夜中に目覚め、眠れぬままにテレビを観る。
今朝は、午前3時15分からのCSテレビのザ・シネマである。
この映画「恐怖の報酬」は、「地獄の報酬」などと記憶していたが、題名が違っていたのだ。
この映画を観たのは2か3度目である。
映画の背景である街は、実に荒んでいる。
異国の地で過去を引きずる人々、貧困と人間の荒廃、支配する人間と支配去れる人間。
誰もが、この地獄のような場所から離脱したいと機会・チャンスを願っているのだ。
愛や友情の世界も希望のように描かれているが、それさえ空しい現実なのだ。
「二百万人還る」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが一九五一年から五二年にかけて監督した作品で、中米を舞台に四人の食いつめ者がニトログリセリンを運搬するスリルを描いたもの。ジョルジュ・アルノーの小説をクルーゾー自身が脚色し、台詞をかいた。撮影は「夜ごとの美女」のアルマン・ティラール、音楽は「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックである。出演者はシャンソン歌手として日本にもよく知られるイヴ・モンタン(「失われた想い出」)、「独流」のシャルル・ヴァネル、クルウゾオ夫人のヴェラ・クルウゾオ(映画初出演)、「オリーヴの下に平和はない」のフォルコ・ルリ、「外人部隊(1953)」のペーター・ファン・アイク、「ヨーロッパ一九五一年」のウィリアム・タッブスなどである。なおこの作品は一九五三年カンヌ映画祭でグラン・プリを受賞、シャルル・ヴァネルが男優演技賞を得た。
1952年製作/フランス
原題または英題:The Wages of Fear Le Salaire de la Peur
配給:東和
劇場公開日:1954年7月25日
ストーリー
中央アメリカのラス・ピエドラスという町は世界各国の食いつめ者が集るところだ。コルシカ人マリオ(イヴ・モンタン)もその例外ではなかったが、彼には酒場の看板娘リンダ(ヴェラ・クルーゾー)という恋人がいた。そんな町へ、パリで食いつめた札つき男ジョー(シャルル・ヴァネル)が流れてきてマリオと親しくなった。ある日町から五〇〇キロ先の山の上の油井が火事になり、多くの犠牲者が出た。石油会社では緊急会議の結果、山上までニトログリセリンを運び上げ、それによって鎮火することにした。危険なニトログリセリン運搬の運転手は賞金つきで募集され、多く集った希望のない浮浪者の中からマリオ、ビンバ、ルイジ、スメルロフの四人が選ばれた。選に洩れたジョーは大いに不服だった。翌朝三時、マリオとルイジとビンバは約束通りやって来たがスメルロフは姿を見せず、ジョーが現れた。何故スメルロフが来ないのか、そんな詮索をする暇はない、ジョーが代りに加ってマリオとジョーの組が先発、三十分遅れてルイジとビンバの組が出発した。マリオの組は、ジョーが意外に意気地がなくて二人の協力がうまく行かず、後から来たビンバ組に追いこされてしまった。崖の中腹に突き出た吊棚の上を危うく通りぬけたのち、車は道路をふさいでいる大石のためストップしてしまった。しかし、沈着なビンバは少量のニトログリセリンを使用して大石を爆破し、無事に通りぬけることができた。そのあとは坦々とした行進がつづき、一同もほっとしたとき、突如ビンバの車が大爆発を起し、跡かたもなくけし飛んだ。爆発のあとは送油管が切れて石油がたまりかけていた。早くここを通りぬけないと油に車をとられて二進も三進も行かなくなる。マリオは思いきって車を油の中にのり入れた。そのとき、ジョーが油に足をとられて倒れたが、車を止めることができないばかりに、マリオは倒れたジョーの脚の上を通りぬけなければならなかった。そしてジョーを助け上げ、介抱しながらようやく目的地につくことができたが、そのとき、ジョーは既に息絶えていた。ニトログリセリンのおかげで火事は消しとめられ、マリオは賞金四千ドルをもらった。重責を果して空車を運転しながら帰途につくマリオの心は軽かった。しかし、リンダとの幸福な生活を眼前にしてはずむ彼の心を魔が捉えたのか、僅かのカーヴを切りそこねたトラックは、希望に開けたマリオをのせてもんどりうって崖下に転落した。
全文を読む(ネタバレを含む場合あり)
モノクロのフィルムから映し出される寂れた雰囲気そのままに前半は驚くほどのスローテンポな展開なのに対し、後半の身体が硬直してしまい呼吸を止めてしまうくらいの緊張感しか無いストーリーは、名匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の代表作😐
ニトログリセリンという衝撃で爆発するアホな危険物をオンボロトラック2台で目的地まで無舗装の道路を運搬するサーカスみたいな仕事を請け負う話なんだけど、マ王はこの映画が好きである✨
今の映画批判にもなるけど、映像技術やCGの進歩は見た事無い映像まで可視化してくれるサービスと化した🥸
当然、観る側は迫力たっぷりの映像を求めて(製作者もそれに応えて)映画館に足を運ぶ次第なんだけど、一度観た映像に
「二百万人還る」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが一九五一年から五二年にかけて監督した作品で、中米を舞台に四人の食いつめ者がニトログリセリンを運搬するスリルを描いたもの。ジョルジュ・アルノーの小説をクルーゾー自身が脚色し、台詞をかいた。撮影は「夜ごとの美女」のアルマン・ティラール、音楽は「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックである。出演者はシャンソン歌手として日本にもよく知られるイヴ・モンタン(「失われた想い出」)、「独流」のシャルル・ヴァネル、クルウゾオ夫人のヴェラ・クルウゾオ(映画初出演)、「オリーヴの下に平和はない」のフォルコ・ルリ、「外人部隊(1953)」のペーター・ファン・アイク、「ヨーロッパ一九五一年」のウィリアム・タッブスなどである。なおこの作品は一九五三年カンヌ映画祭でグラン・プリを受賞、シャルル・ヴァネルが男優演技賞を得た。
1952年製作/フランス
原題または英題:The Wages of Fear Le Salaire de la Peur
配給:東和
劇場公開日:1954年7月25日
ストーリー
中央アメリカのラス・ピエドラスという町は世界各国の食いつめ者が集るところだ。コルシカ人マリオ(イヴ・モンタン)もその例外ではなかったが、彼には酒場の看板娘リンダ(ヴェラ・クルーゾー)という恋人がいた。そんな町へ、パリで食いつめた札つき男ジョー(シャルル・ヴァネル)が流れてきてマリオと親しくなった。ある日町から五〇〇キロ先の山の上の油井が火事になり、多くの犠牲者が出た。石油会社では緊急会議の結果、山上までニトログリセリンを運び上げ、それによって鎮火することにした。危険なニトログリセリン運搬の運転手は賞金つきで募集され、多く集った希望のない浮浪者の中からマリオ、ビンバ、ルイジ、スメルロフの四人が選ばれた。選に洩れたジョーは大いに不服だった。翌朝三時、マリオとルイジとビンバは約束通りやって来たがスメルロフは姿を見せず、ジョーが現れた。何故スメルロフが来ないのか、そんな詮索をする暇はない、ジョーが代りに加ってマリオとジョーの組が先発、三十分遅れてルイジとビンバの組が出発した。マリオの組は、ジョーが意外に意気地がなくて二人の協力がうまく行かず、後から来たビンバ組に追いこされてしまった。崖の中腹に突き出た吊棚の上を危うく通りぬけたのち、車は道路をふさいでいる大石のためストップしてしまった。しかし、沈着なビンバは少量のニトログリセリンを使用して大石を爆破し、無事に通りぬけることができた。そのあとは坦々とした行進がつづき、一同もほっとしたとき、突如ビンバの車が大爆発を起し、跡かたもなくけし飛んだ。爆発のあとは送油管が切れて石油がたまりかけていた。早くここを通りぬけないと油に車をとられて二進も三進も行かなくなる。マリオは思いきって車を油の中にのり入れた。そのとき、ジョーが油に足をとられて倒れたが、車を止めることができないばかりに、マリオは倒れたジョーの脚の上を通りぬけなければならなかった。そしてジョーを助け上げ、介抱しながらようやく目的地につくことができたが、そのとき、ジョーは既に息絶えていた。ニトログリセリンのおかげで火事は消しとめられ、マリオは賞金四千ドルをもらった。重責を果して空車を運転しながら帰途につくマリオの心は軽かった。しかし、リンダとの幸福な生活を眼前にしてはずむ彼の心を魔が捉えたのか、僅かのカーヴを切りそこねたトラックは、希望に開けたマリオをのせてもんどりうって崖下に転落した。
全文を読む(ネタバレを含む場合あり)
ニトログリセリンという衝撃で爆発するアホな危険物をオンボロトラック2台で目的地まで無舗装の道路を運搬するサーカスみたいな仕事を請け負う話なんだけど、
監督はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー、出演はイヴ・モンタンとシャルル・ヴァネルなど。
中米を舞台に、危険なニトログリセリンを運ぶ仕事を請け負った4人の男たちを描いている。
原作はジョルジュ・アルノー(英語版)の小説『Le Salaire de la peur』。
1953年4月に開催された第6回カンヌ国際映画祭にてグランプリと男優賞を、同年6月に開催された第3回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。
ストーリー
ベネズエラの場末の街ラス・ピエドラス。そこは職が無く、食い詰めた移民達が日々何もすることもなく暮らしている。マリオ(イヴ・モンタン)もその一人であった。そこに、ホンジュラスからジョー(シャルル・ヴァネル)がやってきた。マリオとジョーは同じフランス人、意気投合しながら遊んでいた。
そんなある日、500 km先の油田で火災が起きた。石油会社は爆風を利用して火を消し止めるため、現場までニトログリセリンをトラックで運ぶことに決めた。安全装置のないトラックでニトロを運ぶのは命がけである。そこで街の食い詰め者に2,000ドルの報酬で運ばせることにした。
選ばれたのは、マリオ、ジョー、ルイージ(フォルコ・ルリ)、ビンバ(ペーター・ファン・アイク)の4人で、彼らは2台のトラックに分かれ、500 km先の目的地に向かう。
道中は、洗濯板のような悪路(Washboarding)、転回困難な狭路、落石など、いろいろな障害が待ち受ける。
マリオと組んだジョーは怖じ気づいてしまい、運転はマリオ任せにして、何かあるとすぐに逃げ出す。「何もしないで2,000ドルか」となじるマリオに対して、ジョーは「この2,000ドルは運転の報酬だけではない、恐怖に対する報酬でもあるのだ」と答える。
さまざまな障害を何とか乗り越え、4人は目的地まで比較的安全な道だけを残すに至る。しかし、安心したのも束の間、前方を走っていたルイージとビンバのトラックがふとした油断で爆発し、遺体を含めて跡形もなくなる。
その爆発の影響で原油管が破損し、道の窪みに大量の原油がたまる。
マリオとジョーのトラックはそこを一気に走り抜けようとするが、その際に障害物をどかすためにトラックの前にいたジョーが轢かれ、片足に大怪我を負い、結局、目的地に到着する直前で死ぬ。
何とか任務を完了したマリオはジョーの分を含めて4,000ドルの小切手を受け取り、嬉々として帰路につく。しかし、浮かれ過ぎたマリオは運転を誤り、トラックは崖下に転落してマリオは死ぬ。
公開
1953年4月15日、第6回カンヌ国際映画祭で上映された。同年4月22日、フランスで公開された。同年4月29日、カンヌ国際映画祭は閉幕し、グランプリと男優賞(シャルル・ヴァネル)を受賞した。
同年10月18日から28日にかけて第1回「フランス映画祭」がユニフランス・フィルムの主催により、東京都の第一生命ホールと新丸ビル・ホール、大阪市の大阪ガスホールと朝日会館、京都市の公楽会館で開催された。
『夜ごとの美女』『浮気なカロリーヌ』『嘆きのテレーズ』『裁きは終りぬ』『恐怖の報酬』『失われた想い出』『陽気なドン・カミロ』『肉体の悪魔』『輪舞』の計9本の長編と、短編2本が上映された。
本作品は10月22日に上映された。アンドレ・カイヤット、ジェラール・フィリップ、シモーヌ・シモンが映画祭に参加するため来日した。
そして1954年7月25日、日本で一般公開された。
前半部にアメリカに対して批判的な描写がある為大幅にカットされ、各国で公開されたときはそれが標準版とされた。
1991年にカットされた部分を一部復元した148分版がリリースされた。
2017年にオリジナルネガに基づき4K対応を行ないBlu-ray、DVDでリリースされた[5]。
キャスト
- 作品の評価
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「実存的サスペンスの古典である『恐怖の報酬』は、ノンストップ・サスペンスと辛辣な皮肉が融合しており、その影響は今日のスリラーにもいまだに感じられる。」であり、45件の評論の全てが高評価で、平均点は10点満点中8.92点となっている。 Metacriticによれば、15件の評論のうち、高評価は13件、賛否混在は2件、低評価はなく、平均点は100点満点中85点となっている。