郷土史デビュー
平成25年5月25日(土)のことである。郷土史の研究団体の年次総会があって、愚生は雑用係りとして参加させていただいた。楽しみにしていたから、朝の6時50分には電車に乗っていた。会場は千葉県文化会館であった。9時から4時まで。ちなみに、フォトの中に映っている掲示物は、愚生が貼った。
「初々しい新人であります」と言おうと思っていた。
郷土史に今般デビューさせていただきました「と~ま」でございます。てな具合に、新人としてのご挨拶をしようと考えていた。郷土史研究連絡協議会の年次総会の後に懇親会が予定されていたからである。当然のように愚生は出席させていただいた。
ところが、全く違った展開になった。愚生の自己紹介になって。
「職業は、おじぃーさんでございます」から始めた。
もう奔放そのものである。決まり切ったことなんか言わないことにした。そういうのは、現役時代で十分だから。
「定年で退職後に」
「東金にある城西国際大学に、じじい学生として入学させていただきました。現在花も恥じらう二年生です」
ここで、聞いている方のお耳をこっちにむけさせるわけである。
「月曜日は、女房に作ってもらった弁当を持って、るんるんと城西国際大学の院生室に出かけます。火曜日は、若手の研究者に汚いじじいが混じってゼミを受けております。水曜日もまたまたるんるんと出かけます。木曜日は、銚子の大学で・・・」
ここでとちった。「銚子の大学で、教わっています」と言っちゃった。混乱してくるのだ。あっち行って習って、こっち行っておせーてってなんだかよくわからなくなっちまう。正解は、銚子の大学で非常勤講師ですとやったけれども。
「金曜は、また城西国際大学に舞い戻って、3年間ご指導いただく先生のゼミであります」と申しあげたのである。懇親会のメンバーに、博物学の大学の教授がおられるから、ご理解いただけるように説明をしなくちゃならない。
まったく、動く宣伝塔である。愚生は。こういうのを老人大学あたりでくっちゃべったら、オレもやってみたいと思う人が出てくるかもしれない。
ま、やる気はないが。
楽しいもんだねぇ。
「定年退職後は、ネコと、テレビと、こたつを共にしていると、あっという間に死んでしまう」と懇親会で郷土史の大先輩が自己紹介で言っておられた。90歳になんなんとする方である。愚生が、まだ二十代のころから、ご指導をいただいていた先生である。奥様を17年前に亡くされた。以来、ずっと一人暮らしである。そして、各地を講演されてもいる。知識が凄いのだ。生きた歴史のデータベースである。尊敬申しあげている。
オレは、この大先輩のように加齢をしていきたいものだと思っている。
つまり、「ネコから相手にされない」「テレビは、オレに見つめられると嫌がって電源が切れる」「こたつは、オレの足が臭いとこたつの方からオレを拒否する」というような生き方をしていけばぇぇんじゃ。(^0^)
と、ここまで書いて、あっと気がついた。これ全部モテない男のパターンでござりまするよん。
言い換えるとこうなる。
「女性から相手にされない」「女性は、オレに見つめられると嫌がって電源が切れる」「女性は、オレの足が臭いと女性の方からオレを拒否する」
わはははははである。
楽しい懇親会であった。カラオケなんか全くない。あんなのちっとも面白くない。一生分やっちまったしなぁ。
日本酒をおいしくいただいていた。
最初は、千葉県の美酒「木戸泉」を。言い間違えて「水戸泉」とやってしまったもんだから、「お~い、と~ま君よ。そりゃぁ、相撲取りの名前だよ」と指導されてしまった。また間違った。そそっかしいこと限りなし。されど、周囲を爆笑させる名人でもあるなぁ。自虐・・・・わざとやっただろうて?とんでもない。マジに間違ったんでしゅぅ。
二本目以降は、ふるさと出羽の国の「出羽桜」というオレの好きな日本酒をちびちびとやっていた。旨かったなぁ。フルーティで。ワインみたいな日本酒でありますよん。熊本の「美少年」も好きだが、じじいには似合わない。名前が。それに、あの酒、まだ売っているのかね?知らないけど。しかし、愚生は呑めねぇくせして、日本酒が好きだねぇ。会長も、お、これはおいしいお酒であると言っておられたし。
昨日を境に、オレの勉強の機会がさらに増えたことになる。
感謝である。
こんなジー様でも、やる気さえあれば、生きがいを持つことのできる場所はあるのだよと思った。城西国際大学もそう。あと1年半しか在学できないけど。それが今の最大の悩みじゃ。ま、放り出されても、オレはどっかの山の中で、しぶとく「翁」として生きていくんじゃろうなぁ。
わはは、わははと毎日笑いながら。気楽に。自分の声の木霊を聞きながら。
けふは、居住地の大図書館で勉強しよう。
それではまたお会いしましょう。
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