と~ま君の部屋

楽しい老後を送りたいとやっています。所詮人生回り道。修士(人間学、仏教学)。ぼけ防止・脳のリハビリでやってるブログです。

海が隔てる異界

2013年02月18日 23時13分22秒 | 大学院博士ごっこ2012年から2015年

 石垣島に御神崎という岬がある。愚生は今回の旅で、この岬に行くのを最も楽しみにしていた。神の降りる岬なのである。あいにくの雨で、暖かいのではあるが、愚生のよからぬ根性をせせら笑っておられるようで、なんだか寒々しかったのである。こういう心的状態だから、ろくなものが書けないのだなと思ったのだった。

 しかしである。この石垣島に神はどこから来られたのであろうか。想像をたくましくするしかないのだが、それもまた楽しみの一つである。旅をするということはそういうことである。中華民国まで200キロちょっとであるから、中国文化の影響を受けたのであろうか。あるいは、別の伝統があるのだろうか。マレビトということを民俗学では言うが、石垣島にも同じような言葉がある。マレビトでは無く、別の呼称もある。しかも、それは水平方向の比較対象ではなくて、上下の深度を伴う文化であるのかもしれないのである。これが非常に興味深いことなのである。

 まだまだ石垣島のことは読書ノートをとっている段階であって、書けないのであるが。この程度しか。

 この御神崎も立ち入り禁止となっており、人々は大切にしているところである。愚生はむろん遠くから眺めていただけである。足を踏み入れてはならない場所なのである。これは守るべきである。育った奥羽山脈で山番の方に何度も会ったことがあったが、こういう方々にもリスペクトを忘れてはならない。しかし、世の中にはふざけた奴もいて、すぐ排除の論理でくだらぬことを言い始めるのがいる。よほどご自分の血筋がいいと自惚れているのか、山の中の人とか、離島の人を異端の人として排除する。あんたは、そんなに血統書つきのおよろしき血筋なんかね?と愚生はお聞きするのが常だが。

 だから写真撮影禁止となっている村落のマツリは、絶対撮影禁止なのだ。ことは、信仰の問題である。その禁止事項を守らなかったら殺されたって文句は言えない。取材とかなんとかと言ってやっちゃぁおしめぇですよ。

 外部からの来訪者(異人、マレビト)を歓待する風習は、各地で普遍的にみられる。その理由は経済的、優生学的なものが含まれるが、この風習の根底に異人を異界からの神とする「マレビト信仰」が存在するとされている。

  「マレビト」の呼称は折口信夫によって提示されたが、彼は「客人」を「マレビト」と訓じて、それが本来、神と同義語であり、その神は常世の国から来訪することなどを現存する民間伝承や記紀の記述から推定した。「国文学の発生〈第三稿〉」(『古代研究』所収)

 常世とは死霊の住み賜う国であり、そこには人々を悪霊から護ってくれる祖先が住むと考えられていたので、農村の住民達は、毎年定期的に常世から祖霊がやってきて、人々を祝福してくれるという信仰を持つに至った。その来臨が稀であったので「マレビト」と呼ばれるようになったという。

 マレビトは祭場で歓待を受けたが、やがて外部から来訪する旅人達も「マレビト」として扱われることになった。『万葉集』東歌や『常陸風土記』には祭の夜、外部からやってくる神に扮するのは、仮面をつけた村の若者か旅人であったことが記されている。さらに時代を降ると「ほかいびと(乞食)」や流しの芸能者までが「マレビト」として扱われるようになり、それに対して神様並の歓待がなされたことから、遊行者の存在を可能にし、貴種流離譚(尊貴な血筋の人が漂泊の旅に出て、辛苦を乗り越え試練に打ち克つという説話類型)を生む信仰母胎となったのだそうな。

 ここが最も愚生の興味をひくところである。鬼来迎との関わりである。

  来訪神のマレビトは神を迎える祭などの際に、立てられた柱状の物体(髯籠・山車など)の依り代に降臨するとされた。その来たる所は海の彼方(沖縄のニライカナイに当たる)、後に山岳信仰も影響し山の上・天から来る(天孫降臨)ものと移り変わったという。

 だから興味があるのである。

 そして異界は、水平方向だけではなく、上下の方向にもあるのかもしれないということが考えられ得るのではないかと思っているのだ。石垣島にある鍾乳洞もまたその仮説の原因でもある。愚生にとっては。

 石垣島からいただいた大きなプレゼントであった。世の中はバレンタインなんとかで盛り上がっていたが、愚生は石垣島から非常に大きなチョコレートをいただいたのだ。わはははである。

 

 明日は、大学が休みに入ったので、最初県立図書館で能楽の古文書の複製本を借りられたので、それを借り出して大学図書館に行く。

 古文書辞典を古書店チェーンから買ったから、部分コピーをしたものに、解読作業を書き込んでいく。かの有名な法政大学の能楽研究所の発行になっている本である。そして、石垣島の民俗をもっと深めなくてはならない。全部深いところでつながっているからである。

 Wordの最新バージョンも買ったし。これでまた大いに書くことができるのだ。楽しみ、楽しみである。

 

 (^_-)-☆

 

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