先日、久しぶりにシロモジのことが話題となりました。
以前に何度か、ブログでシロモジのことを書いていますので、また?と思われる方もいるかもしれませんが、シロモジの利用について知ってから積極的に情報発信してやろう!と思うようになっていますので、性懲りもなく書きます。
私がシロモジのことを知ったのは岐阜県にやってきてからです。
葉の形に特徴があるので、植物の分類が苦手な私でもすぐに覚えることができました。
覚えてからしばらくして、森林インストラクターを目指そうと思い勉強を始めた頃、観察会に参加しました。
その時にシロモジのことを葉の形が恐竜の足跡に似ているなんている説明を聞きました。
その時の感想は、申し訳ないですが「面白く無いな~」。でした・・・・
その後、耳にしたのは天然更新を阻害する低木性種といった話ばかりで、ろくなものはありませんでした。
クスノキ科クロモジ属であるシロモジは、近縁種であるクロモジと比較すると利用も無く、単なる雑木でしかないのかとずっと思っていました。
そんな今から15年ほど前でしょうか?下呂市萩原町内で花の奇麗な木を残す森の手入れをボランティア作業で行うことになりました。
その時、何故か私が樹種選定をして説明する立場となったので、参加されている方々の前で「エゴノキを残してシロモジを伐ってしまいましょう」と説明すると、参加されていた年配の方が「エゴノキもシロモジを分からない、教えてくれ!」と言われたので、最初にエゴノキを指さしをして説明したら「チシャノキを残すのか」と言われ、次にシロモジを指さしたら「ホウサケか」と言われました。
そして「管理人さん、俺たちに分かるように説明してくれないとダメじゃない」でした・・・。
そんな、やりとりのおかげでシロモジのことを飛騨地方の方言がホウサケであることを知りました。
当時、私は薬草に関わっていたので、飛騨地方の風土記の一つである斐太後風土記から薬草の利用を調べようと植物に関する記述を探していました。
その作業の中で、大野郡山之口村(現在の下呂市萩原町山之口)の記述の中に「ホウサケ 子をとりて油とすと云」という記述を見つけました。
明治6年に編纂された斐太後風土記は江戸末期の飛騨地方のことが書かれているので現代語訳をしていかないと何が書かれているか分かりませんので現代語訳をすると、ホウサケは先に書いたようにシロモジ、子とは種子となりますので、「シロモジの種から油を採った」ということになります。
その後、更に読み進めるとシロモジが分布する地域の、いくつかの村の産品の中にホウサケという記述が混ざっていました。
それを読んで、飛騨地方では、油を採るためにシロモジの種子が流通していることが読み取れました。
それを知ったので、周囲の方に話をしたところシロモジの種子から油を採ったことを知っている方に出会いませんでした。
その変わりに、シロモジは、よく燃えるので、山で焚火をする時の焚き付けに使うという話を聞きました。
先日も下呂市の知人から、山で焚火に使う木の図鑑での名前を教えてくれということで写真を見たらシロモジが写っていましたので、今でも下呂市内の山仕事の方々が山で焚火をする時の焚き付けにシロモジは使われています。
当時、多くの方にシロモジのことを話題として聞きましたが、残念ながら下呂市内ではシロモジの種子から油を採った、具体的な話を聞くことができませんでした。
その後、郡上へ移りすみ、ブログを始めたばかりの頃、郡上市白鳥町でシロモジのことを話題としたところ、「白鳥ではヤッカチといって、種から油を採ったぞ」と言われました。すかさず「油は何に使ったのですか?」と聞いたところ、「灯明だよ」と教えてくれました。
郡上で聞いたことから、恐らく斐太後風土記に産品として流通していたのは灯明の油を採るためだったと、ようやく結論づけることができました。
今でこそ雑木として、やっかいな存在ですが、種子から油が採れるシロモジは。電気が無い時代には重要な植物であったことが分かりました。
近縁種のクロモジは爪楊枝になること、独特な芳香がアロマとして使われる他、烏樟 [ウショウ]という生薬となり養命酒に配合されていたり、飛騨地方の輪カンジキの材料となることなど、様々な利用が今でも見ることができます。
それに対抗するわけではないですが、シロモジを今の時代にあった利用ができないものかと、最近考えていますが、なかなか妙案が無いです。
ちなみに、この事実を知った私は、森を案内する機会があった時にシロモジがると、以前、私が聞いた「葉が恐竜の足跡に似ている」なんて話はしなくなり、自ら調べて知ったことを話すようになりました。(管理人)
早春に咲く花は奇麗ですね。花木として販売されているのですが、私は庭に植わっているのを見たことが無いので、ごくごく少量だと思います
油を採るために種子採取をしたのですが、見事に挫折。ただ果実をライターで焙ったら着火したので油分が多いのは確認できました。
ちなみに、シロモジは雌雄異株です。
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以前に何度か、ブログでシロモジのことを書いていますので、また?と思われる方もいるかもしれませんが、シロモジの利用について知ってから積極的に情報発信してやろう!と思うようになっていますので、性懲りもなく書きます。
私がシロモジのことを知ったのは岐阜県にやってきてからです。
葉の形に特徴があるので、植物の分類が苦手な私でもすぐに覚えることができました。
覚えてからしばらくして、森林インストラクターを目指そうと思い勉強を始めた頃、観察会に参加しました。
その時にシロモジのことを葉の形が恐竜の足跡に似ているなんている説明を聞きました。
その時の感想は、申し訳ないですが「面白く無いな~」。でした・・・・
その後、耳にしたのは天然更新を阻害する低木性種といった話ばかりで、ろくなものはありませんでした。
クスノキ科クロモジ属であるシロモジは、近縁種であるクロモジと比較すると利用も無く、単なる雑木でしかないのかとずっと思っていました。
そんな今から15年ほど前でしょうか?下呂市萩原町内で花の奇麗な木を残す森の手入れをボランティア作業で行うことになりました。
その時、何故か私が樹種選定をして説明する立場となったので、参加されている方々の前で「エゴノキを残してシロモジを伐ってしまいましょう」と説明すると、参加されていた年配の方が「エゴノキもシロモジを分からない、教えてくれ!」と言われたので、最初にエゴノキを指さしをして説明したら「チシャノキを残すのか」と言われ、次にシロモジを指さしたら「ホウサケか」と言われました。
そして「管理人さん、俺たちに分かるように説明してくれないとダメじゃない」でした・・・。
そんな、やりとりのおかげでシロモジのことを飛騨地方の方言がホウサケであることを知りました。
当時、私は薬草に関わっていたので、飛騨地方の風土記の一つである斐太後風土記から薬草の利用を調べようと植物に関する記述を探していました。
その作業の中で、大野郡山之口村(現在の下呂市萩原町山之口)の記述の中に「ホウサケ 子をとりて油とすと云」という記述を見つけました。
明治6年に編纂された斐太後風土記は江戸末期の飛騨地方のことが書かれているので現代語訳をしていかないと何が書かれているか分かりませんので現代語訳をすると、ホウサケは先に書いたようにシロモジ、子とは種子となりますので、「シロモジの種から油を採った」ということになります。
その後、更に読み進めるとシロモジが分布する地域の、いくつかの村の産品の中にホウサケという記述が混ざっていました。
それを読んで、飛騨地方では、油を採るためにシロモジの種子が流通していることが読み取れました。
それを知ったので、周囲の方に話をしたところシロモジの種子から油を採ったことを知っている方に出会いませんでした。
その変わりに、シロモジは、よく燃えるので、山で焚火をする時の焚き付けに使うという話を聞きました。
先日も下呂市の知人から、山で焚火に使う木の図鑑での名前を教えてくれということで写真を見たらシロモジが写っていましたので、今でも下呂市内の山仕事の方々が山で焚火をする時の焚き付けにシロモジは使われています。
当時、多くの方にシロモジのことを話題として聞きましたが、残念ながら下呂市内ではシロモジの種子から油を採った、具体的な話を聞くことができませんでした。
その後、郡上へ移りすみ、ブログを始めたばかりの頃、郡上市白鳥町でシロモジのことを話題としたところ、「白鳥ではヤッカチといって、種から油を採ったぞ」と言われました。すかさず「油は何に使ったのですか?」と聞いたところ、「灯明だよ」と教えてくれました。
郡上で聞いたことから、恐らく斐太後風土記に産品として流通していたのは灯明の油を採るためだったと、ようやく結論づけることができました。
今でこそ雑木として、やっかいな存在ですが、種子から油が採れるシロモジは。電気が無い時代には重要な植物であったことが分かりました。
近縁種のクロモジは爪楊枝になること、独特な芳香がアロマとして使われる他、烏樟 [ウショウ]という生薬となり養命酒に配合されていたり、飛騨地方の輪カンジキの材料となることなど、様々な利用が今でも見ることができます。
それに対抗するわけではないですが、シロモジを今の時代にあった利用ができないものかと、最近考えていますが、なかなか妙案が無いです。
ちなみに、この事実を知った私は、森を案内する機会があった時にシロモジがると、以前、私が聞いた「葉が恐竜の足跡に似ている」なんて話はしなくなり、自ら調べて知ったことを話すようになりました。(管理人)
早春に咲く花は奇麗ですね。花木として販売されているのですが、私は庭に植わっているのを見たことが無いので、ごくごく少量だと思います
油を採るために種子採取をしたのですが、見事に挫折。ただ果実をライターで焙ったら着火したので油分が多いのは確認できました。
ちなみに、シロモジは雌雄異株です。
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