ヨガの教えのなかには生と食の話があります。ヨガとは古代サンスクリット語で「つなぐ」という意味ですが。「宇宙」と「生命」を「つなぐ」という意味があります。これは中国でいう仙道とも通じるものがあります。仙道では君薬といって小食にして栄養素が詰まった君薬を浄化のために用います。食べ過ぎは不健康への道であり悪への道でもあります。
しかし高度成長期の中でニホンジンはいっぱい食べれることが幸せと刷り込まれました。白米へのあこがれもそうですが、飽食と洋食と中国食と韓国食の普及、ラーメンやパスタやパン食などの普及は、まさにそのなれの果てだといえます。どうしてもそのような食事ばかりだと飽食になってしまうのです。
そもそも野生動物は病気になった時、何も食べずじっとして治すのが基本です。もちろん現代の社会毒事情を考えると、なんでも断食で治せるほど甘くありませんが、それでも現代病の多くに適応できる治療でもありますし、予防法でもあります。これは自然治癒力の鼓舞でもあり、自然との一体化でもあります。空腹時に本能や生命力が鼓舞されるのは偶然ではありません。
私は一日一食か二食です。でも別に我慢しているわけではなく、腹持ちがいいので無理に食べたいと思わないのです。食欲がわいてきたときは一日二食になるだけですね。ただしその食事にはいいものを使いますので単価は高い方だと思います。よく自然食などにするとお金が高くなるといわれますが、いいものを適量食べる方がおいしいし体にいいしお金も気になりません。この数年風邪や感染症など一度もひいたことはありません。
砂糖や甘味料やうまみ料、添加物や加工食品はこれらを狂わせますので避けましょう。別にむずかしい話でなく本物を食べていれば落ち着くところに落ち着きます。食べてしまう人はまず三回食を二回食にしましょう。それだけでおカネも食にかける無駄な時間も、自分の医療費も外資への無駄は保険料もカットできます。栄養学的や代替医学的にいえば生命力豊富な食材を食べるようにして、GI値が低いものを食べるようにすることが重要です。
医学だけでなく食などの問題をよく取り上げていますが、もしかしたらそれと同じかそれ以上に重要な問題があります。それが空気であり息であり呼吸法です。実は盲点になっていますが、空気は食う気であり息は生きと表現できるのも面白いことだと思います。ここでは長息と腹式呼吸について書いてみます。これは誰でもできることなのでどうぞ拡散してください。
長息は文字通り一つの息を長くすることであり、やろうと思えば誰でもできることです。あらゆる古代的な手法論が長い息を勧めており、経験的にもいいことが多いのは確かです。医療関係者ならわかりますが、テンパっている人もパニクっている人も息は非常に短く、そもそも呼吸の仕方さえ知らない人がほとんどであり、であるにもかかわらず病気だなんだ言っても、説得力がかけらもありません。ただ単純に知らないだけです。
ヨガなどで使われる禅定呼吸と呼ばれる手法の場合、座ったままの状態で息をまず鼻で吐き出し、その後口ではっはっはっとさらに出し切ります。この時へその下(いわゆる丹田)に意識を集中して、吐き出すときに腹がへっこんでいくように吐きます。これがいわゆる腹式呼吸であり、吸うときに腹が膨らむわけですが、ほとんどの人、特に女性の場合は吸うときに胸が膨らむ胸式呼吸をしており、これは心身の状態だけでなく美容にさえ悪い呼吸と言えます。
私は東洋医学から入ったので少しだけ勉強したのですが、呼吸時は呼吸だけでなくいろいろ意識するとさらに効果が増します。体のある部分に意識を向けることを、気功の言葉では「意守」あるいは「凝神」などといいます。意守の場所は世の中風にいう「ツボ」と言われる場所であり、胃を強くしたい場合は足三里、頭痛があるときや頭痛もちは大敦、不眠の時は勇泉もしくは失眠などを意識しながら長息を行います。それぞれのツボの位置は自分でご確認ください。
このように自分で、しかも移動時間やヒマな時にでもすぐできる、呼吸と精神の安定法はたくさんこの世界にあります。これはほんの初歩中の初歩ですが、見つけようとすればあるものをニホンジンが探さないだけにすぎないのです。