創作 露露の姉が来日する

2021年09月23日 23時21分28秒 | 創作欄

児玉徹は、思い返せば約1年の付き合いのなかで、露露については何も知らなかった。
例えば家族構成、学歴、来日した経緯など。
取り先の接待を受け、食事の後に池袋のパブにも誘われた。
露露がその店のホステスをしていたのだ。
姉が居ることは、明らかだった。
「ねいさんがきょう、日本へ来ます。わたし、羽田にむえに行きます。センセイいっしょできますか?」
「ああ、いいですよ」と徹は応じた。
彼がモノレールに乗ったのは、上司に誘われ大井競馬場へ行った時、以来であった。
今は地方競馬ではなく、中央競馬を好んでやっていた。
それは、彼の大学の同期生の一人が競馬専門のライターになったことがきっかけとなる。
彼が単行本も出したことがとても羨ましかった。
彼のことを「自称・芥川の研究家」と揶揄いた人もいるが、なかなかの文章化であった。
彼の脚本を読んで「相当、言葉の鍛錬した人」と高く評価する人もいた。
彼は、「或阿呆の一生」が一番いいとも言っていた。

47 火あそび
彼は彼女に好意を持っていた。
しかし恋愛は感じていなかった。
のみならず彼女の体には指一つ触らずにいたのだった。

48 死
彼は彼女とは死ななかった。
ただ未だに彼女の体に指一つ触っていないことは彼には何か満足だった。
彼女は何ごともなかったように時々彼と話したりした。

徹自身も、「或阿呆の一生」は、特に卒論としてモチーフになると強く印象に残っている。
(モチーフとは、芸術分野において創作の動機となる思想や題材という意味である)

友人は卒論に芥川龍之介を選らんだ。
それを知った児玉徹は、芥川龍之介を止めて、夏目漱石を卒論に変更した。

東京モノレールから光景は異次元であろうか?
彼の腕に手を絡ませながら露露が見入る。
幾つもの工場地帯の水路にかかる橋を越え、時にビルの合間東京湾も望む。
モノレールは大きな水路と並行して走行するとやがて羽田空港へ到着した。

空港ターミナルは何時来ても人の行き来が多かった。
徹は営業の仕事で福岡、北海道などへ出張する際に飛行機を利用してきたが国際線のターミナルとは無縁であった。
表示を見たり、空港職員に聞いたりして、出会いの広場 手荷物受取場に向かう。
「センセイといしょで、よかったです」露露はほっとした表情を浮かべる。

 


ジョニー・デップ、なぜ「水俣病」を映画の題材にしたのか

2021年09月23日 22時13分52秒 | その気になる言葉

9/21(火) 7:10配信

「恒大集団」きょう社債の利払い期限迎える
9/23(木) 15:26配信

Nippon News Network(NNN)
およそ33兆円もの負債を抱え経営不安に陥っている中国の不動産大手「恒大集団」は23日、社債の一部の利払い期限を迎えました。

恒大集団の本社には抗議活動を警戒して多数の警察官が配置され、厳戒態勢がしかれています。恒大集団は23日に期限を迎える社債の利払いの一部、39億円については支払いを表明していますが、それ以外についての具体的な説明はなく、中国各地にいる債権者らの不満は蓄積しています。

こうした中、恒大集団は22日夜遅く、幹部らおよそ4000人が参加した会議を開き、創業者の許家印前会長が「投資家への支払いを断固として実行しなければならない」と方針を説明したということです。

ただ、恒大集団は今後も別の利払い期限を次々と迎えるため、債務不履行の懸念は続くことになります。

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氷川きよしさんが法的措置検討 SNSで誹謗中傷受け

2021年09月23日 22時10分10秒 | その気になる言葉

9/21(火) 17:10配信

All Nippon NewsNetwork(ANN)

 歌手の氷川きよしさんがSNS上で自身を誹謗中傷する内容の投稿に対し、法的措置を検討していると明らかにしました。

 氷川きよしさんは21日、自身の公式インスタグラムを更新し、「残念なことに一部で氷川きよしの芸能活動とは無関係なプライバシーに関して当人を侮辱し、人格権を侵害する内容の投稿が見られます」と、スタッフ一同からのコメントを掲載しました。

 そのうえで、こうしたSNS上の誹謗(ひぼう)中傷する内容の投稿に対し、所属事務所として法的措置を検討していることを明らかにしました。

 また、テレビの映像や雑誌の画像などを無断でアップロードする行為は著作権侵害にあたるとして注意を呼び掛けました。

テレビ朝日

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「将棋界で最も過酷」第71期王将戦挑戦者決定リーグきょう開幕 渡辺王将に挑むのは誰だ

2021年09月23日 22時04分34秒 | その気になる言葉

9/23(木) 8:00配信

スポニチアネックス

渡辺明王将(上段右から2人目)と第71期王将リーグに挑む羽生九段(右上、以下時計回りに)、糸谷八段、藤井3冠、豊島竜王、近藤七段、広瀬八段、永瀬王座(撮影・MEGUMI)

 将棋の第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグはきょう23日、東京都渋谷区の将棋会館で行われる豊島将之竜王(31)―広瀬章人八段(34)戦で開幕する。

来年1月開幕予定の7番勝負で渡辺明王将(37)=名人、棋王含め3冠=に挑むのは果たして誰か。「将棋界で最も過酷なリーグ」に臨む7棋士に意気込みを聞いた。

【写真】藤井聡太3冠の年内の対局予定

 ◆永瀬拓矢王座<しっかり準備を>

 昨期はリーグ初参加ながら5勝1敗と好成績を残し、豊島とのプレーオフを制して7番勝負初挑戦権を得た。だが渡辺王将には2勝4敗で敗退。「初戦が10月1日で、まだ時間がある。(リーグは)どこを見ても強い方ばかり。しっかり準備をして、いい内容の将棋を指したい」

 ◆豊島将之竜王<出だしは大事に>

 第60期、第67期の挑戦者。特に第60期は20歳で王将戦史上最年少挑戦者だった。今リーグは藤井との竜王戦7番勝負と並行開催。「一番初めに挑戦したタイトルなので相性はいいのかなと思う。(リーグは)短い期間でやるので調子が良ければ結構勝てたりする。でも出だしは大事」

  ◆羽生善治九段<偉業100期へ…>

 王将獲得12期を誇る永世位保持者。通算タイトル数は史上空前の99期だが、節目の100期獲得を前に足踏み中だ。第65期以来、6期ぶりの7番勝負出場を狙う。「今年も凄いメンバーで充実している人ばかり。自分なりのしっかりといいパフォーマンスを発揮したいと思う」

 ◆広瀬章人八段<後手番対策が鍵>

 第69期挑戦者。リーグ最終戦では4勝1敗の相星対決となった藤井戦を劇的に制し、話題となった。7番勝負では先に王手をかけながら渡辺王将に惜敗している。「後手番をどう対処するか。最終戦が抜け番なので、それまでに皆にプレッシャーをかける展開に…できるのかな(笑い)」

 ◆糸谷哲郎八段<「怪物」が暴れる>

 早見え早指しが持ち味で、ニックネームは「怪物」。5期連続リーグ入りが昨期で途絶えたが、2期ぶりに復帰した。「上を見ないと下にも行けないという言葉に従い、上(挑戦権)を見て戦いたい。毎年毎年厳しい相手ばかりだが、楽しんでやっていければいいなと思う」

 ◆近藤誠也七段<5期ぶりの復帰>

 新人で四段だった第66期以来、5期ぶりの復帰。当時は2勝4敗の陥落だったものの、白星の相手は羽生と豊島。爪跡は確かに残した。「(前回の)2勝は出来過ぎ。今思うと完全に力不足だった。今回はしっかり結果を求めたい。コンディション調整を徹底して迎えたい」

 ◆藤井聡太3冠<3期目の正直>

 前期は開幕3連敗であっさり脱落した。陥落も喫したが、予選勝ち上がりで3期連続のリーグ入りはさすが。「(今期は)挑戦を目指す展開にしないといけない。5勝がそのラインになるので、前期の自分だと相当厳しいという感じ。どの対局もしっかりいい状態で臨まなければ」

 なお、王将リーグ特集は「将棋研究2.0」をテーマにライブドアニュースに掲載。渡辺王将と7人のトップ棋士による対談形式で、高性能PCに加え、DL系ソフトという新しい波は将棋界に何をもたらすのか、進化する研究について聞いた。2回接種した「ブレイクスルー感染」だった。

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ブレイクスルー感染とは

2021年09月23日 21時40分50秒 | 医科・歯科・介護

 

日本国内でも2回のワクチン接種を完了しているにもかかわらず新型コロナを発症した人が報告されています。ブレイクスルー感染、と呼ばれるワクチン接種後の感染の特徴についてまとめました。

「ワクチン接種後のブレークスルー感染」 なぜワクチンと感染予防対策の両方が必要なのか-厚生労働省


www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0006.html

「ワクチン接種後のブレークスルー感染」 なぜワクチンと ...

 

「ワクチン接種後のブレークスルー感染」 なぜワクチンと感染予防対策の両方が必要なのか

 

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 小児科学

森内 浩幸
2021年08月27日

ブレークスルー感染とは

どの感染症に対するワクチンでも、その効果は100%ではありません。ワクチンを接種した後でも感染する可能性があり、それを「ブレークスルー感染」と呼びます。新型コロナワクチンの場合では、2回目の接種を受けてから2週間くらいで十分な免疫の獲得が期待されますので、それ以降に感染した場合にブレークスルー感染と呼んでいます。

免疫ができても感染してしまう訳

一度罹ると「二度罹り」しない感染症もあれば、何度も繰り返し罹る感染症もあります。前者には麻疹や水痘(水ぼうそう)などがあり、後者にはインフルエンザやロタウイルス胃腸炎などがあります。これらの感染症にはワクチンがありますが、前者ではブレークスルー感染は少なく、後者ではしばしば見られます。その違いは何なのでしょう?

麻疹や水痘では鼻や喉の粘膜からウイルスが侵入した後、扁桃や近くのリンパ節でウイルスが増え、ついで血液の流れに乗って全身にウイルスが拡がってから(ウイルス血症)、発熱や発疹などの症状が現れ発病(発症)します。つまりウイルスが入り込んでから発病するまでの間に、10日や2~3週間の潜伏期があります。既に罹っていたり、2回ワクチンを接種したりして免疫ができている人では、血液中の抗体がそこに入って来たウイルスをブロックしてくれるので、発病しなくて済みます(図1)。

抗体の量が少なくなってしまった人でも、感染して、ウイルスが鼻や喉の粘膜から侵入した時点で刺激を受けて抗体の産生を再開し、ウイルスが血液の中に入って来る頃までには十分な量の抗体が出来上がります。そのため、二度と発病しないのです。

(図1)moriuchisensei_1.jpg
一方、インフルエンザの場合、鼻や喉の粘膜に侵入したウイルスは、そこですぐに増殖を始め呼吸器粘膜を傷害して、数日で発病(発症)します。ワクチンを接種して血液中に抗体があっても、呼吸器粘膜の感染を防ぐことは難しいし、発病を防ぐことも十分ではありません。でも抗体は肺の中に滲み出てきて肺炎を起こさないようにブロックすることで、重症化を防ぎます。

新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じように、鼻や喉の粘膜で増えて数日で発病します。さらに肺にまで感染が及ぶと重症化の恐れが出てきます。血液の中の抗体は鼻や喉の粘膜では効き目が弱く、感染を防ぐ効果はあまり強くありませんが、肺では重症化を防ぐ効果を発揮します(図2)。

このように、一般に呼吸器感染症を防ぐワクチンの効果は、「重症化阻止効果>発病阻止効果>感染阻止効果」という序列があります。

(図2)

 

 

25人中24人ブレイクスルー感染

2021年09月23日 21時40分50秒 | 社会・文化・政治・経済

9/23(木) 19:18

FNNプライムオンライン
群馬・伊勢崎市の病院で、25人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した。

このうち24人は、ワクチンを2回接種した「ブレイクスルー感染」だった。

クラスターが発生した伊勢崎市の病院では、20日から22日までに、10代から80代の入院患者17人と職員8人のあわせて25人の新型コロナウイルスの感染が確認された。

このうち24人は、ワクチンを2回接種し、2週間が経過してから感染が確認されるブレイクスルー感染で、1人は1回接種していた。

24人のうち、2人が中等症で、22人が軽症だという。

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25人中24人ブレイクスルー感染

2021年09月23日 21時40分50秒 | 社会・文化・政治・経済

9/23(木) 19:18

FNNプライムオンライン
群馬・伊勢崎市の病院で、25人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した。

このうち24人は、ワクチンを2回接種した「ブレイクスルー感染」だった。

クラスターが発生した伊勢崎市の病院では、20日から22日までに、10代から80代の入院患者17人と職員8人のあわせて25人の新型コロナウイルスの感染が確認された。

このうち24人は、ワクチンを2回接種し、2週間が経過してから感染が確認されるブレイクスルー感染で、1人は1回接種していた。

24人のうち、2人が中等症で、22人が軽症だという。

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一人の人に会えばいい

2021年09月23日 12時22分17秒 | その気になる言葉

▼心が豊かになり、視野が広がるのが文化交流の催しの魅力だ。
▼<困ったとは言わないこと>
いかなる難局に処しても、必ず、窮すれば通ずで、どうにかなる―と高杉晋作は確信した。
▼相手の信条や立場などに関係なく、自ら動いて友情を広げていく。
▼たった一人でも聞いてくれる人がいる。
一人の人に会えばいい。
▼人数ではない。
一対一の対話を大事にして、縁した「一人」と心を通わせることが、一切の原点である。
▼いかなる時代であっても、一人の幸福から多くの人の蘇生へ。
▼何のために学ぶのか、何のために働くのか、常に原点の立ち返ったらこそ、方向を見失わずに歩み続けられた―と実感した人の足跡に感嘆する。
挫折したことを契機に大きく世界へ羽ばたいのである。
「世界に通用する力をつけるためには、世界に行くんだよ」と恩師に背中を押されたのだ。


被差別部落の起源

2021年09月23日 11時01分12秒 | 社会・文化・政治・経済

被差別の起源については、職業起源説、異民族(異人種)起源説、宗教起源説、政治起源説などがある。いずれの説も、反論や矛盾点が存在するため、定説にはなっていない。逆に、起源は全く不明とする説もある。
職業起源説
賤業に就いている人々が差別されたとするもの。
日本がもともと農耕社会であり、狩猟を低く見たとする説であるが、猟師が賤業とされていないなどの反論がある。
異民族(異人種)起源説
弥生時代以前からの先住民族の末裔が差別されるようになったとするもの。
先住民で渡来の大和民族に同化しなかった一部のグループが山窩(サンカ)などとして朝廷の支配下に取り込まれずに身分制度の外におかれたものが被差別の一部に見られたことから生まれた説と考えられる。
江戸時代にも多く唱えられたが、被差別の一部に彫りの深い顔立ちで体毛が濃く筋肉質ながっしりした体型である傾向があるグループが有ることから明治期以降は主に人類学者がこの説を提唱した。
宗教起源説
仏教の殺生戒や神道でいう穢れにふれるため差別されたとするもので、特に神道起源説は有力な説の1つに挙げられている。
差別を神仏習合の副産物とみなす説もある。
政治起源説
政治権力が政策的に差別を生みだした、あるいは強化したとするもの。これについては、後述を参照。
近世政治起源説
第二次世界大戦後、歴史学界や教育現場などで主流とされてきた説である。
近世政治起源説を単純化して言えば、は近世権力(豊臣氏、徳川氏)が身分の流動性が大きく戦乱の絶えなかった中世を統一した際に、「民衆の分裂支配」を目的として作ったというものである。
平たく言えば、『農民の不満を幕政から逸らすために為政者がスケープゴートとしてこしらえた』―『上見て暮らすな、下見て暮らせ』ということになる(ただし、近世の為政者がこうした旨の触を発した記録はない)。
中世においても差別は存在していたが、・などの身分が制度的に固定されていた訳ではない。また戦国期の下克上の中で社会も大きく変動したことから、中世社会と近世社会の間には断絶があると考えられた。原田伴彦は豊臣政権から徳川政権初期にかけて(天正-寛永頃)、被差別民に対する新たな身分制度が形成されていったとする。
近世起源説の中でも、の成立(身分制度の確立)については、江戸時代初期(17世紀半ば)全国的に宗門人別帳が作られた時点とする見方や、豊臣秀吉の太閤検地の際に検地帳にかわた(後の)身分が記載された時点とする見方(寺木伸明)などがある。
近世起源説への批判
同和教育などで「は近世に作られた」とされてきたが、藤沢靖介によると、「織豊政権または江戸幕府が、まったく新たに被差別身分を作り出した」という学説を唱えた研究者は未だかつて一人もいない。
近年、中世以前に被差別民が集住した河原などの「無縁」の地と、近世において被差別民の居住地と定められた地、すなわち近現代の被差別に直接つながる土地とが互いに重なる事例が多く報告され、中世の被差別民と近世の被差別民の歴史的連続性が注目されるようになってきた。検地帳などにより「」層の源流には、中世のの系譜にあるもの、一向一揆を含めて戦国期の敗残者の系譜にあるものなどの存在も明らかにされている。
また、被差別の人口比率が高いのは、京都、兵庫、奈良、和歌山、愛媛の順(1908年調査)であり、東京(江戸)には少ないことから、江戸幕府が作ったものとするのは不自然である[5]。室町時代には既に、村人がに対する差別意識を記した史料が現れている[6]。
かつての近世起源説に見られた、近世権力が無から突然被差別身分を作り出したかのような論説は近年は姿を消しつつあるが、歴史教科書などにおいては未だにこの論調が多い。
教育現場での対応
近世政治起源説が従来の同和教育において「正しい認識」とされたのは、後述の古代起源説や異人種起源説に基づいて差別を当然のものとする風潮の根絶に対抗できるものとされたこと、社会問題や社会の不正義を遅れた発展段階に起因するとしがちな発展段階史観が戦後の歴史学研究や歴史教育を席捲したこと、豊臣秀吉や徳川家康といった歴史的人物個人の責任とすることで誰も傷つかずに差別現象のみを糾弾できるとされたことが大きかった。
しかしその一方で、職業や地域を離れても差別が継続してきた実態と乖離し、民衆の間で差別を再生産していく構造の歴史的な形成過程の解明に対しては無力であった。よくある例として、差別は地域と職業に由来するので、そこから脱出した者について被差別出身と言うことは差別ではないという詭弁を用いる典型的な差別を招来することさえある。
各県の教育委員会の指導する同和教育においては、1990年代半ばになってようやく、近世政治起源説が学術的に否定されつつあることが意識され始めたが、当初は教職員の研修などの場において「歴史学的には近世政治起源説は事実ではないと否定されてきているが、同和教育においては近世政治起源説こそが正しい認識であるとの立場であるから、これで同和教育を行うように」という指導がまかり通るなどのちぐはぐな対応であった。この見解は「同和教育」をデマゴギーであると認めた点で、同和問題のみならず公教育一般についての再考すら迫らす大きな意味を含んでいた。
1990年代末になってようやく近世政治起源説で同和教育を行うことの問題を論じたリーフレットなどが県教育委員会によって編纂され、県立高校や市町村教育委員会に配布されるに至っている。

 


同和問題(部落差別)に関する正しい理解を深めましょう

2021年09月23日 10時45分12秒 | 社会・文化・政治・経済


 様々な人権問題に関する相談を受け付けています。各種相談窓口の案内はこちら。
←クリック

   
 同和問題(差別)とは,日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分階層構造に基づく差別により,日本国民の一部の人々が長い間,経済的,社会的,文化的に低位の状態を強いられ,日常生活の上で様々な差別を受けるなど,我が国固有の重大な人権問題です。
 残念ながら,今なお,こうした人々に対する差別発言,差別待遇等の事案のほか,差別的な内容の文書が送付されたり,インターネット上で差別を助長するような内容の書込みがなされるといった事案が発生しています。
 差別や偏見に基づくこうした行為は,他人の人格や尊厳を傷つけるものであり,決して許されないものです。
 差別等の同和問題を正しく理解し,一人一人の人権が尊重される社会の実現を目指しましょう。

内閣府「人権擁護に関する世論調査」

法務省の人権擁護機関による取組内容

 法務省の人権擁護機関では,人権相談及び人権侵犯事件の調査・処理を通じ,被害の救済・予防を図っています。
 例えば,結婚差別や差別発言等について,行為者や関係者に対して人権尊重の意識を啓発することにより,自発的・自主的に人権侵害の事態を改善,停止,回復させたり,将来再びそのような事態が発生しないよう注意喚起したりしています。
 また,インターネット上で,不当な差別的取扱いを助長・誘発する目的で特定の地域を地区であると指摘するなどの内容の情報を認知した場合は,その情報の削除をプロバイダ等に要請するなど適切な対応に努めています。

同和問題に関する人権侵犯事件の新規救済手続開始件数

同和問題(差別)に関する人権侵犯事件例

 地区出身であることを理由として交際相手の両親から結婚を反対されたとの申告を受け調査を開始した事案。
調査の結果,そうした事実が認められたことから,法務局は交際相手の両親に対し,啓発資料を用いて同和問題(差別)に関する理解を深めるように働きかけ,また,地区出身であることを理由に結婚に反対する発言は不当な差別であり,申告者の人格を傷つける人権侵害であるとして,今後は同和問題(差別)に対する理解を深めるように説示しました。

差別の実態に係る調査結果の公表(令和2年6月)

 差別の解消の推進に関する法律(平成28年法律第109号)第6条に基づき,差別の実態に係る調査を実施しました。

■調査結果
 調査概要【PDF】
 差別の実態に係る調査結果報告書【PDF】
■参考(調査に係る調査研究報告書)
 差別解消推進法6条の調査に係る調査研究報告書(公益財団法人人権教育啓発推進センター)【PDF】

各種資料・関連リンク先

■ 啓発ビデオ
  人権アーカイブ・シリーズ「同和問題~未来に向けて~」
   (YouTubeが表示されます)
 

■  啓発リーフレット
  「改めて同和問題(差別)について考えてみませんか」【PDF】
   「差別の解消の推進に関する法律」が平成28年12月16日から施行されました【PDF】
 
■ 人権相談窓口
  全国の法務局・地方法務局の人権相談窓口では,同和問題(差別)に関する人権問題について,御相談に応じています。
  人権相談はこちらまで
 
■ インターネットを悪用した人権侵害について
  インターネットを悪用した人権侵害をなくしましよう
  インターネットを悪用した人権侵害の現状や対応方法など御紹介しています。

■   差別の解消の推進に関する法律(平成28年法律第109号)
     条文【PDF】
     附帯決議(衆議院法務委員会)【PDF】
     附帯決議(参議院法務委員会)【PDF】
 

人の<無知>は害毒である

2021年09月23日 10時08分07秒 | 沼田利根の言いたい放題

時代錯誤のと問題。

実に不可解である。

人間の心の中にある根本的な無知としか、解釈のしようがないのである。

法の下平等は、日本国憲法においては14条1項に規定されている。

すべて国民は、法の下平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

この根本原理を理解していない人々が21世紀のわが国に存在するこを、むしろ恥じるべき!

人の<無知>は害毒であるのだ。

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江戸幕府とと問題

問題は、日本の被差別問題、人権問題、社会問題に関わる問題である。
「同胞融和」から略して、同和問題とも称す。

日本史において元来、大和民族の中でも中世から近世を通して存在した・問題を処理するために明治政府は維新後の近代化改革の一つとして制度を廃止し、他の身分と同じく「平民」に編入した(解放令)。
しかし、戦前から差別解消のために尽力していた北原泰作によると、海外のスラム街のようなために旧・居住地域の区別が目に付きやすかった関西では特に元の平民は旧・と同一の身分とされることを嫌い、「(しんへいみん)」と差別が起きた。

「」は「集落」と同義である。

『学習院大学 経済論集』第42巻 第3号(2005年10月)
『江戸時代の被差別の歴史を見直す』
(2005年6月13日,学習院大学経済学部川嶋ゼミナール公開講演会要旨)
(財)信州農村開発史研究所 斎藤洋一

「差別される側に差別される理由はない(いじめも同じ)。


1 江戸幕府(や藩)によって,「農民や町人」の下に,「さらに低い身分」あるいは「えたやとよばれる低い身分」の人々が「おかれた」(いわゆる近世政治起源説=近世の政治権力によって被差別が創出されたとする説)。
2 なぜ「えたやとよばれる低い身分」の人々を「おいた」かというと,「農民や町人」の不満をそらしたり,「農民や町人」が団結して政治権力に反抗しないようにするためだった。
3 「えたやとよばれる低い身分」の人々は,生活条件の悪い所に「住まわされた」。
4 「えたやとよばれる低い身分」の人々は,「人々の好まない(=嫌がる)仕事を強制された」。
以上です。このほか教科書には記されていませんが,多くの人々は以下のように理解してきたと思われます。
5 「えたやとよばれる低い身分」の人々は,貧しかった。

・江戸幕府(や藩)によって「えたやとよばれる低い身分」の人々が「おかれた」のなら,なぜ江戸ではなく,関西に多いのか。あるいは,総じてなぜ西日本に多くて東日本,とくに東北は少ないのか。

「えた」とよばれた人々は鎌倉時代から存在していた。ただし,「えた」という言葉が全国的に使われるようになるのは江戸時代中期の1700年頃からである。これはどのように考えたらよいだろうか。

・江戸幕府(や藩)が「えたやとよばれる低い身分」を「おいた」のなら,その江戸幕府を倒して成立した明治政府が,1871年(明治4年)にそれを廃止するとしたのだから(いわゆる「解放令」),その時点から差別は解消に向かってもよかったのではないか。しかし,差別は今日においても解消していない。これはどうしてか。
・こうしたとらえ方は,短絡すると「悪いのは江戸幕府だ(自分は関係ない)」として,この問題を他人事にしてしまうのではないだろうか。

「農民や町人」は「えたやとよばれる低い身分」の人々を見て,自らの不満をそらすこ
とが,本当にできたのだろうか。そうだとしたら,江戸時代を通じて約3000件の百姓一揆が起
こった事態をどう考えたらよいのだろうか。たしかに「抑圧委譲」といわれることはあったと思
われるが,そのために「えたやとよばれる低い身分」を「おいた」とするのはどうだろうか。

おわりに―どう考えたらよいか―
それでは,どう考えたらよいでしょうか。以下のことが,留意すべきことではないかと考えて
います。
・差別の歴史は,少なくとも古代末期ぐらいまでさかのぼって考えなければならないのではないだろうか。

なぜなら,これまで近世の被差別の特徴のようにいわれてきた,①「神聖」とされる場所から排除されること,②人づきあいから排除されること(人外),③死牛馬の処理をすること,④「旦那場(草場)」を所有していること,などはすでに古代末期~中世には出現しているからである。

そういう意味では,1000年ぐらいの時間で考えなければならないのではないかと思われる。それも,政治だけの問題ではなく,経済や思想など,総じていえば日本の歴史の総体の問題として考えなければならないと思われる。
・ただし,差別が全国的に強化されるのは,江戸時代中期の1700年ごろからである。これはどうしてか。
ここは特に考えなければならないところだろう。
・さらに,1871年(明治4年)にいわゆる「解放令」(最近は「廃止令」とよばれることが多い)が出されたにもかかわらず,なぜ今日まで差別がなくならないのか,これが考えなければならない最重要課題であろう。


インターネットと部落差別の現実――ネット上に晒される部落(出身者)

2021年09月23日 04時43分25秒 | 社会・文化・政治・経済

2017.09.11

川口泰司 山口県人権啓発センター事務局長

インターネット上の差別の現状

今、インターネット(以下、ネット)上ではネット版「地名総鑑」が公開され、被差別(以下、、地区)に対するデマや偏見、差別的情報が圧倒的な量で発信され、氾濫しています。そして「無知・無理解」な人ほど、そうした偏見を内面化し、差別的情報を拡散する傾向にあります。

ネット上での差別が放置される事で、現実社会での差別がエスカレートしています。現実社会では許されない差別行為でも、ネット上では無規制であり「ここまでやっても許される」と、差別に対するハードルが下がり、ついには「底が抜けた」現実が起きています。

「ネット空間」と「現実社会」のボーダーラインが曖昧になり、現実社会でもヘイトスピーチのように、公然と差別扇動が繰り返されています。

差別解消推進法(2016年12月施行)では、「情報化の進展に伴って差別に関する状況の変化が生じている」とし、ネット上の差別の深刻化を指摘しています。

今後、ネット上における差別、人権侵害に対して、国や地方自治体、企業や運動団体、市民などが総力を挙げて取り組む必要があります。

問題点(1)偏見・差別的情報が圧倒的

今、ネットで「差別」「同和問題」と検索すると、差別的情報(投稿・動画等)が検索上位を占めています。ネット上では正しい情報が常に検索上位にくるとは限りません。差別的サイトでもアクセス数が多いほど検索上位に表示されるからです。

問題についてネットで検索をすると、デマや偏見などの悪質な投稿・情報も多くあります。学生や行政職員、若い先生などが、問題について学ぼうと思って検索すれば、最初に目にするのが、これらの情報です。

ある中学校では、人権教育の授業のなかで、ネット検索した情報を元に生徒から「暴力団の7~8割は出身者」との発表があり、先生が発言の内容を確認すると「ウィキペディアに書いてあった」と言われ、慌ててデマ情報であると指摘したケースも報告されています。

ベストアンサーの約7割が差別的回答

問題の検索上位の代表として「Yahoo知恵袋」の質問サイトがあります。(公財)反差別・人権研究所みえが2013年に質問上位1000件(「」検索)を分析しました。その結果、3分の1が「偏見に基づく差別的な質問」333件(33%)、次の3分の1が「知識を問う質問」313件(31%)、残りの3分の1が、身元調査(70件)や結婚差別(25件)、土地差別(25件)などの深刻な相談でした。

これらの質問・相談に対し、多くの人が回答しています。しかし、質問者自身が問題について「無知・無理解」であるため、何が正しい回答なのか判断できません。

その結果「ベストアンサー」の約7割が「は怖い」などの差別的回答が採用されていました。中には、深刻な結婚差別の相談もありました。しかし、「やめておいた方がいい」などのアドバイスが多く、結婚を断念したケースもあります。

また、最近では「Yahoo!知恵袋」をはじめ他の質問サイトでも、「どこがか?」「結婚相手が出身かを調べるには?」などの質問に、ネット版「地名総鑑」(地区wikiミラーサイト等)が紹介され、結婚相手の身元調査や上地差別調査などに利用されている事例が多く見られます。

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問題点(2)地区の所在地情報の掲載

現在、全国5300カ所の地区の所在地(地域名、住所、戸数、人口、職業等)がネット上に公開されています。Googleマップを悪用し、全国の地区がマッピングされ、地図まで作成されています。

さらに、市町村別の出身者の人名リスト(「地区と関連する人名一覧」等)も作成され、1万人以上の出身者がネット上で晒されています。

解放運動の団体役員などの個人情報(住所・氏名・電話番号等)も1000人以上(2017年1月末現在)、が本人同意なくリスト化され、ネット上に次々と晒され続けています。

ある県では、出身者800人以上の住所・氏名・年齢・生年月日等の個人情報がネット公開され、Googleマップに自宅がマッピングされて、ネット上に晒されていました。

「」「地区」で検索をすると、これらのサイトが検索上位に表示されています。

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確信犯の鳥取ループ・示現舎

このように、ネット上に地区の所在地情報を意図的に掲載し、拡散し続けてきた中心人物が鳥取ループ・示現舎のMです。「鳥取ループ」とはブログ名(管理人・M)であり、「示現舎」とはMが共同代表をつとめる出版社(社員2名)です。

鳥取ループ(代表・M)は10年くらい前から、「同和問題のタブーをおちょくる」として、行政に対して地区の所在地情報を開示請求し、得たい情報が非開示となると裁判を起こし、同時にネットで公開を繰り返してきた確信犯です。

示現舎は「探訪」として、全国のを回り、住宅や個人宅の表札・車のナンバー、商店、墓碑などを写真や動画で撮影し、住所とともにネット公開し続けています。また、YouTubeに子どもたちや青年の顔が映っている動画投稿を二次利用して掲載し、地元の保護者や関係者が削除要請をしても拒否し、ネット上で公開し続けています。

「地名総鑑」復刻版の出版・ネット公開

「地名総鑑」とは、全国の被差別の一覧リストでの地名や所在地、職業や苗字等が記載れていた差別図書です。

1975年に発覚し、現在までに10種類が確認されています。当時、企業や興信所などが、出身者に対する就職差別や結婚差別の身元調査に利用していました。

大手企業や個人を含め数百社が購入しており、現在までに法務省が差別図書として663冊を回収してきました。

地名総鑑1

地名総鑑2

この「地名総鑑」の原点となった本が、『全国調査』といわれています。1936年に政府の外郭団体が全国のの実態調査を実施した報告書です。戦後になり、この本が悪用され「地名総鑑」が作成・販売されていました。

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2016年2月、鳥取ループ・示現舎が、この『全国調査』を現在の地名(所在地)を加えて編集し、「地名総鑑の原点」として復刻版を出版しようとしました。この問題は、国会でも取り上げられました。東京法務局長も2016年3月に「人権侵犯」として示現舎の代表Mに対して、出版を中止するよう「説示」しましたが、Mは拒否しました。

解放同盟が出版禁止を求めて訴訟を起こし、横浜地裁(相模原支部)が出版禁止の仮処分決定を3月28日に下しました(2017年6月、東京高裁も「仮処分」決定を支持する判決)。しかし、示現舎はその間も「地区wiki」というサイトを立ち上げ、ネット上に「全国調査・復刻版」の内容を掲載し、拡散をあおりました。

このサイトも解放同盟の訴えにより2016年4月18日、裁判所からの掲載禁止の仮処分決定が出され、同サイトは削除されました。しかし、すでにコピーサイト・類似サイトが多数作成され、差別身元調査等に利用されている深刻な状況が続いています。

問題点(3)ネット検索で差別身元調査を可能に

彼らの行為の最大の問題は、ネットで差別身元調査を容易に出来るようにしたことです。これまで結婚差別や就職差別によって、多くの人の人生と命が奪われてきました。その中で、行政や学校をはじめ、企業や宗教者、あらゆる団体や多くの人たちの取り組みにより、身元調査や「地名総鑑」の規制を勝ち取ってきました。これらをネット社会の便利な機能を悪用し、鳥取ループは、一瞬で破壊してしまいました。

本人同意なく他者が出身者を「暴く」行為は、明確なプライバシー侵害です。何より、差別が現存する中で、ネット版「地名総鑑」を不特定多数に公開することは、差別を誘発・助長する許されない行為です。

これまでも当事者団体の機関誌や研究所などの出版物でも地区の地名を出しているケースもありました。しかし、そこで掲載する際にも、地元の解放運動の状況や関係者の了解などを踏まえ、差別をなくす目的のなかで、最大限配慮しながら掲載してきました。地域の状況や出版物の目的、掲載物などによっては、地名を出さないケースもありました。たとえ問題が起きたとしても、しっかりとフォローし、問題に対応する前提で関係者と連携し、掲載してきました。

しかし、示現舎らは地区の所在地を暴き、晒しものにして、そこで生じる差別や人権侵害などの責任はとらないというスタンスをとっています。

すでに、ネット上では、「どこがか」「出身者かどうか」を調べるために、ネット版「地名総鑑」が紹介・利用され、結婚相手の身元調査や、不動産取引における土地差別調査(地区か否かの調査)、行政等への地区問い合わせ事件も起き始めています。

学校現場への影響

ネット上では鳥取ループ・示現舎により「地区wiki」(「地名総鑑」)のコピーサイト、類似サイトが無数に拡散されています。これらのサイトは、「」「」で検索をするとアクセス数が多いために、検索画面の上位に表示されます。

スマホを持つ小中学生や高校生が、ネットで問題について知ろうと思ったら、差別的情報を真っ先に閲覧していきます。学校現場では、すでにネット版「地名総鑑」を利用した問題も各地で起きています。

関西のある大学では、学生がネット上の「地名総鑑」「人名総鑑」を利用して、自分や友人、恋人などが出身でないかを調べ、差別的なレポートを提出していました。他の大学でも同様のケースが報告されています。ある中学校では、子どもたちが興味本位で地元のを調べ、学校で出身者暴きをしていました。

もう「寝た子を起こすな」論は通用しません。「寝た子はネットで起こされる」時代になりました。子どもたちがネット上の差別的情報を見たとしても、「だから、どうしたんや!」と言える力、差別や偏見・デマ情報を鵜呑みにしない力をつける必要があります。そのために、最低限の問題学習をどの学校でも実施する必要があります。

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当事者への二次被害(閲覧ダメージ)

差別投稿が何百人、何千人もの人に「いいね」と評価され、何万人もの人が閲覧しているのに、無批判に投稿が放置され、垂れ流されている現実があります。

当事者が差別情報(投稿・動画等)を閲覧するという事は、本人が直接、差別を受ける事と同じぐらいのダメージがあります。「自分の出自が明らかになれば、攻撃対象になるかもしれない」という恐怖。その差別投稿と現実を当事者が目の当たりにする事で、傷つき、社会と人間に対する信頼が壊されていきます。自分のルーツや肯定的アイデンティティが否定され、社会への不安と緊張が強いられる「二次被害」を受ける事にもなります。

2016年2月、鳥取ループ・示現舎による『全国調査』復刻版事件が起きて、私自身も改めてネット上の差別の深刻さを思い知らされました。ネット上の差別の実態把握のために、差別的投稿や画像・動画などもたくさん見てきました。

数ヶ月が経った夏頃、複数の円形脱毛症ができて、どんどん大きくなっていきました。ネット上での差別情報の閲覧や対応等によって、私自身も無意識に多くの精神的・身体的な被害・ダメージを受けていた事に驚きました。

自宅に差別ハガキが

そして、ついに、恐れていたことが起きてしまいました。今年(2017年)の正月、私の自宅に差別ハガキ(年賀状)が送られてきました。表には、私の自宅住所と名前が書かれ、差出人は不明。年賀状であるために消印はありませんでした。裏面に「エタ死ね」と書かれていました。

小学生の私の娘が第一発見者でした。それが何より辛く、胸が締めつけられました。子どもが不安げな顔をして、差別ハガキを私に見せました。その文字を見た瞬間、私は頭が真っ白になり、心臓を刃物でえぐられる痛みがしました。「パパ、死ねって書かれているけど、大丈夫なん?殺されない?」と心配する子どもに対して、「大丈夫だからね」と答えるのが精一杯でした。

そして、「エタって、どういう事なん?」と聞かれました。私は娘に対して、「『」(エタ)というのは『穢れ』が『多い』と書き、の人たちは、この言葉でずっと差別されてきた。絶対に人には使ってはいけない言葉だ」と説明しました。差別ハガキを手にした娘を前に、エタの意味を説明するのは、ほんとにしんどかったです。

2差別ハガキ

私は自宅住所を公表しておらず、友人など限られた人たちにしか教えていませんでした。どこで自宅住所が分かったのか。私の名前をネットで検索すると、あるサイトに自宅住所と電話番号が掲載されていました。その情報を元に、何者かが差別ハガキを送りつけた可能性が高いことが分かりました。また、昨年の秋頃から、連日、自宅に非通知の無言電話が掛かってきていました。

すぐに、サイトの自宅住所の削除を求め、法務局に相談に行き、差別ハガキに利用されたネット上の個人情報、類似犯による二次被害の防止を法務局に訴えました。

そして、多くの人たちがサイトに削除要請・違反通報をしてくれたおかかげで、なんとか削除されました。しかし、一度ネット上に掲載された情報を完全に消去することは難しく、現在は別のサイトにも掲載されている状況が続いています。

事務所や個人宅に刃物や差別投書が

2017年春頃から、解放同盟の事務所や役員個人の自宅などへ刃物入りの差別投書も送られはじめました。解放同盟三重県連の事務所には、アイスピック入りの差別投書が複数回届いています。

今年5月、組坂繁之・中央執行委員長の福岡県内の自宅には、カッターの芯が封筒内に貼り付けられ、開封時に手が切れるように仕組まれた差別投書が送り付けられてきました。組坂委員長は、開封時にカッターで手を負傷してしまいました。

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示現舎が掲載した「解放同盟関係人物一覧」や類似の「人物一覧」は多数作られています。この間、彼らを批判し、目立つ発言をする個人はターゲットにされ、匿名の何者かによってその個人情報が次口とネット上に晒され個人攻撃が行われ、二次被害が生じています。

問題点(4)被害者救済の課題

法務省は自力救済が基本

ネット上で人権侵害を受けて法務局に相談をしても、基本的に被害者本人がプロバイダ等へ削除依頼を行わなければなりません。自分で被害を回復する事が困難な事情がある場合や削除されない場合に、初めて法務局がプロバイダ等へ削除「要請」を実施する事になります。

2016年に法務局・地方法務局がネット上の人権侵犯事件として処理したのは1789件(全1909件)でした。しかし、法務局がプロバイダ等へ、削除「要請」をしたのは18.2%(326件)です。大半は被害者に削除要請の方法等を教える「援助」という対応です。

個人でプロバイダ等に削除要請するとしても、多くの人は、その方法すら知りません。しかも、個人で削除依頼をしても、なかなか削除をしてもらえません。海外サーバーだと削除対応はもっと困難になります。

また、名誉毀損や侮辱罪といった民事訴訟になると、裁判で勝ってもそれ以上に裁判費用がかかり、経済的にも精神的にも負担が大き過ぎます。行政や地方自治体などが、ネット上の人権侵害の被害者に対して、より積極的に支援することが必要です。

法整備の課題

被害者救済の課題としては、法制度の問題があります。「プロバイダ責任制限法」は、差別情報の発信者の個人情報の開示が可能となっています。しかし、損害賠償請求などで訴訟する場合にのみであり、人権侵害を受けていても訴訟をしなければ開示されません。

裁判となると費用も時間もかかりハードルが高く、訴訟でなくても開示出来るように法改正を求めていく必要があります。しかも、海外のプロバイダに対しては法的拘束力がありません。

ヘイトスピーチに関しては大阪市では事後規制の条例があり、川崎市では事前規制が審議会で提言されて進んでいます。各地の自治体の先駆的な取り組みを共有し、広げていく取り組みが求められています。

今後の課題

(1)国・地方自治体の取り組み

●「相談窓口」「通報窓口」の設置

「差別解消推進法」では「相談体制の充実」(第四条)が求められています。まずは、ネット上の人権侵害に対する相談窓口を設置し、市民へ周知する事が急務です。

そして、被害者の権利回復の支援が出来る相談員のスキルアップ、関係機関との連携体制の充実などに取り組む必要があります。

また、大阪府のようにホームページ上に、差別書き込みに対する通報窓口の専用フォームを設けて、市民からの通報による情報収集をする事も有効な手段の一つです。

●モニタリング(実態把握)と削除要請

行政はネット上での差別情報や人権侵害の実態把握につとめ、悪質な差別投稿などへの削除要請に取り組む必要があります。

すでに、三重県や広島県福山市や兵庫県尼崎市・伊丹市・姫路市、奈良県全市町村(「啓発連協」)、香川県(香川県人権啓発推進会議)などでは、自治体の人権担当課や民間団体等の協力を得て、モニタリングを行っています。

個人や地区に対する悪質な差別情報を発見した場合は、法務局などと連携し、サイト管理者へ削除要請をしています。

今後、ネット上の差別の実態把握に向けて、まずは各自治体でのモニタリングを実施していく必要があります。

●削除基準(ガイドライン)の作成

差別投稿などの削除要請をより効果的に実施するためにも、まずは国や地方自治体レベルで、どのような投稿の場合に削除要請を行うのかなど、基本方針(ガイドライン・削除基準)を作成する必要があります。どのようなケースを差別の削除対象とするのかの基準は、これまで現実社会で対応してきた人権侵害事例や差別事件を参考にして判断していくことです。

例えば、「地名総鑑」や差別身元調査、引越やマイホームの購入時に地区かを調べる土地差別調査などは、現実社会では完全にアウトなので、ネット上でもアウトとするなど。「エタ」や「ヨツ」など差別語などを使用した差別発言や差別落書きなども、現実社会ではアウトなので、ネット上でも削除対象にするなどです。これまで積み上げてきた、人権侵害、差別の事例をもとに、削除基準を作ることが求められています。

(2)企業の取り組み(「差別禁止」規定を!)

インターネットサービス提供業者は、企業の社会的責任として、差別問題の解決に向けて、主体的に取り組む必要があります。当面の取り組みとして、下記があげられます。

●サービス提供時に、利用者との契約約款(利用規約)に「差別投稿の禁止」事項を設け、人権ガイドライ ンを策定(削除基準)する事

●差別投稿に対する通報窓口を設置し、削除対応を行う事

●差別投稿の削除

プロバイダ業界団体が「差別禁止」規定を!

「ヘイトスピーチ解消法」「差別解消推進法」施行を受けて2017年3月、プロバイダ・通信関係4団体は、「契約約款モデル」の「禁止事項」の解説を改訂しました。削除対象となる「違法・有害情報」に、「ヘイトスピーチ」と「差別を助長・誘発する地区を示す情報」が該当し、禁止事項に該当するとの認識を示しました。

今後の課題として、この「契約約款モデル」に準じて、各社が利用者との契約書を改訂していく取り組みを行っていく必要があります。

また、モニタリング(ネット上差別の実態把握)を実施し、違反を発見した場合は「契約約款モデル」の削除基準を根拠に、削除要請を実施していくことで、より削除率を上げていくことが予想されます。

ネット上の「地名総鑑」の規制

鳥取ループ・示現舎との裁判が決着をしても、すでにネット上に大量に拡散され、新たに作成され続けているネット版「地名総鑑」をすべて回収する事は難しいです。しかし、検索サイトでフィルタリングをかけて表示出来なくしたり、検索上位に表示されないようにしたりするなどの対応は現在のIT技術では現実的には可能です。

Yahoo!では、有害サイトフィルタリングサービスを無料で配信しています。専門スタッフが最新情報を収集管理し、フィルタリングをかけて「違法・有害情報」を表示できないようにしています。

また、欧州ではGoogle社も検索エンジンで、「ホロコースト」を否認するサイトなどは、検索上位にならないように検索エンジンの表示方針を見直しています。Facebook社もフェイクニュース対策にも取り組みはじめています。

今後、企業等の最新の技術を利用し、ネット版「地名総鑑」の公開・流布などに関する規制や、業界団体の自主ガイドライン等の作成に取り組むことが求められています。(参照「違法・有害情報相談センター」http://www.telesa.or.jp/ftp-content/consortium/illegal_info/pdf/The_contract_article_model_Ver11.pdf)

(3)反差別団体や市民の取り組み

●問題総合サイトと「正しい情報発信」

現状では、問題に関しての魅力的なサイトは圧倒的に不足しています。ネット対策、メディア戦略は大きな課題であり、今後、ヒト・モノ・カネを配置して、総力を挙げた取り組みを進める必要があります。

当面の課題の一つとして、ネット上に問題の国内総合情報サイトを作る必要があります。例えば、中高生や若い人たち向けの問題のサイトやネット版『問題・人権辞典』の作成などです。

すでに学校や地域、職場などでの人権教育では、多くの教材や研修資料、書籍があります。しかし、ネット上では、それらの教材がほとんど、活かされていません。

そのパワーを1割でもいいからネット上に注ぐだけでも、現状は変わってくると思っています。海外ではネット上で若者向けの人権教育のサイトや教材なども作成されており、ネット上での反差別・人権教育の本格的な取り組みが行われています。

国内においても、問題の総合サイト、正しく学べる総合サイトの作成にむけて、研究者や専門家、活動家など多様な人たちで総力をあげて作成してくことが求められています。

●「カウンター投稿」と「デマ情報」の否定

次に、差別投稿や質問サイトに、積極的にカウンター投稿をしていく事も重要です。差別サイト、差別投稿を無視していれば、新たな偏見と差別が拡散されていきます。

出来るだけ多くの個人がカウンター投稿や情報発信をしていく取り組みを促進したいです。その際に、基本的なマニュアル原稿(テンプレート)を作成しておく事で、誰でも気軽にカウンターしやすくなる取り組みなども必要です。

また、デマは「本人にとってはデマであると知るまでは、真実」であり、デマ情報に対してははっきりと否定し、正しい情報を提示する必要があります。

その意味でも、デマや偏見情報をネット上で無視し続ける事は、結果として差別・偏見を助長し続けることになります。しっかりとデマを否定する正しい投稿が必要となります。

ウィキペディアやヤフー知恵袋、通販サイトの書籍のレビューへの積極的な投稿も行う必要があります。現状では、一部の差別主義者たちにより、大量にヘイト情報やデマ・差別情報が投稿され続けている現状があります。

これらに対しても、無視することなく、各個人で出来る範囲で反差別情報をしっかりと投稿していく取り組みが決定的に重要となります。差別主義者たちは、それらをまめにやり続けることで、情報操作・印象操作を行い、差別扇動を効果的に行ってきました。それらに負けない取り組みが必要です。

すでに若手の活動家や研究者などの有志が、鳥取ループ・示現舎に対する裁判の支援サイト「ABDARC(アブダーク)」を立ち上げて、ネット上での問題の情報発信やイベントなどを開催して、新たなネット上での解放運動が展開されています。

そこには反ヘイトスピーチのカウンターやLGBT、障碍者差別、反差別運動などに取り組む若者たちも参画しています。他の社会運動での先駆的なネット上での闘いに学びながら、問題のカウンターの輪が広がり始めています。

ネットが差別を強化している状況がある一方で、同時にネットは差別をなくしていく大きな力にもなります。ネットのマイナス面だけでなく、プラス面を活用し、「差別解消推進法」を活かした組みを進めていきたいと思います。

おわりに

これまで見てきたように、ネット上における差別の深刻な問題としては、

(1)ネット版「地名総鑑」の公開

(2)出身者の個人情報の公開(晒し)・攻撃

(3)デマ・差別的情報の蔓延

(4)被害者救済(現状は自力救済)

という点があります。そして、これらの課題に対して有効な対策が行われていない事が、事態をより深刻化させています。

今後、これらの課題に対する総合的な取り組みが求められています。問題解決のためにも、早急に国や地方自治体、企業、運動団体などの各組織でネット上における差別、人権問題の対策チームを立ち上げて、今後の対応を検討していく必要があります。

まだまだ、課題は多いですが、ネット上における人権侵害、差別扇動に対する取り組みは世界的に共通の課題です。先駆的な取り組みに学びながら、ネット上での人権確立に向けた取り組みを、今後も取り組んでいきたいと思います。


川口泰司山口県人権啓発センター事務局長
愛媛県の被差別に⽣まれる。中学時代、同和教育に本気で取り組む教員との出会いから解放運動に取り組むようになる。(社)解放・⼈権研究所、(社)⼤阪市新⼤阪⼈権協会を経て、現在は⼭⼝県⼈権啓発センター事務局⻑として活動。『ハートで挑戦、自己解放への道!』(解放出版社、2006年)、「ネット上における差別の現実と今後の課題」(共著『差別解消法』、解放・人権研究所編、2017年)、「差別解消法を活かし、ネット上の差別にどう立ち向かうか」(『ヒューマンライツ』2017年4月号)、『差別っていったいなんやねん?』(DVD「の心を伝えたい 第6巻」、2004年)、『私の中の差別意識』(DVD、東映株式会社、2010年)など。


これがコロナの症状を和らげる漢方薬 北里大は「麻黄」を用いた重症防止を治験中

2021年09月23日 04時43分25秒 | 医科・歯科・介護

公開日:2021/09/18 06:00  日刊ゲンダイ

新型コロナウイルス感染後、自宅療養者の多くは、市販薬で症状を抑えている。そんな中で注目されているのが「漢方薬」だ。比較的、副作用のリスクが低く、一部を除いて西洋薬と併用できる。北里大学などの研究グループが「葛根湯」などに含まれる生薬「麻黄」を用いた飲み薬による治験も始めている。感染初期患者の重症化を防ぐ可能性がある。

■「まさか!」のために用意しておきたい

 感染に備えて、個人の判断で医薬品を購入する人も多い。心配なのは副作用のリスクだが、漢方薬は西洋薬に比べてそのリスクは少ない。

 漢方専門外来も行う「ココメディカルクリニック」の泉さくら院長が言う。

「西洋医学では、発熱なら解熱剤と症状に応じてピンポイントで薬を処方します。そのため、西洋薬を医師の診療なしで予防のために購入したり、投与することはリスクが伴います。一方、漢方薬は免役を高めることが目的の自然由来の生薬です。一部を除いて自身で購入し、西洋薬と併用したり、予防のために取り入れることも可能です。中国医学の古典に『正気存内、邪不可干』という有名な言葉がありますが、体内の免役が高ければ邪気ははね返せるという考えです。自宅療養に備えて自身で用意することが可能です」

 今回は、ドラッグストアや薬局で、個人単位で購入できる漢方薬を症状別に紹介してもらう。

■解熱剤を飲んだが熱が下がらない

「麻杏甘石湯」

「感冒症状を和らげる効果があります。古くから気管支炎や気管支ぜんそくに用いられた薬で、解熱薬で効果がないときに補います。汗をよくかく、口の渇きがあるといった症状が処方の目安になります」

■咳や鼻水がつらい

「麻杏甘石湯」「大黄甘草湯」「清肺湯」

「大黄甘草湯は、便秘薬としても知られます。体力に関係なく使え、『甘草』の成分が鼻水や咳を抑える役割を担います。清肺湯は、鼻詰まりや、粘りが強く切れにくい痰を出しやすくし、咳の症状を抑えます」

 清肺湯は、中国、台湾、韓国の「新型コロナ感染症治療のガイドライン」に記載され、日本感染症学会の特別寄稿文の中でも紹介されている。


吉村知事がブチ上げた新「大阪モデル」のリスクと勝算…抗体カクテルを打って打って打ちまくる

2021年09月23日 03時37分22秒 | 医科・歯科・介護

公開日:2021/08/19 14:30 日刊ゲンダイ

「大阪モデル」は重症患者減少の決め手となるのか――。

 新型コロナの新規感染者数が2296人と初の2000人超となった大阪府。重症者数は158人、自宅療養者数は1万58人と高い水準だ。府は軽症者の重症化を防ぐため、今月下旬から早期治療を実施する。宿泊療養施設で「抗体カクテル療法」を開始するほか、自宅療養者が外来病院で治療を受けられるように、40の新型コロナ受け入れ医療機関を設けた。

なかでも吉村洋文知事が最も力を入れているのが、「抗体カクテル療法」だ。18日の定例会見では、「大阪が要請した125の医療機関が薬剤を確保している。(抗体カクテルが)全部でどれくらいあるか分からないが、数が限られていても集中投下して重症者を減らす。数が足りなくなったら批判されるかもしれないが、今、使うべき。何もしないリスク、倉庫に眠らせておくリスクの方が高い」と鼻息が荒かった。


【阪神】首位陥落…打線低調で20日ぶり…矢野燿大監督「かえすところが、かえされへんからや」一問一答

2021年09月23日 03時33分00秒 | 野球

9/22(水) 21:36配信

スポーツ報知

3回、ベンチで険しい表情の矢野燿大監督

◆JERAセ・リーグ 中日2―1阪神(22日・バンテリンD)

 阪神が打線にあと1本が出ず、20日ぶりに首位から陥落した。

 先発の青柳は初回にビシエドの適時二塁打で先制を許したが、6回8安打2失点。粘って試合をつくったが、打線がつながらなかった。

 1点を追う3回2死満塁ではマルテが三ゴロに倒れ、6回は先頭の糸原が二塁打を放ったが、マルテ、大山、サンズが凡退。8回1死一、二塁ではマルテの左前適時打で1点を返したが、続く大山が中飛、サンズは見逃し三振に終わった。

 5連勝のヤクルトに勝率で上回られ、「マイナス0・5ゲーム差」で2位に後退した。23日から佐藤輝を1軍に復帰させる。試合後の矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。

 ―青柳は何とか粘っていた

 「そうやね、状態も、調子自体良かったと思うし。まあバッテリーで粘ってくれていたんで。打線やね、やっぱり」

 ―松葉はタイミングが取りづらかったか

 「そんなん、そんなふうには思わないけど、こっちの状態じゃないの」

 ―ヒットは出ているがつながりが

 「見たら分かるやん、かえすところがかえされへんからや」

 ―展開的にも序盤で取りたかった

 「まあまあ、いいところでな。上位がチャンスつくっていいところで回ってんねんけど、そこでマルちゃんに最後(適時打が)出たけど、4、5、6(番)、そこがね、かえすところでかえせないっていうのは、形はできているけど、そこでかえせないから点が入らないっていう。そこの状態がちょっと上がってもらわないと。投手が頑張っているんで」

 ―8回はたたみかけたかった

 「結果的にそれはそうなんだけど。又吉だって防御率見ても1点台前半の投手だからさ。そんな簡単にたたみ込んでいけるとは思わないけど。まあまあでも。もちろんたられば言えばいろんなことは出てくるけど、一つのことにスポットを当てられないようないろんなところに原因はあるかなと思っている」

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