今日の「お気に入り」。
「 フリーで仕事をしていくための心の持ちようとして、どんなときでも自信を失わない
ことだと言う人がいます。
しかし、自信なんてものは、気球のように大きく上がったと思うと、次の瞬間にはシャ
ボン玉のようにはじけ飛んでしまうものだということは、こんな仕事をしている人間なら、
誰もが身に沁みて分かっていることです。
たとえ海の底に沈んでも、人間の肉体には浮力があるのだから、また水面に浮かび上がる
ことが出来る。そう思える楽天性が、浮き沈みの激しい仕事には必要不可欠なのです。
そう言えば、海で漂流したときに、悲観的な考え方をする人間から先に死んでいくという
話を聞いたことがあります。
職業には関係なく、生きていくために一番必要なことは、楽天的であることかもしれません。」
(鎌田敏夫著「来て!見て!感じて!」海竜社刊 所収)