スイートサウンドさん宅を後にして、EDさんのお宅までは、車3台に分かれての移動となりました。移動時間は30分強だったでしょうか?途中、懐かしい国分寺の脇を通りました。5年前の吉備路の炎天下のウォーキングが思い出されます。遠かった五重塔が漸く見えてホッとしたことが、昨日のことのようです。国分寺は吉備路のハイライトで、この日も望遠レンズ付きカメラを抱えたファンが訪れていました。5年前の日記で触れた火野正平さんの「日本横断こころ旅」も、依然、NHK-BSで続いています。火野さんも既に70歳ですが、果たしていつまで続くでしょうか。
EDさんのお宅は、これで3度目になります。2016年に訪問してから3年が経ちました。2016年は4月、9月に訪問しましたが、その間だけでも、随分と音が変わった記憶があります。SPの足回りや、ラックの強化などで、短期間に音を追い込まれていました。EDさんは、SPの足元に栗の木を使われています。拙宅も、この夏、黒檀を採用しました。音楽が持つ元来の元気さを失わない・・・SPの足回りで一番大事なことかも知れません。3年を経ても、ATC SCM150SLPTと栗のインシュレータは健在でした。EDさんが満足されている証です。
健在という意味では、KT-150を使ったパワーアンプも然りです。3年前は導入したばかり、試運転~エージング過程でしたが、もうすっかりシステムに馴染んでいました。この日の主役は上流側で、しっかりと裏方に徹していました。
一方、上流機器はガラっと変わっていました。足元を固めて上流にメスを入れる・・・そんな3年間であったと言えます。昨年9月、マランツのSACD/CDプレイヤー、SA-10を導入されました。こちらはKYLYN(キリン)さんも導入されている、なかなか評判の高い機種ですね。私が前回お邪魔した際は、デノンのDCD1500REをトランスポートに使い、ES9018を使った自作DACで受けていました。その頃からグレードアップを考えられていたようです。国内各社の有数のプレイヤーを比較して、お眼鏡に適ったのがSA-10だったというわけです。
DACの進化も、ES9018使いの身としては気になるところです。後継のES9038 Proをデュアルで使うDACを自作されています。過去の音会では旭化成のチップを聴いた記憶もありますが、結局、岡山の皆さん、ESSに落ち着いた感じです。
デジタル以上に変化していたのが、アナログです。これまでマイクロ精機BL99VにラックスマンPD131と、国産機を使われていましたが、ここにきて海外製品へ舵を切られました。トーレンスTD124にLINN LP12です。ここでもEDさんの自作魂は活かされています。レストアショップには出さず、ご自身で仕上げられました。最初はとても聴ける状態ではなかったとか。立て直しの詳細がPhilewebの日記に載っています。腕と熱意の賜物ですね。SME3009SⅡやSPUとの組み合わせは、意匠的にもマッチしています。
こちらは、かつてスイートサウンドさんが所有されていたLP12です。やはりテコ入れを目論まれています。正規の部品は高額なので、いろいろアイデアをお持ちのようでした。今後に注目です。カートリッジはデノンDL-103でしょうか。
後ろが決まっているのでやや駆け足でしたが、約2時間、デジタル→アナログの流れでEDさんの音源を聴かせていただきました。クラシックとポップスの組み合わせは、EDさんのストライクゾーンですね。グールドの運命知らなかったです。念のためベルウッドさんに確認したら、有名の一言(汗)。グリュミオートリオによる弦楽三重奏はアナログならではの温度感、心地よさでした。弦楽三重奏は家にあったかどうか。私にとっての名盤を探そうと思います。「恋人よ」をアナログで聴くのはおそらく初です。全然違いますね。この年代の邦楽はアナログで聴くべきか・・・。
ATC、KT150のパワーアンプ、そして固い床による低音の支えは、3年前同様でした。これに今回、上流部の進化が加わり、音のグレードアップを感じました。SA-10単体と、DAC併用を比べると、後者の方が解像度、鮮度が上がります。DACの進歩で単体プレイヤーは受難の時代となったのかも知れません。TD124とLP12はチューンの差もあるでしょうが、TD124の安定感、音の暖かさが好印象でした。切れではLP12が上回っていた気もします。デジタルの進化により生じたアナログのビハインドを放置できないEDさんの、ご努力から生まれたサウンドでした。
音会が充実していたので時間が進むのが早かったです。前夜の寝不足による睡魔も来ず、ホッとした次第です。この音会ならではの、外野いいたい放題がその暇を与えなかったとも言えます(笑)。最後は岡山駅方面へ繰り出し、和牛肉の焼肉「HACHIYA」で感想戦となりました。ビールやハイボールを片手に、皆さんとの談議が続きました。3年ぶりの岡山入りでしたが、ご自身の求める音はぶらさずに切磋琢磨している様子は、変わっていませんでした。メンバーも増えて盛り上がる音会、また参戦させて下さい。ありがとうございました。
皆さんと別れてから、岡山駅でお土産を調達しました。翌日からは仕事です。新幹線で姫路に向かいました。①相生駅での長い停車時間、②お酒、③こだま号の広い座席、④前日の寝不足と、寝ない方が無理な状況でしたが、何とかセーフでした。