映画「ノーカントリー」:「この国では老人は生きられない」という原題の重さ 2008年03月20日 23時46分29秒 | 映画(新作レヴュー) 月光に浮かび上がる車のシルエット。音を立てずに廊下を進む白い靴下。吹き飛ばされるドアの錠。命を懸けて,しかし何気なく宙に向かって弾かれる硬貨。 必要最小限の情報が,微かな音だけを伴い,完璧な構図で画面に立ち現れては消える。それが繰り返され,やがて観客は尋常ではない緊張感にがんじがらめにされていく。 人間の愚かさが紡ぐ物語のダイナミズムに溢れていた「ブラッド・シンプル」と「ファーゴ」を結ぶ線上にある . . . 本文を読む