料理教室で完成した「米どころ三原村のすし皿鉢」(同村農業構造改善センター)
色とりどりの田舎ずしがふんだんに盛られる幡多郡三原村の皿鉢料理を観光資源として売り出そうとこのほど、村農泊推進協議会(会長=阿部あけみ村地域振興課長)が料理教室を開いた。皿鉢作りを観光客向けに体験メニュー化することを目指しており、まず住民約20人が地元の伝統の味を学んだ。
米どころとして知られる同村の皿鉢料理は、薄焼き卵や昆布、メノリで巻いた巻きずし、アジやサバを使った姿ずし、手作りこんにゃくやタケノコに酢飯を詰めた田舎ずしなど、米をおいしく食べる品々が主役だ。
地域の体験メニューづくりに取り組んでいる同協議会が、体験観光のツールとして、地元の食材を住民とともに調理して食べられる皿鉢に着目した。「米どころ三原村のすし皿鉢」と銘打って、体験メニューに取り入れることを計画。近年は家庭で作る機会が減っており、ベテランの主婦に学ぼうと、初めて料理教室を開催した。
宮ノ川の村農業構造改善センターで14日開かれた教室は、新谷節子さん(70)=皆尾=と阿部ヒサコさん(73)=成山=が講師に。かんきつ酢を効かせた酢飯の作り方やすしの巻き方、盛り付け方などを指南した。
親子で参加した農業、岡村優良さん(29)は「作るのは初めてで、巻きずしの力加減が難しかった。豊富でおいしい三原の食材をPRできる」と舌鼓を打った。新谷さんは「一緒に作ることで、食べるだけではなく文化に触れてもらうことができる」と意欲を見せていた。
村農泊推進協は、村の児童生徒たちへの教室やモニターツアーなどを企画して、2019年度の体験メニュー化を目指す。
(富尾和方)