NHK大河ドラマ「花の乱」をレンタルビデオ店から借りて、鑑賞し始めた。ご存じ日野富子である、主人公は。不人気大河ドラマの頂点を極めた「花の乱」だそうだが、このドラマきわめて美しい。しかも、能がバンバン出てくる。
さらに、表 章先生の監修になっている。これは見なくちゃならんというわけで見始めている。まだ最後まで見ていないから、見終わってからまたここにカキコみたいと思うが。
日野富子は、応仁の乱に深く関わったお金持ちの悪女とされているが、歴史的にどうのこうのというより、ボクには非常に興味深い存在なのである。中世日本古典文学を標榜する以上避けて通れないお方である。
しかしである。「悪女」なんて本当にいるのだろうか?悪女ととられる言動をとるようになったという、あるいはそこまで追いつめたという遠因はあったとしても。むしろその方が問題なのではないかと思うのである。
日野富子が悪女と言われるのは、夫に問題がある。将軍足利義政である。働かない夫の代表選手である。将軍が働かないどころか、常時そこから逃げよう、逃げようとしていたのではたまらない。お姫様の日野富子だから生活が可能だったのだろうが、これが庶民の奥様だったらキレルだろうに。
稼ぐ女であったことも悪女に仕立てあげた遠因であろう。なにしろ大金持ちであったからである。無理もない。働かない旦那をもって、仕事もしないのでは、自分がしっかりしなくちゃならん。
ある意味かわいそうな悪女であるのだと思っている。
まだ大河ドラマを見終わっていないので、なんとも言えないが、この番組と能楽がどう関連してくるのかということに興味がある。なにしろ碩学の表 章先生の監修である。だから興味を持っているのだ。
しかし室町時代というのはおもしろい時代である。これまではあまり好きではなかったが、戦国の世を迎えてなぜ滅亡していったのかということでは現代人も注意しなくてはならない。
庶民が芸能に夢中になっているということもそうだが、それよりも政治がめちゃくちゃであったのだと感じるのだ。現代は、テレビ番組を見ても芸能ばっかりやっている。政治はどうだろう。ま、あまり好きではない分野であるが。
逃げ出しているのが多くなっていはしまいか。仕事から、あるいは義務から、あるいはミッションから、あるいは面倒な人間関係から。足利将軍義政のように。
そこで問題なのが、雇用の問題である。若い人の働き場所がないというのは、論外である。ボクは、このことを最も心配しているのだ。こんな若い人に不公平な国がどこにあろうか。働きたいのだから、その場をおおいに作っていただきたいのである。でないと、国力が衰えてしまう。何かと言えば、人件費がかかるというロジックはどっかにごまかしがある。人件費がかかるからといって、コストの安い国に生産拠点を移していって、東南アジアのあの争乱はなんだったのだろうかと思っている。なんでもかんでも、費用のかからないことを良しとすることはいかがなものか。
人件費が安ければいいのだということは、教育もそうなのだろうかと疑問に思っているのだ。これも何度も言ってきたが、教育を経済の論理で語ってはならないと思うのである。教育は目に見えない「雰囲気」というものが大きな要素を占めている。人格的影響とか、知性や、生き方、あるいはスポーツに打ち込む姿、実験・実習に取り組む先生の姿などに影響されるのである。このことだけに限っていえば、ソクラテス以来の伝統があるというわけである。ボルノウという哲人がそのことをいろいろな本で説明してきている。今回の道徳教育の論文でも参考にさせていただいたが。
話を元に戻す。(いつもこうだ・・)
だから、いつの間にかこの平成の時代がわけのわからない方向に行ってしまって、滅んでしまってはならないと思う。室町の人々だって、知らないうちに戦国時代になっていて、織田信長や豊臣秀吉あたりが出てきて、あれよあれよという間に江戸時代になってしまったのではないかと思うのである。時代の変化は、そこに生きている人間にとって把握不可能であって、後から思うと、あ、あのときが転換点であったのだというようなものだったんのではないのだろうか。
では・・・・
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