創作 中国娘・露露の日本語教師に

2021年09月16日 19時31分17秒 | 創作欄

心に二人だけの秘め事ができていた。
「何故、土曜日に来なかったの?」彼女の口調は、彼のことをそれほど責めるほどではなかった。
「急用でね」弁解してみたが、「噓うでしょう。言い訳は聞きたくないないの」彼女は背を向け、彼の抱擁を拒んだ。
「急用」という見え透いた弁解が、彼女の感情を乱したのだろう。
「今日は、その気になれないの。このまま帰って」彼女の力のこもった手に背を押されて、彼は部屋に留まれなくなる。
道路からマンションの2階を振り返るとカーテン越しに彼女の陰影が見えた。

「別れが来たな」彼は覚悟を決めて駅へ向かいながら、数年前の中国の北京から来た露露(ロウロウ)との交情が思い出された。
露露から勤務先に電話があり、「池袋のパブから新宿歌舞伎町の韓国料理店に移転したので来て欲しい」言うのだ。
彼は露露との仲を色恋沙汰としたくなかったのだ。
それは、彼の信仰上の問題が大きく投影していたからだ。

「約束したのに、センセイ、どうして、どうしてですか?」心優しい露露だから、その問いかけは耳に強く響くものではなかった。
「仕事が忙しくてね」弁解に過ぎなかった。

露露との出会いは池袋のパブであった。
いわゆる、客との了解のもとで、ホステスたちは売春行為をしていた。
友人二人は店からホステスと同伴でホテルへ向かう。
だが、露露は「私はあの人たちと違います」と自らの立場を言明する。
彼は金で女を抱くことを忌んでいたので、女を喫茶店に誘う。
「わたし、ロウロウです」と喫茶店で改めて名乗り「センセイ、わたしに日本語教えてください」と彼女が懇願する。
彼は、露露の日本語教師としての資質があるわかではなかった。
そこで、その方面の書物を3冊買い込む。
さらに、中国の文化を知りたいと4冊の本にも眼を通した。
彼は真剣であり、生真面目で誠実な男に徹する。
後楽園遊園地のフェンスに沿って歩いていった時のことである。
「センセイ、結婚しているのですか?」と彼は露露に問われた。
「ええ」
「なぜ、今までセンセイ黙ってました」露露の表情が険しくなった。
彼は弁解するつもりはなかったが、「この年齢(38歳)だから、普通の男であれば、結婚しています」彼は、暗黙の了解と言おうとしたが、」露露の日本語力に対して、詳細に説明のしようもないと想った。
「露露、日本の男と結婚したいのですか?」
「はい、結婚したいです。できれば、誰かと。先生いませんか?」
「私が独身ならね、残念」それは彼の本心ではなあった。
「わたしも、とても、残念です」
「露露が結婚したら、呼んでください。行きますよ」
「センセイ、北京に来ますか?」露露は目を輝かせた。
「はい。一度行きましょう」
「いつのことになるか」露露はうつむいた。
彼は、白山通りに出てタクシーを停め転手に「銀座へ」と告げた。
「どこへ行きます。センセイ」
「露露に何か、買ってあげたいと思います」
「わたしに、とても、とても、嬉しいです」」露露は満面笑みとなる。
スーツのポケットには、後楽園の場外の競馬で勝った70万円余の金があった。
実は、露露が28歳なので2-8の馬券を試しに買ったら1万円が70万を超える配当になっていた。
露露にハンドバックを買ってあげたいと思った。


  ホーム野球中畑清氏 阪神・佐藤輝に「張本さんがジレンマ持っているんじゃないか」

2021年09月16日 18時48分16秒 | 野球

2021.05.02
中畑清氏 阪神・佐藤輝に「張本さんがジレンマ持っているんじゃないか」

  中畑清氏

 元DeNA監督で野球評論家の中畑清氏が2日、TBS系「サンデーモーニング」にリモート出演。阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の打撃について、野球評論家・張本勲氏に意見を求めた。
 中畑氏は「佐藤輝に対して、張本さんがジレンマを持っているんじゃないかと。打撃フォームやタイミングの作り方を見て、あれじゃあ打ち切れないんじゃないかって。なぜアドバイスしないんだと言ってる姿が目に浮かぶ」と張本氏の心中を推察した。

 その理由について、巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜を例に挙げ「足の上げ方とすり足に変えるタイミングの作り方で、松井秀喜も変わった。
1本足からすり足に変えて。それは張本さんが提言してくれた」と説明。
「間違いなく、佐藤輝はすり足に変えるタイミングに変えたらとんでもない選手になる。彼のバッティングを見ながら、背中に張本さんが守護霊のようにいる。どうですか張本さん?」と、リモートの張本氏に質問した。
 話を受けた張本氏は「私の一押し選手だけどね。ちょっと変えれば歴史的な選手になる。スタンス、ステップが素晴らしい。中畑が言ったように足の上げ方が中途半端。タイミングが取りにくい。上げるか上げないか」と次々に指摘。司会の関口宏が「映像がないので分かりにくい」と大慌てする中、張本氏は止まらず「今は子どもからプロまで、10人のうち9人が足を上げる。簡単に打てるから。ただタイミングが難しい。佐藤はこれだけ。タイミングさえ取れれば常時40~50本は打てるでしょう」と力を込めた。


阪神・平田2軍監督 3三振の佐藤輝について「三振することをどう思うとかじゃない」

2021年09月16日 18時40分34秒 | 野球

8回、三振に倒れベンチに戻る佐藤輝。右は選手交代を告げに向かう平田2軍監督(撮影・高部洋祐)

 8回、三振に倒れ悔しがる佐藤輝(撮影・高部洋祐)  6回、佐藤輝は空振り三振に倒れる(撮影・山口登) 3枚


 「ウエスタン、阪神1-5ソフトバンク」(15日、甲子園球場)


 阪神2軍は、首位を争うソフトバンクに敗れて、ファーム記録の連勝が18でストップ。2位転落となった。
 ただ、「みんな集中力持ってやってくれていた」と平田2軍監督。4打数無安打3三振だった佐藤輝については、「三振することをどう思うとかじゃないし、そのためにいまファームでやってるんだから」と完全復調への道のりを見守る考えを語った。

 平田2軍監督の一問一答は以下の通り。
 -連勝ストップ。
 「最後まで粘ってあと一押しというところまで行って。ゲーム的にもみんな集中力持ってやってくれていたので、明日切り替えてやるっていうことだけ」

 -ソフトバンクに首位を譲った。
 「結果的にはそうだけど、これで選手たちもまた奮起(して)、明日のゲームもまた楽しみ。(相手先発)杉山だしな。球の速いピッチャーだし、明日またそういうバッティングしてくれるから。そういった意味では全然。たまたま今日負けた。何のあれもない」
 -先発の二保は。
 「間も空いたしね。立ち上がり、4番のバッターもちょっと分からない、手探りなところもあったので、一発食らったあとはよく粘ってたけどね。しょうがない」
 -次回登板も先発。
 「そうじゃない」
 -間を空ける。
 「間も何もおらんやんピッチャー。次の由宇からで投げなきゃいけないんじゃない。知らんで、あんちゃん(安藤コーチ)に聞いて」
 -打線はチャンスを活かしきれなかった。
 「(佐藤)輝もまだまだ調子上げていってくれれば良いし、陽川がちょっと当たってきたかな。そういったところでは別に良いピッチャーが来たら、ソフトバンクとかね、そうはいかん」
 -陽川のバッティングは投手によって狙いが違った。
 「たまたま。ただ、コースに逆らわずにストレートに力負けしないバッティングをしていたので、その辺は調子上がってくればいいかなという感じだよね」

 -佐藤輝の打撃フォームは変わった。
 「知らない、日高とやってんじゃない。いろいろ試行錯誤してやってるので、その辺は分からん」
 -3三振だったが。
「別にいいんじゃないの。三振することをどう思うとかじゃないし、そのために今ファームでやってるんだから。それはもう、また練習するなり、10日間どっちしにしても上がれないんだから。今いろんなところを足の上げ方とかバットの位置とかやってるんだから。そこは全然、気にもしてない」
 -北條が心配。
 「うーん、それが心配やな。メンバー人数がいないのでね。今トレーナーがチェックしてると思うんだけど。北條が故障か、どうかなというとこやね」
 -病院には。
 「それは、トレーナーがあれしてるんじゃないかな」
 -左肩。
 「詳しくはまだ聞いてないのよ。前もやったことがあるらしいわ。ガッと引っかかったわけ。どうか分からん」
 -ベンチにかえったときは。
 「そんなきつい感じじゃなかった。でも前にやってて北條が我慢強い、痛みに強い子だから、やっぱり交代しなきゃいけないということは。痛くないわけない」

 -16日は藤浪が先発。
 「これまた晋太郎(藤浪)がファームで杉山と投げ合いで。どうかというところでは、非常にまた楽しみになってくるね」
 -1軍も首位攻防戦。
 「きのうの9回の同点のマルテのホームランなんてさ、やっぱりああいうところで1位にいるチームだなと思うよ。四球、四球でボカーンだろ。それまで拙攻が続いていたとは言いながらも、あそこでホームランが出るというのは4番としての最後の、あれは見事だな。やっぱり見てて粘りというのは感じるもんね」
 -ファームも粘りがほしい。
 「ファームは関係ない。ファームは自分たちが1軍の選手見たってホームラン打ったからって喜ぶやつなんかおらんよ」
 -首位攻防戦という意味では共通するが。
 「一緒にしちゃいかんよ。19連勝したら1軍のあれとはレベルが違うんだから。そこはまあ緊張感があるのはいい。それはいいねん。ただ『首位攻防戦』の意味合いが違うからね。みんな気を抜くことなくしっかり守って、ただ結果が負けたというだけで。そこは明日どういうゲームを晋太郎がピッチングしてくれるか。また明日の切り替え。杉山をどうやって打つか。明日、輝がバーンて打つかもしれん」

10日間 三振 佐藤輝 かじゃ 19連勝 ファーム 平田 杉山

 


TG戦の甲子園で応援トラブル“挑発行為”はマナー違反 退場、座席移動も「選択肢」

2021年09月16日 18時37分57秒 | 野球

甲子園球場

 9日に甲子園球場で行われた阪神-巨人でファンによる応援トラブルが発生。右翼席から「帰れコール」がこだまする一幕があった。
 トラブルは五回のイニング間に発生。阪神ファンが陣取る右翼席に巨人のユニホームを着たファンが混じり、大声を張り上げるなどしたことで周囲の阪神ファンが反応したとみられる。
 阪神甲子園球場の公式ホームページには観戦マナーとして、ルールを明記。レフトビジター専用応援席については「阪神タイガースを含む、試合当日のビジター球団以外の応援行為・服装の着用・応援グッズの使用を禁止いたします」と触れられている。甲子園球場の説明によると、ホームチーム側については「(相手側の)ユニホームを着てはいけないというのは現状ありません」という。

 ただ、同様にホームページでは「阪神タイガース主催試合において、チーム及びファンを挑発、冒涜する行為(各チームのマスコットグッズを損壊したり、引きずったり、踏みつける等)は、トラブルの原因となりますので、お止めください」と記述。今回のケースでは警備員だけでなく警察官も駆けつける事態にまで発展した。
 プロ野球12球団は「試合観戦契約約款」を設けており、「試合の円滑な進行又は他の観客の観戦を妨げ又は妨げる虞のある行為」は禁止事項とされている。トラブルの状況次第では退場や座席移動を指示することもあり、甲子園球場も「挑発行為だけではありませんが、(トラブル発生の場合)選択肢としてはそういうこともございます」と説明した。
 阪神ファンはより熱狂的なことで知られるが、近年の甲子園では引退間近の巨人・阿部(現2軍監督)に“慎之助コール”を送るなど、相手チームに敬意を示すことも少なくない。ホーム側もビジター側も、“最低限”の観戦マナーを知っていくことも求められる。
退場 移動 阪神甲子園球場 選択肢 マナー違反 座席 トラブル 阪神ファン

 
TG戦の甲子園で応援トラブル“挑発行為”はマナー違反 退場、座席移動も「選択肢」

  甲子園球場
拡大
 9日に甲子園球場で行われた阪神-巨人でファンによる応援トラブルが発生。右翼席から「帰れコール」がこだまする一幕があった。
 トラブルは五回のイニング間に発生。阪神ファンが陣取る右翼席に巨人のユニホームを着たファンが混じり、大声を張り上げるなどしたことで周囲の阪神ファンが反応したとみられる。
 阪神甲子園球場の公式ホームページには観戦マナーとして、ルールを明記。レフトビジター専用応援席については「阪神タイガースを含む、試合当日のビジター球団以外の応援行為・服装の着用・応援グッズの使用を禁止いたします」と触れられている。甲子園球場の説明によると、ホームチーム側については「(相手側の)ユニホームを着てはいけないというのは現状ありません」という。

 ただ、同様にホームページでは「阪神タイガース主催試合において、チーム及びファンを挑発、冒涜する行為(各チームのマスコットグッズを損壊したり、引きずったり、踏みつける等)は、トラブルの原因となりますので、お止めください」と記述。今回のケースでは警備員だけでなく警察官も駆けつける事態にまで発展した。
 プロ野球12球団は「試合観戦契約約款」を設けており、「試合の円滑な進行又は他の観客の観戦を妨げ又は妨げる虞のある行為」は禁止事項とされている。トラブルの状況次第では退場や座席移動を指示することもあり、甲子園球場も「挑発行為だけではありませんが、(トラブル発生の場合)選択肢としてはそういうこともございます」と説明した。
 阪神ファンはより熱狂的なことで知られるが、近年の甲子園では引退間近の巨人・阿部(現2軍監督)に“慎之助コール”を送るなど、相手チームに敬意を示すことも少なくない。ホーム側もビジター側も、“最低限”の観戦マナーを知っていくことも求められる。
退場 移動 阪神甲子園球場 選択肢 マナー違反 座席 トラブル 阪神ファン

 


阪神 来季から甲子園など右翼席「阪神専用応援席」に指定 巨人戦では“帰れコール”

2021年09月16日 18時29分21秒 | 野球

9/16(木) 14:18配信

デイリースポーツ

 甲子園球場

 阪神は16日、2022年シーズンから、主催試合における、ライト外野席を「阪神タイガース専用応援席」とすることを発表した。
阪神主催試合の甲子園、京セラドームのライト外野席が対象の席種となる。

 これにより、対象の座席で阪神タイガース以外の応援行為及び、他球団の帽子や服装の着用・応援グッズの使用は禁止となる。
規則を守らなければ退場となる場合もあり、入場券の払い戻しも行われない。

 7月9日の巨人戦(甲子園)では、右翼席から虎党の“帰れコール”が球場に響き渡り、騒然とする場面があった。この時は巨人のユニホームを着た観客が警備員に連れ去られる様子が見られ、両軍のファン同士でトラブルがあったと思われる。

 なお、今シーズンは現行の観戦規則のままとなる。

【関連記事】


【阪神】サンズ 勝負を分けた8回満塁の場面

2021年09月16日 18時24分50秒 | 野球

9/16(木) 11:33配信

<9月15日 ヤクルト 1-0 阪神 @神宮球場>

首位の阪神は1点を追う8回、満塁のチャンスでヤクルト戦に強いサンズ(33)が打席へ。

しかしここをものにできず、3試合ぶりの勝利とはならなかった。

■責任投手
【勝投手】 小川(8勝4敗)
【敗投手】 伊藤将(7勝7敗)
【セーブ】 マクガフ(20セ)
■バッテリー
【阪神】 伊藤将、小川、岩崎 ‐ 梅野
【東京ヤクルト】 小川、清水、マクガフ ‐ 古賀
■本塁打
【阪神】 
【東京ヤクルト】

テレビ東京/追跡LIVE!SPORTSウォッチャー

【関連記事】


藤井聡太の「1ヵ月に11局」はどれぐらい多忙? 将棋界のハードスケジュールを考察する

2021年09月16日 18時13分58秒 | 社会・文化・政治・経済

9/16(木) 11:12配信

文春オンライン
 藤井聡太の勢いが止まらない。お~いお茶杯王位戦と叡王戦では豊島将之竜王とのダブルタイトルマッチを制して自身初の三冠に。さらに竜王戦挑戦者決定戦で永瀬拓矢王座を下して、こちらでも豊島との七番勝負が始まる。王将リーグにも復帰しており、目下のところ、指す将棋をすべて勝っているような状況である。

【写真】藤井聡太三冠とレジェンド棋士の写真(7枚)をすべて見る

1対局に最低3日は用意したいところだが…

藤井聡太三冠 写真提供:日本将棋連盟

 そうなると、心配されるのはハードスケジュールだ。勝てば勝つほど忙しくなるのが将棋界の常なので、こればかりは仕方がないところだが、外野が気をもんでしまうところでもある。

 筆者がいろいろな棋士に見聞きした限りでは、対局前日は空白にして翌日に備える。そして、対局翌日は疲労でほとんど使い物にならない、というケースが多いようである。無論、その対局に要した時間などでも状況は変わってくるだろうが、当日を含めて1対局に最低3日は用意したいというのが棋士のリズムだろう。

 そうなると、1週間に2局以上指すペースはハードスケジュールと言えそうだ。最近の藤井は6月が7局、7月が7局、8月が9局、9月が叡王戦第5局終了時点で2局(未放映のテレビ棋戦を除く)となっている。この数字だけを見るとハードスケジュール一歩手前という感じだが、この夏の藤井はタイトル戦の対局が多かったため、1局に拘束される日数がより多くなっている。さらには、公式戦ではないとはいえ、ABEMAトーナメントの生放送もあった。

 将棋界におけるハードスケジュールについて、改めて考えてみたい。

現在のタイトルホルダーの月間最多対局数
 まず、現在のタイトルホルダー4名がもっとも忙しかった1ヵ月というのはいつだったのだろうか。それぞれの月間最多対局数及び勝敗、それを記録した年月は以下の通りである。

・渡辺明名人=8局
 2008年12月(6勝2敗)、2020年2月(4勝4敗)
・豊島将之竜王=9局
 2018年3月、6勝3敗
・藤井聡太三冠=11局
 2020年7月、9勝2敗
・永瀬拓矢王座=9局
 2020年10月、7勝2敗(同年9月に8局指し、4勝4敗)

 こう見ると藤井の月間11局というのは出色だ。ちなみに敗戦2つの内訳は、棋聖戦第3局で渡辺に喫したものと、竜王戦決勝トーナメントで丸山忠久九段に敗れたものである。棋聖戦と同時進行の王位戦でも木村一基王位(当時)に2連勝し、二冠確保の橋頭堡を築いていた。この間、連戦が1度、中1日対局が2度、そしてTV棋戦収録による1日2局が一度あった。

渡辺、豊島、永瀬のハードスケジュール
 渡辺の08年12月は、初代永世竜王をかけて羽生善治九段と死闘を繰り広げていたときだ。3連敗のがけっぷちから一番を返して、この12月を迎えた。果たして3連敗からの4連勝という大逆転で竜王を死守し、永世竜王の資格を得た。この防衛で力を使い果たしたわけでもないだろうが、12月の2敗は竜王戦終了後の2連敗である。

 そして20年2月は勝敗だけ見ると平凡だが、対局の内訳は王将戦七番勝負の対広瀬章人八段戦(1勝1敗)、棋王戦五番勝負の対本田奎五段戦(1勝1敗)、叡王戦挑戦者決定戦三番勝負の対豊島竜王戦(1勝2敗)、順位戦A級の対三浦弘行九段戦(1勝)と、ものすごく濃密な一月である。そして、叡王戦の挑戦こそ逃したが、王将と棋王はいずれも翌月に防衛を決め、A級では名人挑戦を果たしている。

 豊島の18年3月は、伝説の順位戦A級6者プレーオフが行われた時である。A級初参加の豊島は6勝4敗(この期は11人リーグ)と勝ち越しで終えたが、6勝4敗は豊島を含めて計6名いた。名人挑戦者を決めるプレーオフは3人以上だとパラマス形式で行われるため、順位が最も下位である豊島は、挑戦権に至るまでは「5人抜き」の必要があった。A級の猛者を相手にである。

 それでも久保利明、佐藤康光、広瀬章人の強敵を連破したが、4局目で羽生善治に屈し、名人挑戦はならなかった。また、この3月は並行して久保との王将戦も戦っていたが、こちらも敗れてタイトル奪取はならず。豊島が自身の悲願を実現したのは、この4ヵ月後だった。

 20年秋の永瀬は、まずコロナ禍の影響やタイトル戦史上初の2局連続持将棋などもあり、叡王戦を長期にわたって戦うことになった。七番勝負が第9局にて決着を見たのが9月。そして叡王戦と入れ替わる形で始まった王座戦五番勝負でもフルセットの死闘となり、からくも久保利明を下している。そして10月には、王将戦の挑戦者決定戦リーグが3局あったのも大きい。その結果は2勝1敗だが、藤井聡太を下したのが大きかったか、自身初となる王将挑戦に結びつけている。一連のハードスケジュールについて「表現を求められたら、精神修行、としか言いようがないですね」と語ったのが永瀬らしい。

息つく間もなく死闘が繰り広げられた2000年度の羽生
 では「過去に最もハードスケジュールだったのは?」と考えると、まず思いつくのが年間最多対局の89局(68勝21敗)を記録した2000年度の羽生である。中でも7~9月の3ヵ月が凄まじい。

・7月、10局(連戦が1度、中1日が2度)8勝2敗
・8月、11局(連戦が1度、中1日が5度)9勝2敗
・9月、11局(連戦が2度、中1日が2度)8勝3敗

 上記ではいずれにも含んでいないが、8月31日と9月1日も連戦している、そして7月31日と8月2日を中1日で指している。この間、棋聖戦と王位戦ではいずれも谷川浩司九段を相手にフルセットの激戦を繰り広げ、挑戦者決定トーナメントを勝ち上がった竜王戦では佐藤康光九段と挑戦者決定戦を争い、谷川との死闘が終わったと思ったら息をつく間もなく、藤井猛九段との王座戦及び竜王戦の十二番勝負が始まるという按配である。

藤井聡太が最も破りにくい羽生の記録
 ちなみに、羽生は自身が持つ記録の中で藤井聡太が最も破りにくいであろう記録として、この年の年間89局を挙げている。その理由は、現在なくなっているオールスター勝ち抜き戦の存在だ。勝てば勝つほど対局が増えるこの棋戦で、この年の羽生は16連勝を達成しているが、上記の7~9月の3ヵ月で8つの白星を稼いでいる。

 今年度ここまで31局(26勝5敗)の藤井が今後、年度末までにどこまで対局を積み重ねられるかを概算してみたが、最大でも50局ちょっとなので、89局には至らなそうである。

 なお、羽生九段は、藤井が対局数を破れないであろう理由のもう一つに「タイトル保持者となったので予選を指す機会がない」ことを挙げているが、当時の羽生が予選と名のつく対局を指した回数は「ゼロ」なので、こちらはちょっと説得力がない。

 そして、過去の年間80局を達成した棋士と、その中で一月に10局以上指した例は以下の通りだ。

・米長邦雄、1980年度、88局(55勝32敗1持将棋)
 7月、10局、7勝3敗
・谷川浩司、1985年度、86局(56勝30敗)
 11月、12局(連戦が2度、中1日が3度)、6勝6敗
 12月、10局(連戦が2度)、6勝4敗
・佐藤康光、2006年度、86局(57勝29敗)
 12月、10局(連戦が1度、中1日が5度)、5勝5敗
・中原誠、1982年度、82局(52勝30敗)
 12月、12局(連戦が2度、中1日が5度)、6勝6敗
・羽生善治、1988年度、80局(64勝16敗)
 月10局以上は1度もなし

忙しすぎて大みそかに対局が組まれた谷川
 歴史に名を残す名棋士ばかりだが、さすがに月間10局を超えると負担も大きいのか、高勝率を挙げるというわけにはいかない。だが、月間12勝1敗というとんでもない成績が残っている。1991年12月の谷川だ。

 当時の谷川は、森下卓九段が挑戦してきた竜王戦七番勝負の防衛戦(12月だけで3勝0敗)を戦うと同時に、当時は年2期制だった棋聖戦五番勝負でも南芳一棋聖(当時)に挑戦し、こちらも2勝0敗。さらに王将リーグでも2勝して(リーグ成績は4勝2敗)、中原誠十六世名人とのプレーオフに持ち込んだ。

 プレーオフが行われたのは、なんと12月31日。いうまでもなく谷川がハードスケジュール過ぎて、この日以外に対局がつけられなかったのである。将棋の公式戦が大みそかに行われたのは前代未聞で、その後もイベントが行われたことはあったが、公式戦の大みそか対局はない。

 この大みそか対局は王将戦の挑戦権だけでなく、谷川の通算600勝と中原の通算1000勝が同時に掛かっていたという意味でも大一番だった。結果は谷川が勝って王将挑戦を決めたが、「大みそかに取材に来る羽目になるとは……」とボヤいていた方が多かったらしいというのは、筆者が先輩記者に聞いた話である。

月間の対局数ではさらに上が
 谷川の月間12勝は、羽生の年間89局68勝に匹敵するほどの不滅の記録と言えそうだが、月間の対局数ではさらに上がいる。1975年12月の大山康晴十五世名人だ。なんと15局(9勝6敗)も対局がついているのである。そのうちの1局は大山の不戦勝だが、対局が予定されていたことには違いない。

 中でも12月9日がすさまじい。この日は午前中に東京の芝公園スタジオで行われていた早指し選手権で真部一男四段(当時)を破ると、午後には赤坂のホテルオークラに移って名将戦決勝三番勝負の第3局を中原名人と戦っているのである。さすがに対中原戦は敗れているが、早指し選手権の対局開始が午前10時37分で、終局が午前11時40分。そして名将戦の対局開始が午後1時半で終局が午後5時50分。現在でも持ち時間の短い棋戦を連闘することはあるが、まったく異なる棋戦を同一の日に行ったのはこの時の大山くらいだろう。

戦っていたタイトル戦番勝負は十段戦(竜王戦の前身棋戦)と棋聖戦、そして王将リーグでプレーオフにもつれこんだというのは前述の谷川と同一のケースだ。大山の場合は、大みそか対局こそないが、18日に順位戦A級を指すと、19日に王将リーグ。これが不戦勝の1局だが、以降は21日、23日、25日、27日、29日と中1日の対局を5連闘(3勝2敗)である。十段戦は中原相手に0勝4敗で負かされていた(12日に決着)が、ここで1勝でもしていたら、それこそ対局のつけようがなかったのではなかろうか。

 谷川の91年は75局(53勝22敗)、大山の75年は73局(48勝25敗)と、年間対局数としては多いほうだが、80局には至っていない。それでもこのような超ハードスケジュールの月が出てきてしまった。当時の大山は、まだ日本将棋連盟の会長にこそなっていなかったものの、現在の将棋会館の「将棋会館建設委員長」も務めていた。一体どうやって時間を作っていたのだろうか。まさに超人である。

今後、藤井に求められる「将棋界の顔」としての働き
 現在の藤井聡太に話を戻すが、師匠の杉本昌隆八段に聞いた限りでは、将棋以外の仕事はほとんど入れていないそうである。ただこれからも勝ち続ければ、今以上に「将棋界の顔」としての働きが求められるであろうことは容易に想像がつく。コロナ禍が収まれば、将棋まつりなどのイベントも復活することが予想され、そちらへの出席も求められるだろう。

 そして、現在のプロ将棋は、昭和あるいは平成時代の将棋と比べて、特に事前の準備が求められている。ただでさえ多忙な中でどうやって研究時間をひねり出すか。凡人からみると勝てば勝つほど悩みは尽きなそうだが、そのようなことを考える時間も藤井にとっては楽しいひと時なのかもしれない。

※藤井聡太三冠の2021年8月の対局数を「8局」としておりましたが、正しくは「9局」です。お詫びして訂正いたします(2021年9月16日18時追記)。

相崎 修司

【関連記事】


ワクチン接種で「集団免疫」見えてきたか

2021年09月16日 13時00分48秒 | 医科・歯科・介護

「人流抑制一辺倒では永遠に元の生活に戻ることはできない」村中璃子氏が指摘
9/16(木) 16:56配信

夕刊フジ

ワクチン浸透に貢献している自衛隊の大規模接種センター

 東京都は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が1052人だったと発表、24日連続で前週の同じ曜日を下回った。このところの激減の理由について、多くの専門家がはっきりとした見解を示せていないが、「緊急事態宣言の成果よりもワクチンの効果を積極的に評価すべきだ」と強調するのは独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で医師の村中璃子氏だ。人口の約52%が2回接種を終え、「ワクチンによる集団免疫が見え始めている」と指摘する。

【表で比較】3社のコロナワクチンの特徴

 集団免疫とは、ワクチン接種や感染により抗体を持つ人の割合が増えることにより、流行の爆発を回避できるようになる状態を指す。

 村中氏は「60~70%のワクチン接種率で初めて集団免疫が成立し、感染が沈静化すると思われがちだが、集団免疫の効果は30%程度から『感染者や重症者が増えにくい』などといった形で実感され始めるのが普通だ。厳密には、マスクや行動制限がなくても1人が何人に感染させるかの指標である実効再生産数が1以下になることが『集団免疫の確立』の定義だが、日本ではこの点が逆説的に捉えられている」と解説する。

 2回接種率が人口の半数を超えた今でも、デルタ株の蔓延(まんえん)で接種していても感染する「ブレークスルー感染」を懸念するなど、「ワクチン頼み」は批判されがちだ。政府分科会の尾身茂会長も「ワクチンはかなり有効だが、何でも自由になるということはあり得ない」と述べている。

 こうした状況は「接種控えを助長しかねない」と懸念する村中氏。政府や専門家のメッセージの出し方も日本と海外では大きな差があるという。

 「日本では、接種率が上がっても集団免疫はできないので元の生活はできないといわれるが、欧米では逆に、元の生活に戻るためには1人でも多くが接種し、集団免疫を成立させることが必須だとアナウンスしている」という。

 北欧のデンマークでは今月6日、新型コロナに関連した行動制限を全面的に撤廃した。当時の接種率は72%(医療関係者99%以上、50歳以上は95%)で、接種対象者であっても若年層では12~15歳では基礎疾患のある人以外、推奨はされていない。「強力な集団免疫が期待できる現状では、若年層のコロナは『普通のかぜ』であるとして、感染をある程度許容していくことも呼びかけられている」と村中氏。

 国内では19都道府県で緊急事態宣言が今月末まで延長されているが、村中氏は「人流抑制一辺倒では永遠に元の生活に戻ることはできない」と訴える。「国はリーダーシップを取り、世代別の接種率など具体的な数値目標に沿った緩和内容を提示していくべきだ」

【関連記事】


小文間方面などへ行く

2021年09月16日 13時00分48秒 | 日記・断片

佐々田さんと午前10時に待ち合わせをして、取手1丁目と2丁目方面を回る。
飯田さんの知人宅などである。
ついで、取手東病院の周辺や旧水戸街道沿いや小文間小学校周辺を訪問した。
小文間は高低差が激しく、急坂や急カーブの道が多かった。
1軒の歯科医院も訪問した。
休診であり、診療所に隣接する豪邸を訪問する。
湧き立つ雲は深まる秋気配である。
花壇の花、田圃などの写真を写した。
来週の月曜日は、大森さんを誘い、埼玉方面へ行く予定だ。

 


医師が解説ブレイクスルー感染「ワクチンは既知の変異株にも有効」

2021年09月16日 12時22分58秒 | その気になる言葉

9/16(木) 11:07配信

女性自身

重症者の対応をする医療従事者(写真:共同通信)

2回ワクチンを接種したにもかかわらず、新型コロナに感染するブレイクスルー感染。「2回接種して、油断もなかったのに……なぜ」に、専門医が解説ーー!

【写真あり】ワクチンを打つ女性。2回接種しても感染リスクはある

「9月7日に、福井県で報告された病院クラスターでは、感染者10人のうち、7人がワクチン接種を完了していました。札幌の老人ホームでも、入居者25人中24人がワクチン接種を2回済ませていたにもかかわらず、入居者6人の感染が判明したばかりです」(医療ジャーナリスト)

新型コロナワクチンを2回接種してから、約2週間で十分な免疫を得られる。だが、それでもコロナに感染する、いわゆる「ブレイクスルー感染」をする人が急増しているという。

いったいどんな人が感染するのか、重症化しやすいのか。専門家に聞いた。

【Q1】ワクチンの種類、接種時期との関係は?

「米国メイヨークリニックがミネソタ州で、デルタ変異ウイルス流行中に行った調査によると、ワクチンの発症予防効果はモデルナ製が86%、ファイザー製は76%あります。別の研究ですが、アストラゼネカ製は67%と少し落ちています。ただ、あくまで発症予防効果であって、重症感染予防効果は高く、3つのワクチンに大きな違いはないと思われます」(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)

時間がたつとともにワクチンで得た抗体は減ってしまう。

「抗体が減るまでには個人差があるものの、2回接種して半年から8カ月後くらいが目安。そのころからブレイクスルー感染は多くなると考えられています。そのため、検討されているのが3回目接種です。イスラエルでは3回目の接種がすでに始まって2~3割の人が終わっていますが、86%の感染予防効果があるといわれています」(埼玉医科大学の松井政則さん)

ワクチンには感染予防・発症予防・重症感染予防の3つの役割があるというが、抗体が減っても、重症感染予防に関しては一定期間、持続するという。

「重症感染予防に重点を置くなら、一般の人への3回目の接種は今は時期尚早です」(峰さん)

ちなみに、北海道で医療機関に出入りする80代男性が“免疫が上がるから”と、4月から7月にわたって計4回も不正にワクチン接種したことが報じられたが。

「抗体がたくさんあるときにブーストしても、意味はありません」(松井さん)

【Q2】新たな変異株でリスクは高くなる?

従来株に比べて、変異株にはワクチンが効きにくい。ただし、重症化を防ぐ効果は、現在存在している変異株に対しても期待できるという。しかし、さらに変異を繰り返した場合は危険だ。

「デルタ、ラムダ、ミューからさらに進んで、シグマ、オメガまで出現すれば、既存のワクチンでは対応できなくなるでしょう。その場合は、現在のワクチンからマイナーチェンジした新しいワクチンが必要になります。mRNAワクチンは比較的スピーディーに開発でき、かつ大量生産できる特徴があるので、対応は可能でしょう」(ナビタスクリニック理事長・久住英二さん)

【Q3】いつまで気を付ければいいの?

ワクチンを打っても、ブレイクスルー感染のリスクはある。結局、いつになれば、昔のような生活に戻れるのだろう。

「ワクチン接種が進むイスラエルでも感染者が増加傾向にありましたので、当面はワクチン接種を終えていてもマスク、密を避けるなどの感染対策は必要です」(峰さん)

コロナとは気長に戦っていくしかない。

「ブレイクスルー感染しても、重症化するケースは少ないように、ワクチンの効果はあるので、接種率を高めることは重要です。一方、接種率70%で集団免疫が得られると考えられていましたが、90%以上必要との見方もあります。ワクチン頼みではなく、現在、開発が進んでいる複数の治療薬が待たれるところです。ワクチン・治療薬の両輪が動きだせば、新型コロナが“ただの風邪”になる日も近いと思います」(松井さん)

まだしばらくは、マスクが手放せない日々が続きそうだ。

「女性自身」2021年9月28日・10月5日合併号 掲載

【関連記事】