今日の「お気に入り」。
「 仕事で大きなミスをしたときにはどうすればいいか。それはもう絶対に失敗を認めることだ。
言い訳はいらない。逆になぜミスを認めない人がいるのかがわからない。意味のない保身をし
たいのか、変なプライド(人間の尊厳とか、矜持とは違う平俗な自尊心)がそうさせるのか。
確かに仕事を始めると上司から『プライドを持て』と言われるような場面がある。だがその
言葉には語られていない部分がある。プライドとは、『持て』と言われて持てるものではない。
プライドを持つためには、それに相当するだけの努力や訓練、そして結果が必要なのである。
自分の力を蓄えていって、どこから攻められても大丈夫なだけの『自分の鉄の鎧』というもの
を築き上げていかなければならない。そういう武器というか、腕っ節というものを身に付けて
いることが大前提だ。『いつでも死ねる』といった、身を捨てるような覚悟も必要だ。それが
なくてプライドだけ持つというのはどうしようもない。」
(なかにし礼著「人生の教科書」ワニブックス刊 所収)