰にも理解してもらえない。だが、勉強では味わえない達成感がある部活は、大学でも続けたかったのだそうだ。

 

ところが、すぐ経済的に苦しくなる。大学1年の夏に教材費がかさんだうえ部費の支払いがあったため、どれだけ節約しても3万円が足りない。親に頼んで乗り切ったものの、すぐに夏合宿が待っている。親にはもう頼めないと悩み、高額求人サイトで風俗の仕事を見つける。
無駄遣いしないし、なにも欲しいものはないし、部活をやって大学を留年しないで無事に卒業したいだけです。それだけ。やっぱり月3万円くらい、どうしても足りない。

風俗は気持ち悪くなってしまうので、本当はすごくやりたくない。やらなくていいなら、すぐに辞めたいです。なんていうか、自分がやっていることが気持ち悪い。自己嫌悪です。

全然知らない人と裸で寝ているとか変だし、おかしいことをしているなって。彼氏にも悪いし、なにもいいことはないです。(36ページより)
この女子大生の話を読んでいて、わかることがいくつかある。まずは、貧しい家庭環境にありながらもきちんと勉強し、学生としての本分を全うしようとしていること。そして、風俗に嫌悪感を持っていること。

 

それでもやらざるを得ないのは、唯一の心の拠り所になっている部活を続けたいからだ。それが、彼女をギリギリのところでつなぎとめていることが、文字を追っているだけでもわかる。

 

誹謗中傷で埋まったコメント欄
ところがこの取材記事が東洋経済オンラインに掲載されると、コメント欄が誹謗中傷で埋まったというのだ。

 

売春の是非は論点ではなく、国の未来を支える優秀な学生が望まない換金をするしか勉強を続けられない、という現実に問題があるのだ。日本に取り返しのつかない異変が起こりつつあることに、幸せな昭和を送った世代を中心に大多数は気づいていない。



選挙制を疑う

2019年07月29日 12時24分05秒 | 社会・文化・政治・経済
選挙制を疑う
 
 
商品の説明

 

議会の一つを抽選制にすることである。
つまり、選挙で選出される議会と抽選で選出される議会との「二重代議制」である。
抽選制の議会を組み込むことで、人々の政治参加の平等な機会が確保されるとともに、選挙での勝利やメディア受けに振り回されず公共の利益に基づく政治が可能になると、著者は説く。

内容紹介

減り続ける投票率、金や人脈がものを言う選挙戦。有力者の声しか反映されない政治に人々は背を向けるばかり。その解決策として、くじ引きで議員を選ぼうと訴えた本書は、欧米でベストセラーとなった。

じっさい多くの国では陪審制や裁判員制度が実施され、アイスランドではくじで選ばれた市民が憲法改正案を策定している。多数の実例に基づく著者の主張に、読者は深く共鳴することだろう。

出版社からのコメント

「読売新聞」(2019年5月19日付/坂井豊貴氏・評)に紹介されました。

「現代ビジネス」(2019年5月19日付/吉田徹氏・評)に紹介されました。

「朝日新聞」(2019年6月1日付/間宮陽介氏・評)に紹介されました。

「毎日新聞 風知草」(2019年6月17日付/山田孝男氏)に紹介されました。

「共同通信系地方紙」(品田裕氏・評)に紹介されました。

著者について

ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック(ヴァン レイブルック ダーヴィッド)
(David Van Reybrouck)
1971年,ベルギー王国生まれ。ルーヴェン・カトリック大学とケンブリッジ大学で考古学・哲学を専攻し,ライデン大学で博士号を取得。現在,作家として活躍し,ヨーロッパを代表する知識人の一人と目されている。 本書のほか,Congo. Een geschiedenis (De Bezige Bij, 2010) や Pleidooi voor populisme (De Bezige Bij, 2011) といった多数の作品を世に送りだし,数々の賞を獲得している。

岡﨑 晴輝(オカザキ セイキ)
1968年,茨城県生まれ。法政大学と国際基督教大学で政治学を専攻し,国際基督教大学で博士号を取得。現在,九州大学大学院法学研究院教授,放送大学客員教授。専門は政治理論・比較政治学。 主な著書に『与えあいのデモクラシー』(勁草書房,2004年)や『市民自治の知識と実践』(放送大学教育振興会,2015年,共編)などがある。また,主な共訳書に,キムリッカ『新版 現代政治理論』(日本経済評論社,2005年)やキムリッカ『土着語の政治』(法政大学出版局,2013年)などがある。

ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク(ヴァンオーヴェルベーク ディミトリ)
(Dimitri Vanoverbeke)
1969年,ベルギー王国生まれ。ルーヴェン・カトリック大学で日本学を専攻し,東京大学に留学後,ルーヴェン・カトリック大学で博士号を取得。現在,ルーヴェン・カトリック大学文学部教授。専門は法社会学,日本研究。 主な著書に Community and State in the Japanese Farm Village (Leuven University Press, 2003) や Juries in the Japanese Legal System (Routledge, 2015) などがある。


国産材をもっと!群馬県川場村に国産木材の製材施設がOPEN

2019年07月29日 11時40分59秒 | 社会・文化・政治・経済

群馬県・川場村「製材施設」

川場村木材コンビナート
丸太の製材施設完成 /群馬
毎日新聞2016年4月19
川場村が整備した「川場村木材コンビナート製材施設」(川場村生品)が完成した。利根沼田森林組合から年間2000立方メートル分の丸太を買い入れ、1次加工し、製品やチップにして販売する。
15日にあった完成式には、外山京太郎村長や関係者約70人が完成を祝った。
コンビナートは、敷地面積約9600平方

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株式会社OKUTA広報課のブログです。

LOHAS studioの取り組み、自然素材や自然の力を取り入れるpassiv designのすばらしさ、OKUTAのユニークな取り組みを広く知っていただくために今日もあちこち駆け回ります!

群馬県利根郡川場村に
「川場村木材コンビナート製材施設」がOPENし、
OKUTAの執行部や関係社員が式典に参加しました。

ここでは、9600㎡の敷地で木材の製材をしたり、
木質チップの製造をすることができます。

国産材の普及を願い活動しているOKUTAとしても、
このような施設が出来ることは大変喜ばしいことです。

NHKおはよう日本でも取り上げられたそうですよ。


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 OKUTAでも今後、
こちらで製材された木材を使用した建材を使用する予定です!

 ・・・
さて、式典の他にも、川場村の名所めぐりを♪
「関東好きな道の駅 5年連続第1位」の「田園プラザ川場」で地産土産や銘菓を見学。

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こちらの「ki・kori(きっこり)」という雑貨屋では、
川場の木を使った小物や家具を購入することができます。
OK-DEPOTのロハスオイルなどを取り扱っていただいております♪

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南北朝鮮時代に創建され、群馬二大官寺である「吉祥寺」にて
正式なお茶の席を体験したり・・・

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 創業明治19年の「永井酒造」を見学したり・・・

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半日で川場を堪能いたしました。
川場は綺麗な水と空気の恩恵を生かした名品が沢山!
皆さんも是非、川場村で国産材の魅力に触れてみてくださいね。

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関係者の皆さま、ありがとうございました!

 HandymanLOHAS CLUBLOHAS studioOK-DEPOTOKUTA|タグ: 


GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

2019年07月29日 11時19分07秒 | 社会・文化・政治・経済
 
アダム グラント (著), 楠木 建  (監訳)

商品の説明

内容紹介

全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の史上最年少終身教授でもあり、
気鋭の組織心理学者が教えるビジネスの成功の秘訣。

「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」

もっとも成功するのは誰だろう。

他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない?――それは大きな誤解だ。
これからは、他者志向の思いやりの発想とコミュニケーションが、あなたの仕事に大きな成功をもたらす。
リーダーシップ、営業、交渉、事業の立ち上げ、昇進まで……ありとあらゆるシーンで
この考え方が役に立つだろう。

一橋大学大学院教授・楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』『経営センスの論理』)の
監訳と解説で、日本初デビュー!
「世の“凡百のビジネス書”とは一線を画す一冊だ!」

内容(「BOOK」データベースより)

「ギブ&テイク」とは、この世の中を形成する当たりまえの原理原則に思える。しかしこれからの時代、その“常識”が果たして通用するのかどうか―著者の問題提起が、アメリカで大論議を巻き起こしている。

人間の3つのタイプである、ギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)。このそれぞれの特徴と可能性を分析したするどい視点。世界No.1ビジネス・スクール「ペンシルベニア大学ウォートン校」史上最年少終身教授、待望のデビュー作!!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

グラント,アダム
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう 

楠木/建
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授。経営学者。1964年東京生まれ。専門は競争とイノベーション(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


 
 

 



群馬県・高崎市子育てSOSサービス

2019年07月29日 10時32分21秒 | 社会・文化・政治・経済

妊娠期や就学前児童のいる家庭にヘルパーを派遣し、家事や育児の支援を行うことで保護者の育児に関する精神的・肉体的負担の軽減を図り、安心して育児や日常生活を営めることを目的としたサービスを提供します。

対象者

高崎市内に居住する、妊娠期の方及び就学前児童の保護者で、サービスを提供する時間帯において在宅している方です。

サービスの内容

 

 

www.city.takasaki.gunma.jp/docs/.../files/171-2.pdf

2019年7月1日 - 訪問サービスの費用は. 1時. 間250円です。利用時間は. 午前. 8時∼午後. 8時で、 利用. の申し込みは午前. 8時. 30分∼. 午後. 6時に、ご利用専用ダイ. ヤルへ。 子育て の心配ごとや悩みご. とを、保健師に電話で相談す. ることができます。


家事支援

  • 食事の準備及び後片付け
  • 居室などの掃除及び後片付け
  • 衣類の洗濯及び整理
  • 食料品、生活消耗品の買出し及び納付書による公共料金などの払込み

育児支援

育児支援では、授乳やおむつ交換、もく浴などの準備や後片付けなどのお手伝いを行います。

子育てに関する相談

日常生活における子育てに係る困りごとなどについて、ヘルパーや保健師が連携し対応します。電話での相談は、平日(月曜日から金曜日)午前8時30分から午後5時15分です。

サービスの利用について

  • 年末年始(12月29日から1月3日)を除く、午前8時から午後8時まで
  • 利用料金:1時間250円

申込方法について

受付専用ダイヤル:027-384-8009(午前8時30分から午後6時まで)

もしくは、ファクス(027-384-8006)へお申し込みください。なお、ファクスでの申込の場合は、申込内容の他に確認させていただきたい事項がありますので、専用ダイヤルに連絡をお願いします。

※キャンセルの場合は、必ずご利用時間の2時間前までに、専用ダイヤルへご連絡ください。

※利用にあたっての事前登録の必要はありません。

書式等ダウンロードリンク

ファクスによるお申込後は必ず専用ダイヤル(027-384-8009)に連絡をお願いします。(申込内容など確認させていただきます。)

このページの担当

  • 保育課
  •  
  • 電話:027-321-1246
  •  
  • ファクス:027-324-1849
www.city.takasaki.gunma.jp/docs/.../files/1515.pdf

2019年5月13日 - お店ぐるりんタクシーが6月1日から運行します・・・・P8. 6月1日 宇津木スタジアムがオープン・・・・・・・・・・・・P10. 家事や育児をお手伝い。頑張るお母さんを応援します. 子育てSOSサービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4. ボクの、ワタシの、成長調べ .


フランスの小説家フランソワーズ・サガン

2019年07月29日 10時10分07秒 | 社会・文化・政治・経済

フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan、1935年6月21日 - 2004年9月24日)は、フランス小説家脚本家。本名はフランソワーズ・コワレ(Françoise Quoirez)。

ペンネームは、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の登場人物 "Princesse de Sagan" から取られた。

ブラームスはお好き

ブラームスはお好き』(ブラームスはおすき、Aimez-vous Brahms? )は、1959年に発表されたフランス作家フランソワーズ・サガン作の小説。日本では朝吹登水子の訳で知られる。

概要

サガンがデビュー作『悲しみよこんにちは』(Bonjour Tristesse )から5年後の23歳の時に書いた作品。

ストーリーはパリを舞台に3人の男女が織りなす恋物語。

題名の「ブラームス」は作曲家のヨハネス・ブラームスのことで、「ブラームスはお好き」は、シモンがプレイエル・ホールでのコンサートにポールを誘う手紙の中で「ブラームスはお好きですか?」とさりげなく問う一文から。

あらすじ

若くして1度離婚した後、現在は装飾デザイナーの職につき経済的に自立した39歳の独身女性ポールが主人公。

互いに束縛せず、同棲もせず、お金の貸し借りもなし、という約束のもと、同じ独身の中年男性ロジェと交際を続けてきたポールはある日、若く心優しい25歳の青年シモンに出逢う。

ポールもロジェと同じく何をしても良いという約束だが、ロジェの気まぐれさに寂しさを感じ、でも約束のため言えず孤独だったポールは、ロジェを愛しながらもいつしかロジェとは正反対の繊細なタイプで、自分に積極的にアプローチしてくるシモンに少しずつ惹かれていく。時には寂しさに涙しながらも長い関係を築いてきたロジェか…、裏表のないストレートな気持ちで自分を求めて来る年下のシモンか…、ポールの心は揺れ動く。

それまでは仕事中心で他の若い女達と浮気をし、ポールをあまり省みなかったロジェは、シモンの存在を知り焦る。だが、約束で深入りせず、今の若い浮気相手のメージーとも関係を続ける。やがて、ポールとシモンは同棲を始めるが…。

映画化

1961年に『さよならをもう一度』(Goodbye Again)というタイトルで映画化されている。

さよならをもう一度
Goodbye Again(英語題名)
Aimez-vous Brahms?(フランス題)
監督 アナトール・リトヴァク
脚本 サミュエル・テイラー
原作 フランソワーズ・サガン
ブラームスはお好き
製作 アナトール・リトヴァク
出演者 イングリッド・バーグマン
イヴ・モンタン
アンソニー・パーキンス
音楽 ジョルジュ・オーリック
撮影 アルマン・ティラール
編集 バート・ベイツ
製作会社 アーガス・フィルム
マーキュリー・プロダクション
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1961年6月29日
フランスの旗 1961年6月29日
日本の旗 1961年10月25日
上映時間 120分


Françoise Sagan
Theatrorama Château en Suède.jpg
誕生 フランソワーズ・コワレ
Françoise Quoirez
1935年6月21日
フランスの旗 フランス共和国ロット県カルジャク
死没 2004年9月24日(69歳没)
フランスの旗 フランスカルヴァドス県オンフルール
職業 作家小説家劇作家脚本家映画監督作詞家
言語 フランス語
国籍 フランスの旗 フランス
最終学歴 ソルボンヌ大学
活動期間 1954年 - 1996年
代表作 悲しみよこんにちは』(1954年

悲しみよこんにちは

2019年07月29日 09時24分16秒 | 社会・文化・政治・経済

悲しみよこんにちは』(原題:Bonjour Tristesse[1])は、1958年公開のアメリカ合衆国イギリスの合作による映画。原作は1954年に発表されたフランスの作家フランソワーズ・サガンの同名小説『悲しみよこんにちは』。

悲しみよこんにちは
Bonjour Tristesse
Bonjour Tristesse film poster.jpg
  • 【映画パンフ】悲しみよこんにちは■デボラ・カー/ミレーヌ・ドモンジョ■スカラ座■昭和33年■1■190717■_画像1
監督 オットー・プレミンジャー
脚本 アーサー・ローレンツ
原作 フランソワーズ・サガン悲しみよこんにちは
製作 オットー・プレミンジャー
出演者

キャスト

音楽 ジョルジュ・オーリック
撮影 ジョルジュ・ペリナール
編集 ヘルガ・クランストン
配給 コロンビア映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1958年1月15日
日本の旗 1958年4月8日
上映時間 94分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語

ストーリー

裕福なプレイボーイのレイモンド(デヴィッド・ニーヴン)は、天真爛漫な娘のセシール(ジーン・セバーグ)と同居している。

彼が亡妻の親友だったアンヌ(デボラ・カー)と婚約していることを知ったセシールは、いまの生活が失われてしまうのではないかと恐れて、レイモンドとアンヌの仲を引き裂こうとする。

解説

フランスの女流作家、これを書いた当時は18歳だったフランソワーズ・サガンの原作を、「旅情」の原作者アーサー・ローレンツが脚色し、「黄金の腕」「軍法会議(1956)」のオットー・プレミンジャーが監督した、戦後フランスの若い世代の心理を、17歳の少女を主人公として描いた作品。

「チャタレー夫人の恋人」のジョルジュ・ペリナールのキャメラ、「ノートルダムのせむし男」のジョルジュ・オーリックの音楽という欧州側スタッフが起用され、原作の舞台である南仏リヴィエラ海岸とパリで撮影が行なわれた。プリントは黒白と色彩の両方を併用するという新手法が使われている。女主人公を演ずるのは、プレミンジャーに見出だされた新人ジーナ・セバーグ。

他に「めぐり逢い(1957)」のデボラ・カー「いとしの殿方」のデヴィッド・ニヴェン「女は一回勝負する」のミレーヌ・ドモンジョ「戦場にかける橋」のジョフリー・ホーンなどが主演。「陽はまた昇る」のジュリエット・グレコ「潮風のいたづら」のウォルター・チアリ等が助演する。タイトル・デザインは「八十日間世界一周」のサウル・バス、在パリ菅井汲の絵が画中に使われている。製作はプレミンジャー自身。

ストーリー

あの夏からは総てが変わった。何もかもが永遠に--1年前の夏、17歳の私は全く幸福だった。

海を見下ろす南仏セント・トラペッツの丘の別荘に私たちはいた。

母を15年前亡くした父レイモン(デイヴィッド・ニーヴン)と、父の愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と、私、セシール(ジーナ・セバーグ)の3人。父は41歳の事業家で、女にもて、親切で朗らかで、私を愛していた。半玄人でワンサ女優のエルザ、数多い父の女友達の...

やってきた。優雅な、洗練された、夫と離婚した中年の彼女。私たちの気楽な生活が、彼女の出現によって終わりそうなことを私は直感した。エルザが共に居ることを怒った彼女も、結局は私たちといっしょにくらすことになった。しかし、父とアンヌはだんだん親密になり、エルザと私は孤独になっていった。私にはまだフィリップがいたけれど、エルザがまず我慢出来なくなった。

カジノに行った夜。消えてしまった父とアンヌを探して、2人の囁きを暗闇の自動車の中に私が聞いた夜。エルザは私たちの所へ帰って来なかった。翌朝、父はアンヌとの結婚を打明けて私に賛成を求めた。中年の、恋を得た女性の美しさ。

それが私にはねたましかった。海辺のパラソルの下で、私はフィリップと激しい接吻に身をまかせた。それを、アンヌが見たのだ。激しい叱責、勉強のこと、フィリップと会ってはならぬこと、将来のこと等々。

けれど、私はもう子供じゃないのだ。父をかえ、私までかえようとするアンヌ、大嫌いな女。私は彼女の詰問にあって、夜の部屋をとび出した。裸で眠っていたフィリップの部屋で、私は初めて彼の激しい愛撫におぼれた。私は復讐の片棒をエルザにかつがせた。フィリップと彼女の連れだった姿を見せつけて、父の嫉妬をかきたてようというのだ。計画はやがて実を結んだ。

その日の昼すぎ、父は人に会うのだと外出した。やがて散歩に出たアンヌのあとを私はつけた。そして、木陰で聞いた父とエルザの忍び笑い。アンヌは家の方に向かって走った。彼女は涙を流していた。そんな彼女を、今までどうして私は想像しえたろう。待って、アンヌ、許して--すがる私に、彼女は接吻して、自動車を猛烈なスピードでスタートさせ、走り去った。

自動車が崖から落ちて、彼女が死んだことが知らされたのはその日の午後だった。この夏7回目の運転事故として。--エルザは南米に行き、フィリップとは葬式以来会っていない。残った父と私。あの時から、どの日も私にとって暗い。夢の中でアンヌを呼び、また意味のない1日を迎えようとする朝、私はつぶやく、悲しみよ、こんにちはと。...