AKBジャンケン選抜の新曲「鈴懸なんちゃら」(クリックで関連動画)が最近お気に入りでよく車で流してます。
最初聞いたときはどこかで聴いた事のあるようなメロディラインの継ぎ接ぎっぽく聞こえたんですが数回聞くうちにハマってきました。織田哲郎の作るメロディは自然な転調の繋がりが実に小気味良い。流石は職人オダテツです。
そして秋元康の紡ぐ歌詞もマジック炸裂です。必見(クリックで歌詞サイト)
主役は「小さい頃から知ってる妹みたいな君」を好きになった”僕” この僕がなかなかのイマドキ草食系のナイス野郎。
曲の間奏で「好き!好き!大好きだ!」と選抜メンバーは歌いますが、「好きと叫ぶにはまだ早い」と言って”僕”からは告白なんて無粋な真似はしません。逆に「僕はこの想い語らない」と高らかに宣言します。
そしてそれは”僕”に勇気が無いからではなくて「君のために冷静になってこのままでいよう」そう理由は”君のため”と言い放ちます。あくまでも人のせいです。
さらに”僕”は「友達でも構わない」「今の距離がちょうどいい」と現状の関係の全肯定を始めます。「運命の糸は長いんだ」「慌てなくていい未来はまだまだある」と悠長です。「永遠の中でまた逢おう」と輪廻転生じみたことまで仄めかし始めます。
永遠に自分からは告白しない受け身を決め込みながら、ただし「いつの日か君が僕に気づくまでこのままでいよう」一転して”君が僕への恋心に気づいて君からアクションが有ったら状況は変わるんだよ”と本音をポロリ露呈させます。
だって「僕たちの恋は慌てなくていい」二人の恋愛が始まることは”僕”の中では確定しているのだから。だから永遠に君からの告白を待つし「僕はこの想い語らない」のだ。
現代の草食系”待ちガイル”ゆとり男子(~ゆとり中年含む)の素直すぎる心情の吐露をここまで爽快に歌った歌詞ってちょっと凄い。でも
# どこまで受け身なんだヨ 全部 女に言わせんじゃねーよ(by.土井亜紀@モテキ)
そう、普通は女子の総スカンを食らうはず。ところが
「目が覚めた時に胸のどこかが切ないのはなぜだ?」とジュブナイル的な歌詞を織り込み「鈴懸(プラタナス)」と文学的な単語を使い、織田哲郎のポカリスエットのような爽やかメロディに乗せることで何だか免罪符の様に不思議と懐柔されてしまうのが秋元マジックの独壇場。秋元文学と言ってもいい。
歌詞から感じる清涼感とモラトリアム感は何処となく伊藤整の小説の読後感を彷彿とさせる気がします。早熟な若者特有の傲慢な自己陶酔のやや気恥ずかしい妄想のようなもので、これは秋元氏から現代男子への応援歌でありアンチテーゼでもあるのかもしれません。
「大事なものを見逃すな」そのうち他の男子に好きな子取られちゃうよってね。
さて新年から与太話で失礼。
さて今回も米沢ラーメンから人気店「支那そば熊文(くまぶん)」です。
「中華そば」550円(↑写真上)
透明なあっさりガラベースに油浮かべるも少なめ。店外まで香る醤油ダレが鶏の甘みを蓄えて、薄すぎず濃すぎず絶妙な塩梅。ネギ、生姜とおそらく椎茸をシンプルに効かせた日本蕎麦にも通じる味わいです。
醤油ダレがきっちり作られているので昔風ラーメンにありがちな物足りなさがないですね。胡椒は不要と思いましたが入れてもまた美味しくなるような懐の深さもあります。
麺は強く縮れた細麺でしなやかな歯ごたえ。コシは然程有りませんがこれ位がこのスープには合いますね。加水率高そうなんですがややノビ易い印象。でもするすると一気に食べてしまえるので問題無いです。っていうかスープによく絡んでとても美味しい。やっぱ米沢ラーメンは麺がキモかも。
←「味噌ラーメン」700円
昔はこういう見た目の味噌ラーメンが多かったですね。なんか懐かしい。
白味噌にラー油と僅かに一味。味噌ダレは塩気薄くやや甘め。ガラ味ベースに煮干しと鰹節を柔らかく効かせて、白胡椒でスパイシーにまとめてます。
中華そばと麺・ベースは共通っぽいですが風味をガラッと変えてありますね。見た目はやや地味ですが野菜、ワカメ、挽き肉となかなかの食べ応えがあります。
(→)そしてラーメンの後はデザート。米沢名物:味噌ソフトも美味しかった。オススメ!(おたまや:昭和本樽仕込み館)