今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「私は広告をするのも好きだが見るのも好きで、記事より広告のほうを信用していると言って、なぜと怪しまれたことがある。
普通は記事を信じて広告を信じない。広告は自分に有利なことを言って不利なことを言わない。それさえ承知していればだまされることはない。
自分の不利を言わないことは裁判でさえ許されている。そのつもりで広告を皆さん割引いて見るから安全なのである。記事は書くほうも本当だと思って書くし、読むほうも本当だと思って読むから気をつけなければならないのに、気のつけようがないから長い目で見ると結局はだまされるのである。」
(山本夏彦著「『豆朝日新聞』始末」文春文庫 所収)
「私は広告をするのも好きだが見るのも好きで、記事より広告のほうを信用していると言って、なぜと怪しまれたことがある。
普通は記事を信じて広告を信じない。広告は自分に有利なことを言って不利なことを言わない。それさえ承知していればだまされることはない。
自分の不利を言わないことは裁判でさえ許されている。そのつもりで広告を皆さん割引いて見るから安全なのである。記事は書くほうも本当だと思って書くし、読むほうも本当だと思って読むから気をつけなければならないのに、気のつけようがないから長い目で見ると結局はだまされるのである。」
(山本夏彦著「『豆朝日新聞』始末」文春文庫 所収)