akahanamizukiさん訪問記、後編となります。この日聴かせていただいた曲の3分の2くらいは、クラシックでした。英国系、ドイツ系の2系統で組まれているので、普段はクラシックを聴く割合が多いのではないかと想像します。クラシックの皮切りはグレン―グールドの新旧のバッハ「ゴルドベルグ変奏曲」でした。1955年のモノラル盤、1981年のステレオ盤を聴かせていただきました。モノラルであっても、音楽が浮かび上がるのがいいですね。全般にレコードの状態が良く、レコード、CDどちらを聴いているか、気にせずに聴いていました。
バッハが続きます。ケンプの『ケンプ、バッハを弾く』より「主よ、人の望みの喜びよ 」をかけていただきました。優しい旋律のお馴染みの曲です。ケンプ自ら編曲しています。ケンプはかつてオルガンを弾いていたようで、言われてみるとピアノでありつつもオルガンであるような・・・。一音一音に癒されます。録音は1975年でアナログ最盛期です。時代に合わせてシステムを選択するakahanamizukiさんのような聴き方はできませんが、こちらはCDで揃えたくなりました。このアルバムでは「シチリアーノ」も好きです。
ケンプつながりで、ベートーヴェンのピアノソナタです。『Complete Beethoven Edition 』というBOX CDを紹介いただきました。前回訪問時はアナログ重視の印象を受けましたが、今回はCDもよくかかりました。聴かせていただいたのは、第32番の第二楽章です。ベートーヴェンの後期三大ソナタは、以前、ツィメルマンのリサイタルで生を聴いたことがあります。当時からもう8年以上経過しましたが、依然、オーディオで聴くには敷居が高くなりがちです。機が熟するのを待ちたいと思います。
ベートーヴェンつながりで「ピアノ協奏曲第3番」(ジュリー二/ウィーンフィル/ミケランジェリ)、「交響曲第9番」(フリッチャイ/ベルリンフィル/フィッシャーディースカウ)と続きます。ピアノソナタ第3番は私もよく聴きますが、第2楽章を是非聴いて欲しいと諭されました(汗)。第九はベルリンフィルの気合の入り方が半端ないとakahanamizukiさんの解説が熱かったです。そしてフィッシャー=ディースカウ に熱唱に目と耳が開きました。フルレンジ一発でも十分に重厚感が出ていましたね。ベートーヴェン=ロック説、納得です(笑)。
前回もお邪魔したご近所の蕎麦屋さん「にのみや」での昼食を挟み、最後は歌曲を取り混ぜていただきました。カラス、フィッシャーディースカウといった大御所、前回も紹介いただいたクリスタ・ルートヴィヒ、英国のソプラノ歌手、マジーテイト 等です。男性歌手で聴く「音楽に寄せて」は新鮮でした。横浜に戻ってから、シューベルトの歌曲をネット検索しています。ベタですがシュライアーの「セレナーデ」が気に入って、早速、DECCA盤の『白鳥の歌/歌曲集』を購入しました。
最後の最後は例によって電蓄で締めとなりました。akahanamizukiさん、みずからゼンマイを回してモーツァルトのヴァイオリンソナタ(確か)聴かせていただきました。聴いているうちに装置が温まり、私の耳も馴染みました。この装置で聴ける音源は当然、限られます。当時、家庭で聴かれていた音をそのまま再現する、akahanamizukiさんのオーディオスタイルですが、これもその典型となっています。帰りの新幹線の時間、お土産購入の時間から逆算して、お開きとなりました。
akahanamizukiさん、2日間、夏の終わりのオーディオ交流ありがとうございました。あらためて振り返ると、音楽の選曲、進行がしっかりとプログラムされていて感心した次第です。好きな曲をかけ過ぎたことを懸念されていたようですが、私には計画的で練られていたように思います。聴かせていただいた音楽のいくつかは手持ちもあります。眠っていた音源に陽を当てるいい機会にもなりました。焼山には登れませんでしたが、瞬間的にピークを拝むこともできました。また登るチャンスはあります。引き続きよろしくお願いします。
SP盤でも
LPモノラルでも
LPステレオでも
CDでも
テープでも
データでも
「良いなぁ」と感じる音楽との出会いは
ありますよね。
まだまだ未完の私の再生で
申し訳ありませんでした(笑)
楽しみは好きな演奏によって
いろいろと広がっていけばよいと思っています。
今後もよろしくお願いします。
毎度、そちらへ伺う度に、音楽との出会い、楽しませていただいてます。ご指摘の通り、音楽のそのもの価値は、メディアやオーディオ再生に依らないと思います。
一方で、出会った音楽を、より楽しめるのもオーディオのおかげですかね。
こちらこそ、よろしくお願いします。